サンセット大通りの紹介:1950年アメリカ映画。名匠ビリー・ワイルダーによるハリウッドの内幕もの。かつてのスター時代を忘れられないサイレント映画の女優が徐々に精神を病んでゆく様子を、無慈悲なまでのタッチで描いている。
監督:ビリー・ワイルダー・出演:グロリア・スワンソン(ノーマ・デズモンド)、ウィリアム・ホールデン(ジョー・ギリス)、エリッヒ・フォン・シュトロハイム(マックス)、ナンシー・オルソン(ベティ・シェーファー)、ほか
映画「サンセット大通り」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サンセット大通り」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「サンセット大通り」解説
この解説記事には映画「サンセット大通り」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サンセット大通りのネタバレあらすじ1
物語は、ロサンゼルスのサンセット大通りにある邸宅で、一人の男が拳銃に撃たれてプールに浮かび上がる場面から始まります。彼はこうやって殺されるにいたる経緯を話し始めるのです。6ヶ月前、仕事のないシナリオライターであるその男、ジョー・ギリスはパラマウントのプロデューサーに自分の脚本を売り込もうとしますが、散々その内容を批判されます。腐っているところへ車を差し押さえようと借金取りがやってくるので、ジョーはそのままサンセット大通りにある邸宅へ逃げ込みます。
サンセット大通りのネタバレあらすじ2
そこはサイレント映画時代の大スターであるノーマ・デズモンドの住まいでした。召使であるマックスに促されるまま、ジョーはノーマと会うことになります。ノーマはジョーが彼女に会いに来た脚本家だと勘違いしていて、彼女が自らペンを取った「サロメ」の手直しをするのだと思い込んでいるのです。長い間スクリーンから遠ざかっているノーマは、この「サロメ」によって女優としてカムバックするつもりでした。
サンセット大通りのネタバレあらすじ3
ジョーはその脚本を読んでそのひどさに辟易しますが、金を得るため、自分をその手直しのために雇うことを進言します。ノーマの命令でその邸宅に移り住んだジョーは、彼女がまだ自分がスターのままでいると勘違いしていて、現実をまるで見ていないことに気づきます。しかも送られてくるファンレターは召使のマックスが書いていて、彼によるとノーマはすでに数回自殺未遂を起こしていたのです。ノーマはジョーに高級な服を買い与え、彼を若いツバメ扱いします。ノーマが恋人のように振る舞おうとするのを拒否すると、彼女はジョーの頬を叩き、自分の部屋に閉じこもってしまいました。
サンセット大通りの結末
ウンザリしたジョーは一旦ノーマの邸宅から出ますが、マックスから彼女がまた自殺を試みたことを知らされ、再び邸宅に留まることになります。ノーマの妄想がひどくなる一方で、ジョーは友だちのパーティで知り合った女性脚本家とシナリオを共作するようになり、いよいよノーマと別れる決心をします。しかし、荷物をまとめて邸宅を出ようとした彼を、ノーマは銃で撃ち殺してしまうのです。知らせを聞いて駆けつけたマスコミたちの前をノーマはスターに戻った気分で横切っていきます。
過去の栄光にすがる妄執の凄まじさが描かれた映画です。多かれ少なかれ人はかつて自分が輝いていたと思われる頃に執着します。しかしそれが女優となると現実と妄想の境界が無くなり、常にスクリーンのヒロインである感覚になってしまうものなのでしょうか。召使役のエーリッヒ・フォン・シュトロハイムがいい味を出しています。考えてみると「フォン」ですから、かつてはドイツ貴族の家柄の筈です。それが召使役というのですから、主人公とは対照的だなと思ってしまいます。もちろん、そこまで計算していたとは思えませんが。