ヴェロニカ・ゲリンの紹介:2003年アメリカ映画。麻薬の横行する90年代アイルランド。記者ヴェロニカ・ゲリンは犯罪組織との繋がりを暴こうと奮闘する。彼女は真実に辿りつくのか? 脅迫に屈せず取材を続けた彼女が殉職するまでを描く感動の実話。
監督:ジョエル・シューマカー 出演:ケイト・ブランシェット(ヴェロニカ・ゲリン)、ジェラルド・マクソーリー(ジョン・ギリガン)、シアラン・ハインズ(ジョン・トレイナー)、ブレンダ・フリッカー(バーニー・ゲリン)、バリー・バーンズ(グレアム・ターレイ)ほか
映画「ヴェロニカ・ゲリン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヴェロニカ・ゲリン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ヴェロニカ・ゲリン」解説
この解説記事には映画「ヴェロニカ・ゲリン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヴェロニカ・ゲリンのネタバレあらすじ:麻薬と犯罪組織の関係を追うヴェロニカ
1996年ダブリン、速度違反で訴えられていた記者ゲリン。彼女は免停を覚悟していたが、罰金と注意のみで放免された。裁判所からの帰り道、家族に電話を入れていると信号停止中に暴漢に襲われた。二年前。記者として麻薬と犯罪組織のつながりについて書き始めていたヴェロニカは、公園で大量の麻薬が売りさばかれている事を調べていた。彼女は子供が使用済みの注射器で遊んでいるのを見て、アパートの中に入っていく。記者と名乗ってたむろしていた中毒者にインタビューをした。 とある犯罪組織のアジトで、ジェイミーと言う男が警察に垂れ込んだことを理由に拷問されていた。響く声に子供たちが逃げ、周りの住人はベランダから伺った。子供たちが見に行くとジェイミー倒れていた。ヴェロニカは、売人はベンツを乗り回し、麻薬を買った子供は中毒で死んでも、裁判では家庭の環境のせいとされてしまうのが関の山。法改正が必要な状態だった。ヴェロニカは犯罪組織を暴こうととある青年にインタビューするが口を割らない。彼女に出来ることはデモに参加することくらいだった。
ヴェロニカ・ゲリンのネタバレあらすじ:ジョンは本当に情報屋なのか?
ヴェロニカは裏と繋がっているジョンを訪ねる。彼は自分もカーヒルも麻薬とは無関係、カーヒルには近づくなと釘を刺した。しかしその忠告も聞かず、カーヒルの家を訪ねると、夫人にインタビュー拒否されてしまった。当時、警察は人不足で、手が回らない状態。ヴェロニカは誰かが書かなきゃ、国民は知るべきだと主張した。彼女の記事のおかげで、国民はジェネラルがカーヒルだと知ってる。カーヒルを都嘘宇土するジョンは、他の男と組んだ。ジョン。そして、バーで強盗が起きる。カーヒルが死んだのはIRAによる処刑だとされた。葬式に訪れたヴェロニカは参列者の中にいる売人たちをチェックしながら、カーヒルは死んだ時一文無しだったとぼやいた。そこへジョンから電話が入り、ジェリー・ハッチと言う人物が彼を殺したと、彼女に伝えた。さっそくジェリー・ハッチを訪ねると、プライバシーの侵害で訴えると逆に言われてしまう。
ヴェロニカ・ゲリンのネタバレあらすじ:記者としてのヴェロニカ。
新聞社の上層部は彼女の記事は過激すぎるとおかんむり。情報をながしていたジョンも、ヴェロニカがカーヒル殺しの犯人がハッチではないと気付くと、情報を流してやったオンも無いと怒り出した。そうこうしているうちに、ヴェロニカはその筋ではすっかりしつこい記者だと有名になってしまっていて、彼女の家族は何か起きはしないかと心配していた。
ハッチを追っているうちにヴェロニカは新たに出所したばかりのギリガンという人物行きあたる。これは大きなネタだとさっそく取材をはじめたヴェロニカはジョンにギリガンのことを問いただすと知らないと言張った。ジョンはギリガンが本当の元締めだと知られたくはなかった。そして、真相に近づきすぎた彼女が家に押しかけた暴漢に腿を打たれてしまった。ヴェロニカの夫は麻薬の取材をするのを止めようとするが彼女は聞かず、退院後取材を再会した。ヴェロニカはテレビのインタビューを受け、一般市民や犯罪組織の人間も知る顔となった。彼女は、現行法では麻薬の取締りには無理があると訴えた。
ヴェロニカ・ゲリンの結末:本丸ギリガンへ突撃の結果は?
ギリガンについて税の記録から調べた彼女はギリガンの居場所をつき止める。そこは郊外の屋敷で馬屋があった。ギリガン本人を探すがはぐらかされ、何とか奥の屋敷でギリガンを尋ねて話を資金調達について聞こうとすると。殴られる。追い出されてしまった。ヴェロニカはジャーナリストとして記事を書くか、被害者として訴えるかという選択を迫られる。そこへギリガンから電話で脅しをかけられる。彼女はおびえるものの、夫には口止めした。ヴェロニカはギリガンに関して弁解され訴えなければ10万ポンド払うと買収されかけるが拒否し、訴訟を起こすことにした。しかしギリガンの弁護士は優秀で、審議は延期となってしまった。波止場でジョンと落ち合ったヴェロニカは、ロンダリングの仕方を尋ね、誰が彼女を殺そうとしたのかと尋ねた。ジョンがギリガンの相棒だと気付いていたヴェロニカかはジョンを売人と書き、ハッチの事も本名で記事にすると宣言した。ジョンは、ヴェロニカがスピード違反の件でネース裁判所に行くとギリガンに伝えた。犯罪組織は束になって彼女をけそうとし、裁判所帰りの彼女は襲撃され、冒頭の場面のように殺された。突然のニュースに編集部に衝撃。知らされた母、夫、息子は悲しみ、彼女の死で市民は立ち上がり、デモが起き、麻薬王は海外へ逃亡。彼女の事がきっかけで、麻薬法は改正され。犯罪資産法も変更。証人保護プログラムも整備された。市民は彼女の葬列を組み、死を悼んだ。彼女の死後六年の間に196人の記者が殉職したとテロップが流れ、エンドロールへ。
ヴェロニカ・ゲリンのレビュー・感想:ジャーナリストとは。
記者・ジャーナリストが命を落とすことは昨今けして少ないことではない。ヴェロニカのように、なぜ彼らは命を賭してまで、取材を続けようとするのか。ヴェロニカの、「国民は知るべき」と言う言葉が印象に残っている。日頃、私達が触れるニュースはけして真実そのままではないということを忘れてはいけない、もちろん全てを知ることは不可能だし、手元に届く頃にはわかりやすくまとめられている。その過程で零れ落ちてしまっている事柄も多々あるというのは、インターネットが発達した今、知ろうとしさえすれば、概要だけなら容易に知ることが出来る。しかしまだ、その暗部や真相というものはなかなか見えてこないと言う現状がある。不完全な情報は、やがて、人々を無関心にする。ジャーナリストである彼女の姿勢を通して、物事に無関心であってはいけないということを、もう一度考えたくなった。
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