007 美しき獲物たちの紹介:1985年イギリス作品。007シリーズ14作目。コミカルな作風として親しまれたムーアボンド最後の作品です。スタントと彼の持ち味であるユーモアを合わせ、彼の最大の魅力が現れています。
映画「007 美しき獲物たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「007 美しき獲物たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「007 美しき獲物たち」解説
この解説記事には映画「007 美しき獲物たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
007 美しき獲物たちのネタバレあらすじ:マイクロチップの製作者
シベリアに派遣されたボンドは、エージェント003の遺体を発見し、彼が持っていたマイクロチップを回収します。Qが解読すると、そのチップはゾリンと呼ばれる者によって作られたことがわかります。
007 美しき獲物たちのネタバレあらすじ:勝利の秘密
ボンドは、ロイヤルアスコットの競馬場へ行くと、ゾリンの持っている馬がすべて勝つことに気づきます。しかし、暴れやすい馬でした。MI6はゾリンの馬が薬漬けにされていることを確信します。しかし、テストをすると陰性であると出たのです。ボンドはフランスの刑事と会い、エッフェル塔にてディナーを共にしますが、刑事はゾリンの手下であるメイデイに暗殺されてしまいます。ボンドはゾリンの施設へ行くと、アドレナリンの放出する装置が馬に取り付けられていることを確認します。
007 美しき獲物たちのネタバレあらすじ:ゾリンの出生と隠された計画
ゾリンはシリコンバレーを破壊し、電子産業を破壊した後、世界を征服しようとする計画を立て、サンフランシスコへ向かいます。ボンドはCIAの局員から、ゾリンはナチスの科学者により、医学実験で生み出された人間だという説明を受けます。サンフランシスコについたボンドは、地質学者のステイシーと呼ばれる女性とともにサンフランシスコ市庁舎へ行き、ゾリンの計画を調べます。そこへゾリンがきて、放火、市庁舎が燃えるなか、ボンドとステイシーは脱出し、警察が彼を逮捕しようとしますが、ボンド達は消防車で逃亡します。
007 美しき獲物たちのネタバレあらすじ:ゾリンの計画を潰せ
ボンド達は、ゾリンが湖を爆破し、サンアンドレアス断層を揺らすことで大規模な洪水を行うことを知り、ゾリンの元へ急ぎます。そこでは爆弾がセットされ、ゾリンは労働者達を全員射殺します。手下のメイデイは、ゾリンに利用されていたことに気づき、ボンドの側につき、巨大な爆弾の解除に協力し、自分は起爆装置を手にとり、自身を犠牲にします。
007 美しき獲物たちの結末:ゴールデンゲートブリットでの激闘
ステイシーを人質にし、飛行船で逃げたゾリンに、ボンドがしがみつき、飛行船はゴールデンゲートブリッジにあたります。ゾリンはボンドと対決しますが、海へ転落して死亡します。残りの者がダイナマイトを起動させ、飛行船は大爆発を起こします。ボンドはステイシーの家に行き、彼女と過ごします。
お馴染みのジェームズ・ボンドシリーズの第14作「007 美しき獲物たち」。
パリからサンフランシスコ、サンノーゼへ飛んで、007一流の痛快なアクションが展開する。
ナチの狂気の優性手術で生まれた男が、KGBと結びつき、巨大な陰謀を企んでいる。
シリコンバレーを湖の底に沈め、マイクロチップの世界市場の独占を狙っているのだ。
物語りの設定はさておいて、追いつ追われつの危機一髪の面白さこそ、このシリーズのお楽しみの目玉だ。
その点、この映画では、ジェームズ・ボンド自身が、体を極限まで駆使して、危機を切り抜ける。
SF的な小道具をひけらかす、小賢しきアクション乱立に訣別して、7の本道に戻ったあたり、アルバート・ブロッコリー、さすがに世紀の大製作者だけのことはある。
スキーの追跡、カーアクション、エッフェルや飛行船のぶら下がり、「ベン・ハー」並みの馬術競技、金門橋のクライマックスと、ボリュームいっぱいの大サービスだ。
ところが、この映画、その割にはなぜか印象が薄いのだ。
007=ロジャー・ムーアのお歳のせいか、ジョン・グレン監督の演出のせいか。
いやいや、悪役のクリストファー・ウォーケンに、もっさと狂気の凄みが欲しかった。
そして、問題なのは、入れ替わり、立ち替わり登場する美女たちの、一体誰がヒロインなのか、例え一時的なお相手であっても、美しいだけの人形ばかりじゃ、結局、飽きてしまうのだ。
悪の女ガードマン役のグレース・ジョーンズが個性の強烈さで、孤軍奮闘。
どんなに派手なアクションも、スケールの大きな物語も、人物がきちんと描かれていないと、血を湧きたたせてくれないのだ。
このように、厳しく言うのも、007シリーズへの深き信頼から出た期待からだ。
並みのアクション映画が足元にもよれるものではない。
特にこの映画で、我々を驚かせるのは、スタント・プレイの凄さ。
それまでは想像も出来なかった、危険なスタントを、人力ギリギリの限界まで見せてくれる。
SFXのトリックショットやCGも結構だが、我々と同じ生身の人間、その危機への挑戦は、やっぱり何とも血が燃えるんですね。