顔のないヒトラーたちの紹介:2014年ドイツ映画。アカデミー賞外国語映画賞など数々の国際的映画賞を受賞した注目作。1958年のドイツではアウシュビッツの真実が知られていなかった。勇気ある検事たちの捜査で、1963年フランクフルト・アウシュビッツ裁判が開かれるまでの実話を基にした映画。
監督: ジュリオ・リッチャレッリ 出演:アレクサンダー・フェ―リング(ヨハン・ラドマン)、フリーデリーケ・ベヒト(マレーネ)、アンドレ・シマンスキ(トーマス・グニルカ)、ヨハン・フォン・ビューロー(ハラー)、ヨハネス・キルシュ(シモン・クリシュ)、ゲルト・フォス(バウアー検事総長)ほか
映画「顔のないヒトラーたち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「顔のないヒトラーたち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「顔のないヒトラーたち」解説
この解説記事には映画「顔のないヒトラーたち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
顔のないヒトラーたちのネタバレあらすじ:ラドマン検事
1956年フランクフルトで、一人の男がとある教師からタバコの火をもらおうとしましたが、彼の手を見て男は驚いてしまいます。地方検察庁では新米のラドマン検事が罰金刑の女の裁判をしていました。ラドマンは正義感が強く、魅力的な女性の減額要求にも応じません。部屋の外では、記者のグニルカがタバコの火をもらおうとした男・シモンと一緒に、アウシュビッツの伍長・シュルツが教師をしている、と訴えていました。検事たちがその訴えを無視する中、ラドマンだけは興味を持ち、調べ始めました。再びグニルカに会うと、「アウシュビッツのことをみんな知らない」と責め立てます。ラドマンも、シュルツがアウシュビッツで隊員だったことを上に報告するも、結局対処されないまま終わってしまいます。みんな古傷を思い出したくないがごとく、何も語りません。そんな時、グニルカが「検事が教師のことを調べている」という新聞記事を出し、大きな騒ぎになりました。
顔のないヒトラーたちのネタバレあらすじ:捜査開始
グニルカに誘われてパーティーに行くと、そこには罰金刑の女マレーネがいました。マレーネもラドマンもお互いに惹かれていきます。酔っぱらって寝てしまったシモンを、ラドマンとグニルカは彼の自宅に運び、ラドマンはシモンがアウシュビッツ収容者だったことを知ります。シモンがアウシュビッツのことを一切語らないため、彼が寝ている間に、アウシュビッツの手がかりになるかもしれない書類を盗みました。それは「銃撃者リスト」で捜査開始が可能な重要な手がかりでした。検事総長はラドマンを指揮官に命じ、アウシュビッツで犯罪に関わった者たちを逮捕する捜査に踏み切ります。しかし、検事仲間も警察も誰も手を貸してくれず、捜査は難航するのでした。
顔のないヒトラーたちのネタバレあらすじ:元収容者の証言
捜査は銃撃者リストの居場所探しから始まりましたが、例え見つけても「殺人」の罪でしか罰することができないことから、元収容者から目撃情報を募ることにします。そこで元収容者を検察庁に呼び、アウシュビッツで何があったかを話してもらったのですが、それはドイツ人の誰も知らない壮絶な真実でした。証言者を失明させたブランドナーという男は、パン屋さんとして普通に働いていますが、証拠がないので手を出せません。アウシュビッツには8000人の兵士がいたことがわかりますが、書類が膨大にあり、なかなか捜査は進みません。再びシモンに証言を頼みますが、それは双子の娘がヨーゼフ・メンゲレという医師の人体実験で殺された、というものでした。ラドマンはメンゲレ医師に的を絞って捜査を進めていきます。メンゲレはブエノスアイレスに逃亡していましたが、各国家機関に守られて手が出せません。ドイツに来る情報を得て、ラドマンは上官の命令に背き、勝手に会いに行きますが、それも失敗に終わりました。
顔のないヒトラーたちのネタバレあらすじ:ナチス党員たち
そんな時、教師シュルツがアウシュビッツで人選係をしていた証拠が見つかり、逮捕します。しかし、エンゲルは別の地へ逃亡してしまい、捕まえることができません。他にも逮捕すべき人がいる、と諭されたラドマンは、次々とアウシュビッツに関わった人の逮捕に踏み切ります。そんな中、ラドマンの母親が会いに来て、今は行方不明の父親もかつてナチス党員だった、と告白するのです。信じられない気持ちで父親を調べるも、ナチス党員だったことがわかり、ラドマンは失意のどん底に落ちます。酔っぱらったラドマンは、恋人のマレーネに会いに行き、彼女の父もポーランドでひどいことをしていた、と伝え、マレーネと別れてしまいます。さらにグニルカが、自分もアウシュビッツで見張り役をさせられていた、とラドマンに告白し、彼は捜査へのやる気を失ってしまいました。
顔のないヒトラーたちの結末:裁判へ
ラドマンは検事総長に辞表を出し、以前から誘われていた弁護士事務所へ転職します。しかしそこでの仕事は納得のいかないものばかりで、ラドマンは事務所を飛び出してしまいます。そしてグニルカとアウシュビッツへ行き、心臓発作で倒れたシモンの代わりに、彼の娘たちのために祈りをささげました。ドイツへ戻ったラドマンは、検事総長に会いに行き、裁判へ向き合う決心をします。マレーネにも会いに行きますが、最初は許してもらえなかったものの、裁判の前日にラドマンに会いに来ます。1963年、ついにラドマンとハラ―検事はフランクフルト・アウシュビッツ裁判の初公判の日を迎えます。
以上、顔のないヒトラーたち のあらすじと結末でした。
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