ロシアン・ドールズの紹介:2005年フランス,イギリス映画。作家を志すグザヴィエは再びスペインで共同生活をしていた面々と、些細なきっかけでかかわり始め、再び運命の歯車が回り出す。『スパニッシュ・アパートメント』の続編。
監督 :セドリック・クラピッシュ 出演:ロマン・デュリス(グザヴィエ)、ケリー・ライリー(ウェンディ)、オドレイ・トトゥ(マルティーヌ)、セシル・ドゥ・フランス(イザベル)、ケヴィン・ビショップ(ウィリアム)、アイサ・マイガ(カッシア)ほか
映画「ロシアン・ドールズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロシアン・ドールズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ロシアン・ドールズ」解説
この解説記事には映画「ロシアン・ドールズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロシアン・ドールズのネタバレあらすじ:グザヴィエのうまく行かない作家活動。
サンクト・ペテルブルクに結婚式で訪れたグザヴィエ、集まってきたルームメイトたちとの再会を楽しむ前にここまでの経緯を説明し始める。彼はフランス帰国後作家活動を始めるもうまく行かず、ゴーストライターを生活のために始め、そのうちテレビドラマの脚本の仕事も入り始める。しかし陳腐な内容のため元恋人マルティーヌからは馬鹿らしいと一蹴されてれしまう。スパニッシュ・アパートメントは五年前描いたけど出版の目処は立たないまま。私生活も決まった恋人はおらずマルティーヌにプレゼントを買い求めたかと思えば、他の女性と浮名を流す日々。そんな中、ある日パリの街角でかつてのルームメイト、ウェンディが恋人と思われる男をタクシーに乗せているところに遭遇。しかし、新しい連絡先を知る事のできないまま、見送る。そして、マルティーヌのプレゼントを買っていた洋服店の売り子カシアと良い仲になる。友人のトマの所に居候していたグザヴィエは、トマが恋人に追い出されてしまったので自分も新しい家を探していた。そこでバルセロナ時代からの友人でレズビアンのイザベルの所に引っ越す事にした。マルティーヌは植木屋と知り合った次の日、息子のリュカを置いて社会活動のためポルト・アレグレに旅立った。グザヴィエはリュカお守りをすることに。帰国したマルティーヌは才能を無駄にしていると彼を叱った。
ロシアン・ドールズのネタバレあらすじ:婚約者はいつ連れてくるんだい?
グザヴィエの祖父はいつ婚約者を連れてくるのかと何度も言うので、彼は仕方なくイザベルに代役を頼む。しかし、普段男の振る舞いをしている彼女には苦痛だった。帰宅するとグザヴィエに自分が着ていたドレスを着せ、化粧を施した。そこへマルティーヌから電話がくる。リュカの父親が来て子供を連れて行ったので今夜は一人で寂しいと泣く彼女はグザヴィエの所で一晩過ごす。互いに今さら関係を持つ気はなかったが、彼女はグザヴィエと別れてからいい出会いが無いと零した。翌朝、カシアとの約束があるのでマルティーヌを帰そうとするが、玄関でばったり会ってしまい同居人に他の女性をはべらせていると勘違いしたカシアは怒って帰ってしまった。グザヴィエの母親は新しい恋人を彼に紹介し、悠々自適の日々。再び脚本を書き始めたグザヴィエだが、放送局の関係で英語の脚本を書く必要出てきてしまう。そこで彼は、結婚のためにパリ経由でサンクトペテルブルクへ向かうウィリアムに、英語で脚本を書いてくれるパートナーを紹介してもらうことにした。ウィリアムは、ロンドンに公演に来たバレエ団のバレリーナ、ナターシャと恋に落ち、ロシア語を習い会いに行き、結婚までこぎつけていた。
ロシアン・ドールズのネタバレあらすじ:ロンドンとパリを行き来する暮らし
テレビ局からロンドンへの旅費は後から清算すると言われ、ウェンディの元を訪れたグザヴィエ、同居人の男を追い出した彼女と生活しつつ、仕事は軌道に乗った。そんな彼女は、バーで働くミゲルに想いを寄せていた。そこへ、パリ滞在中のモデル、セリアの自叙伝のゴーストライターの仕事が舞い込みユーロスターでロンドンとパリを行き来する生活が始まる。グザヴィエに自分の半生を話すうちに心が傾いていったセリアは心が傾いてゆき、一晩をともにした。そしてグザヴィエが不在の間、ウェンディも追い出したはずの男と一緒に過ごしていた。ウェンディを理解できないグザヴィエは依存症のようで哀れだと称した。しかし、ロンドンの公園でウェンディと話すうちに彼女とも寝てしまい、翌朝やって来たウェンディの元恋人と喧嘩し追い返した。ウィリアムのために姉であるウェンディと一緒にペテルブルクにやってくると、彼はナターシャと家族と一緒に住んでいた。マリンスキー劇場のバレリーナをしているナターシャを紹介、彼女の家族がウェンディにグザヴィエと結婚するのか問うとはぐらかしてしまう。
ロシアン・ドールズのネタバレあらすじ:ウェンディとセリア、そしてグザヴィエ
モスクワに来ているセリアからグザヴィエに連絡が入ると彼は、出版者からの呼び出しと言って、モスクワに行こうとした。察したウェンディは、グザヴィエの欠点が好き、完璧でないものを愛していると言って駅で別れた。モスクワで一人寂しかったセリアはグザヴィエを呼び、クラブに繰り出すとそこで知り合いのジュリアーノに再会。ジョンが待っていると言われグザヴィエを置いて他へ行ってしまう。彼にとってセリアは夢の塊だった。そんな彼が現実に戻ると。サンクトペテルブルグのアパートにバルセロナで共同生活していた面々が結婚の準備にやってくる。しかしウェンディにはもう会いたくないと言われてしまう。結婚式が行われ、船上パーティーが行われる。グザヴィエが船上で踊っている間、母親は恋人と過ごし、マルティーヌは他の男と懇ろになっていた。グザヴィエは船酔いをしたウィリアムを介抱し、船尾にいたウェンディのそばに言って話をしようとした。すると彼女は、自分の結婚式に呼んだ両親が20年も前に離婚している事を明かし、未来の事を考えると怖いと言った。そんな事をユーロスターの中で書いているグザヴィエは、引越しの荷物を持ってロンドンにやって来た。それをウェンディが駅で迎えた。
ロシアン・ドールズのレビュー・感想:ウェンディが歩み寄る瞬間
字幕には反映されていないのが、ひとつ特筆しておきたいシーンがある。それは、エンドロールで流れるグザヴィエがウェンディの家で過ごしている時のワンシーン。ジグソーパズルを完成させたウェンディが、「終わったわ」と声をかけグザヴィエがそれに答えると言うささやかなもの。ただそれまでと違うのが、ウェンディがフランス語で話しかけている。イギリス人の彼女は、バルセロナのアパートでは共通語が英語だったため、スペイン語も自発的に喋った事は無い、ましてフランス語は喋った事がなかった。それはどこか潔癖のウェンディの見えない壁のようにも見えた。その彼女がフランス語を自分から話すと言うのはグザヴィエに対して心を許したように見える。さらに、それに対してグザヴィエは英語ではなくあえてスペイン語で返している。それは、彼らが出会ったスペインを思い出させる。
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