今度は愛妻家の紹介:2009年日本映画。原作は中谷まゆみの舞台劇。かつては売れっ子カメラマンでしたが、仕事しなければ家事もしない、女性にもだらしないダメ夫があることをきっかけに愛妻家へと変貌する様子を描いています。本当に大切な物は失ってから知ることになる人間の悲しさを描いています。大切な人を失ってから立ち直るまでの、人間の心の動きをとても丁寧に描いているところがこの作品のとても良いところです。悲しみ、失望しているその人を温かく見守る人がいること、人にはその人のこれからを支えていく「夢」があること、消して悲しいだけじゃない、生きる希望を見る人に与えてくれるとても良い作品です。
監督:佐々部清 出演者: 豊川悦司(北見俊介)、薬師丸ひろ子(北見さくら )、水川あさみ(吉沢蘭子)、濱田岳(古田誠 )、城田優(西田健人)、石橋蓮司(原文太)ほか
映画「今度は愛妻家」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「今度は愛妻家」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「今度は愛妻家」解説
この解説記事には映画「今度は愛妻家」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
今度は愛妻家のネタバレあらすじ1:ダメダメ夫
主人公の北見俊輔はかつては有名なカメラマンでしたが、今は仕事もなく家でごろごろし、女性にだらしのないダメダメな男性でした。俊輔は妻の桜にいつも甘え世話になっており、そのくせ感謝の気持ちも表さずに暮らしておりました。ある日妻の桜から沖縄旅行へ行こうと誘われます。妻の桜は子供欲しがっていました。この旅行で子供を授かりたいと思っていた桜は、強引に俊介を誘って沖縄旅行へと誘い、出かけていきます。ところが俊輔は旅行の最中も乗り気にならず、桜を悲しませます。そして舞台が変わります。俊輔のもとにモデル志望の若い女性がやってきます。その女性の名前は吉沢嵐子といい、女優になるために日々オーディションを受けていました。彼女は俊介に良い写真を撮ってもらおうと、色仕掛けで彼に迫りますが、ちょうどその時に妻の桜が帰ってきます。桜は俊介のだらしなさにあきれ果てます。
今度は愛妻家のネタバレあらすじ2:変化
モデルの嵐子は俊介の弟子である古田誠の彼女となります。そんな俊介と弟子の世話を世話を桜の父親の文太は面倒を見ています。文太は桜の父親でしたが過去に女装に目覚め、おかまの道を歩いていました。誠の元に嵐子がやってきます。「お腹に子供がいる。この子はあなたの子だから子供おろすお金をちょうだい」と誠にお金を要求します。文太は彼女のお腹の中の子供が誠の子ではないことを見破ります。蘭子が身ごもっていたのは、誠の子供ではなく前の彼氏との子供でした。彼女はこれからオーディションを受ける予定だから子供はおろすと言い、その場を去っていきます。一方俊介の相変わらずの態度から、桜は離婚を切り出し家を出て行きます。桜が家を出て行った後、昔から慕っていると言う桜の教師時代の教え子の西田健人という青年が俊介を訪ねてきます。健人は桜と手紙のやりとりをしていましたが、最近桜から、手紙が来ないといいます。桜の身に何かあったのではと俊輔に問い直ますが、俊輔は邪険に追い返します。
今度は愛妻家のネタバレあらすじ3:妻の写真
出て行ったと思われた桜が、俊介の元へ帰ってきます。離婚する前にもう一度私を撮影してほしいと彼に頼みます。俊介は妻の桜をモデルにして写真をたくさん撮ります。写真を撮った後、桜はまた家を出て行きます。その後、俊介が写真を現像します。ところが写真には妻の桜の姿が写っていません。そして沖縄旅行の最後の写真だけに後ろ姿の桜だけが写っています。俊介は涙を流します。写真を現像し終わった後自分の部屋に戻ると、部屋には桜が入りました。桜は「本当に出て行ったと思った?」と俊介に問います。俊介は涙を流しながら俺の元からいなくならないでと、桜に頼みます。俊介は桜の幻を見ていたのでした。
今度は愛妻家のネタバレあらすじ4:沖縄旅行の真実
舞台は俊介と桜が沖縄旅行をしている時に戻ります。俊介と桜は離婚を決意しホテルを後にします。ところが桜は結婚指輪をホテルの部屋に忘れていってしまいます。「そんな安物捨てておけ」と言う俊介に、桜は大事なものだからとホテルに指輪を取りに走って戻ります。その後ろ姿を彼は写真に撮ったのでした。桜はその後、車にひかれてしまい重症となり病院へ運ばれます。しかし助からず、この世を去ってしまいます。
桜が亡くなってから、俊介は自分にとって彼女がどれだけかけがえのない存在だったか思い知らされます。そしてその悲しみから幻想を見るようになり、仕事もせずにずっとその幻想と暮らしていくことになります。
今度は愛妻家の結末
その年のクリスマスは桜の1周忌でした。俊介は大きなクリスマスツリーを部屋に運び込み飾り付けをします。そんな俊介に文太は「法要のお坊さんを頼んだのか」と問い詰めますが、俊介はクリスマスの準備をし酔っ払って現実逃避をします。そんな彼にずっと付いてきた弟子の誠と父親文太は失望します。早く現実を受け止めて前に進んもらいたいと願う2人に反して、彼はなかなか桜を失った現実を受け入れません。そこへ嵐子がやってきます。オーディションに合格したと言い、俊介と一緒にクリスマスパーティーに興じます。しかし蘭子はオーディションは受けておらず、お腹の子供もおろしてはいませんでした。やけになり飛び出す蘭子を誠は追いかけます。誠はお腹の子供と3人で暮らそうと彼女を抱きしめます。大暴れする俊介は、文太に暴言を吐き、部屋で1人になります。すると幻想の桜が現れます。俊介は、「これから愛妻家になるから、ずっといてくれ」と彼女に頼みます。俊介の中の幻想の桜は「もう私はあなたの元から旅立とうなくてはいけない。今度こそお別れしなくてはいけない。」と言います。そして桜は姿を消します。涙を流す俊介でしたが、なぜか気持ちは前向きになっていました。そこへ桜の父親の文太が家に帰ってきます。先ほどの暴言を俊介は文太に謝ります。2人は仲直りに飲みに出かけることになります。文太を先に行かせた俊介はケーキにロウソクを灯して桜にお別れを言います。そして仏壇のカメラに手を伸ばします。俊介が本当に立ち直った瞬間でした。
以上、「今度は愛妻家」のあらすじと結末でした。
あまり邦画を見る機会がないのですが、DVDを買ってしまったほど好きです。大切な人がいるのなら、絶対に見てほしい映画です。今でも落ち込んだり泣きたい時は、この映画を見て思いっきり泣いています。悲しい内容ですが、心がほっこり温かくなる素敵な作品です。