タイムマシンの紹介:2002年アメリカ映画。失った婚約者を救うためにタイムマシンを発明した科学者が、運命を変えるヒントを未来に求め、80万年後の世界を目にする。H・G・ウェルズの同名原作を曾孫のサイモンが監督し映画化。
監督:サイモン・ウェルズ 出演:ガイ・ピアース(アレクサンダー)、ジェレミー・アイアンズ(ウーバー)、オーランド・ジョーンズ(ボックス)、シエンナ・ギロリー(エマ)、サマンサ・ムンバ(マーラ)ほか
映画「タイムマシン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「タイムマシン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「タイムマシン」解説
この解説記事には映画「タイムマシン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
タイムマシンのネタバレあらすじ「運命を変える」
1890年代のニューヨーク、科学者のアレクサンダーは恋人のエマにプロポーズしたその場で強盗にエマを殺されてしまう。彼女の死を受け入れられないアレクサンダーは過去を変えるべく研究に没頭し、4年後、ついにタイムマシンの発明に成功する。彼はエマの死の直前に戻るが、別の事故でまたしてもエマは死んでしまう。彼女を救う方法は未来にあると考えたアレクサンダーはタイムマシンで未来へ向かう。
タイムマシンのネタバレあらすじ「未来へ」
2030年に降り立つがこの時代にも答えがないと知り、更に未来へ向かおうとした途中の2037年、月面爆破によって崩壊した月の隕石が直撃、タイムマシンが未来へと作動したままアレクサンダーは気を失ってしまう。そして彼が再び目を覚ましたのは80万年後の世界だった。
タイムマシンのネタバレあらすじ「80万年後の世界」
そこに文明はなく、地上に住む「エロイ」という種族と、地下に住みエロイを食糧として捕食する野獣のような「モーロック」という種族が存在する原始的な世界だった。アレクサンダーはエロイ族の女性マーラに助けられ、ケガを癒していったが、ある時、彼はモーロックが次々とエロイ族を襲う場面に遭遇する。マーラを含む何人もが拉致されても、エロイ族は“運命だから”と言って助けようとしない。アレクサンダーは一人、マーラを救うため地下深くモーロックの住処へ向かうが捕らえられてしまう。
タイムマシンの結末「未来を変える」
そこには全ての種族の思考をコントロールしているというウーバーがおり、過去を変えるなど無意味なことだと言い、このままもとの時代へ戻るよう命じる。しかしアレクサンダーはマーラを救うためウーバーと戦い、時空の彼方に葬り去り、タイムマシンを爆発させてモーロックを壊滅させる。
タイムマシンを失い、元の時代へ戻ることが出来なくなったアレクサンダーだったが、80万年後の世界でマーラと共に暮らしていくことを決意したのだった。
「タイムマシン」感想・レビュー
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「タイムマシン」は1960年のロッド・テイラー版も含めて数年毎に観ている。現実的にはエントロピーの法則(原理)により決して過去へは遡れない。しかし映画というものは幻想の芸術であり、人間の願望や祈りをいっぱいに乗せて運ぶマシンでもある。私も他の乗客と一緒にマシンに乗り込んだ乗客のひとりなのである。詰まり、タイムマシンは映画の本質ではないかと思うのである。それと、もう一つは時間が循環していると言う幻想について。アレクサンダーが行き着いた80万年後の世界は実は81万年前の世界ではないかと。つまりその時代のパラレルワールドのように思えてならない。アレクサンダーが過去にトリップする度にエマは無限に存在し際限なく死亡する。この作品を見る度に私は哲学的な啓示(メッセージ)を受け取る。しかし哲学というものもまた人間が作りだすイリュージョンに過ぎないのかも知れない。「タイムマシン」はとても甘美で切ない人間ドラマではないだろうか。
科学者アレクサンダーと共に様々な時代を旅する事が出来、楽しめました。1890年代のニューヨークや、2030年の近未来的都市のシーンが特に印象に残っています。「エマを死なせない様にする為にタイムマシンが作られた訳だから、タイムマシンがある以上恋人エマは復活出来ない」的な事を主人公アレクサンダーが言われるシーンがあり、確かにそうなのかもと思いました。