ヒッチコックの紹介:2012年アメリカ映画。世界的な映画監督、アルフレッド・ヒッチコックが手がけたサスペンス映画「サイコ」の舞台裏を描く。「サイコ」の制作を中心軸として、人間ヒッチコックの情熱や苦悩、そして妻アルマとの衝突と愛を紡いだ作品。原作はスティーヴン・レベロ著『アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ』である。
監督:サーシャ・ガヴァシ 出演者:アンソニー・ホプキンス(アルフレッド・ヒッチコック)、ヘレン・ミレン(アルマ・レヴィル)、スカーレット・ヨハンソン(ジャネット・リー)、ジェシカ・ビール(ヴェラ・マイルズ)、ダニー・ヒューストン(ウィッドフィールド・クック)ほか
映画「ヒッチコック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヒッチコック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ヒッチコック」解説
この解説記事には映画「ヒッチコック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヒッチコックのネタバレあらすじ:『サイコ』との出会い
舞台は1959年のアメリカ。サスペンス映画の帝王、アルフレッド・ヒッチコックは、次回作について思い悩んでいました。今までに無い斬新な作品を求める彼は、『サイコ』という一冊の小説に出会います。『サイコ』は実在の猟奇殺人犯、エド・ゲインの犯罪をもとに書かれた小説でした。ヒッチコックは『サイコ』に惹かれ、次回作の原作に決定します。しかし周囲は猛反対。当初は有能な編集者であり脚本家であり、ヒッチコックの人生におけるパートナー、妻アルマ・レヴィルまでもがいい顔をしませんでした。しかしヒッチコックの熱意と内容に興味を持ったアルマは、最終的に夫の背を押します。配給会社から出資を断わられてしまった二人は、自宅を担保にして制作費用を捻出します。
ヒッチコックのネタバレあらすじ:アルマへの疑惑
キャスト、スタッフも決定し、「サイコ」の撮影が始まります。ヒッチコックはブロンドの美女、ジャネット・リーを出演させます。夫のブロンド美人への執着をアルマは内心苦々しく思っていますが、口には出さず撮影をサポートします。そのかたわら、アルマは脚本家仲間のウィッドフィールド・クックから共同執筆の依頼を持ちかけられます。久しぶりにヒッチコック作品から離れ、才能を存分に発揮するアルマ。一方のヒッチコックは撮影が思うようにいかないことや、周囲からのプレッシャーに次第に苛立ち始めます。ヒッチコックはアルマとクックが海辺の貸別荘で執筆していると知り、妻の浮気を疑います。ヒッチコックの心の底には、女性への不信感がありました。大女優になれると見込んだヴェラ・マイルズから、妊娠を理由にオファーを断わられた過去があったためです。ヒッチコックはそれを裏切りととらえ、アルマの姿をヴェラと重ねていくのでした。
ヒッチコックのネタバレあらすじ:衝突と挫折
苛立つヒッチコックはついに高熱で倒れてしまいます。アルマの看病を受けながらも、彼女の浮気を疑うヒッチコックは直接不満をぶつけます。しかしアルマはそれを一蹴。逆にこれまであらゆる場面で我慢してきた感情を一気に爆発させ、激しい口調で夫を責めます。長年人生と仕事のパートナーであった二人に、深い亀裂ができてしまいました。ヒッチコックは関係者内の試写会で「サイコ」を上映しますが、酷評を受けます。一方のアルマは、クックがヒッチコックと繋がりを持つために自分を利用していただけと知り、大いにプライドを傷つけられます。互いに憔悴した夫婦は、自宅で静かに語り合います。ヒッチコックは「サイコ」は駄作だと告げます。アルマの助け無しでは、作品を完璧なものにすることはできないと思い知ったのです。憔悴するヒッチコックを、アルマは励まします。不満があろうとも、誰よりもヒッチコックの才能を認めているのはアルマだったのです。二人は絆と情熱を取り戻し、お互いを必要不可欠だと再認識します。そして、ここから二人の逆転劇、「サイコ」の編集作業が始まります。
ヒッチコックの結末:「サイコ」の完成
アルマと共に「サイコ」の編集を始めたヒッチコック。精神的余裕を取り戻した彼は、ヴェラと和解し、上映を渋っていた映倫を説き伏せることにも成功します。そして始まった先行上映会。ヒッチコックは一人シアターの外で観客の反応を覗き見します。そしてあのシャワーシーンで爆発する観客の悲鳴。それを聞きながら、ヒッチコックは「サイコ」の成功を確信しました。上映会のあと、ヒッチコックは周囲から絶賛を受けカメラの前に立ちます。彼はその場にアルマを呼び寄せ、長年の感謝を伝えるのでした。やがて映像は暗くなり、「サイコ」後のヒッチコックの人生を概括して、この映画にも幕が降ります。
以上、映画サイコのあらすじと結末でした。
映画史に残る名画「サイコ」はどのようにして生まれたか?というお話なのですが、フィクション部分が多いので半分ファンタジーだと思ったほうが良いかも。ヘレンミレンがとてもチャーミングで、吹き替えがデスパレードの妻たちに出演されている方だと思うのですが、毒気があってさらに良い感じだと思います。結局は彼女なしじゃ何もできないヒッチコックがとても可愛い気もするけど、女優の楽屋を覗いたりするのはナンセンスかな