13th 憲法修正第13条の紹介:2016年アメリカ映画。南北戦争のときに認められていた奴隷制度は、合衆国憲法修正第13条によって廃止されたかのようにみられましたが、黒人を犯罪者とすることによって、現代でも形を変えて人種差別という名の奴隷制度が残り続けています。黒人の歴史、数々の映像資料と分析によってそのことが証明されたNetflixオリジナルドキュメンタリー映画。第89回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた話題作です。
監督:エイヴァ・デュヴァーネイ 出演:アンジェラ・デイヴィス、ミッチェル・アレクサンダー、ブライアン・スティーブンソン、ヴァン・ジョーンズ、ジェラニ・コブ、ほか
映画「13th 憲法修正第13条」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「13th 憲法修正第13条」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
13th 憲法修正第13条の予告編 動画
映画「13th 憲法修正第13条」解説
この解説記事には映画「13th 憲法修正第13条」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
13th 憲法修正第13条のネタバレあらすじ:起
アメリカ人は世界人口の5%しかいませんが、受刑者数は世界の25%を占めるほどに増加の一途をたどっています。その多くを黒人男性が占めています。
合衆国憲法修正第13条は、奴隷的拘束の禁止を規定していますが、犯罪者は除かれています。こうしてアメリカでは、形を変えて奴隷制度が残り続けています。
南北戦争終了後には400万人の元奴隷がいました。その多くの黒人が軽い犯罪でも逮捕され、これが最初の刑務所ブームです。南北戦争後、南部は戦争から立て直すために刑務所に収容された黒人を労働力として利用しました。
13th 憲法修正第13条のネタバレあらすじ:承
1915年に『國民の創生』という映画が放映され、それによって黒人が犯罪者、レイプ魔であるというイメージが強くなっていきました。この映画を皮切りに、民衆によっても多くの黒人が殺害をされ、黒人は永久に二級市民とされる法案が可決されました。
これにより、白人と有色が分けられ、レストランでも公共交通機関でも有色人種専用のエリアが作られました。黒人は長い間戦い続け、ついに公民権法と投票権法が可決され、黒人は白人と同じ市民であることが認められました。
しかし、第二次世界大戦後のベビーブームで人口が増加したことにより、犯罪が増え、政府は「公民権運動のせいで犯罪率が上がった。」と発言をしました。それはすなわち、黒人に自由を与えたら犯罪率が上がったという考え方でした。
ニクソン大統領の時代、麻薬の取り締まりを強化し、麻薬と黒人を結びつけてどんどん黒人を逮捕していきました。レーガン大統領時代には本格的に麻薬戦争が始まります。
13th 憲法修正第13条のネタバレあらすじ:転
その頃、クラックが黒人の間で大流行し、コカインの方が強い薬だったにも関わらず、コカインより厳しい量刑になると定められました。これによりさらに受刑者数は増えていきます。
クリントン大統領の時代は減刑を禁止し、宣告された刑期を全うしなければならないことと、スリーストライク法によって、急激に収容者が増加していきました。後にクリントンはこの法案が極端であったと自分の非を認めることとなります。
無防備の黒人の少年が白人に銃殺される事件が起こります。明らかな事件性にも関わらず、その白人は自己防衛だったとして無罪となります。それはALECという組織のおかげでした。ALECというのは企業と政治家が加入している会員制の組織であり、企業が政治家に法案の要求することが秘密裏で行われていました。
アメリカで大手のスーパー、ウォルマートもそこの会員であり、法案の可決によって銃の売り上げを順調に伸ばしていました。そのことが疑われ、現在ウォルマートはALECを脱退しています。
13th 憲法修正第13条の結末
民間刑務所を運営しているCCAもALECの会員であり、政府の法案によって受刑者は急増し、売り上げを好調に伸ばし続けました。企業にとって刑務所は長い契約が可能なので、刑務所はアメリカにとって大金を生み出す場所となっています。最近は新移民法によって、多くの移民が監禁をされCCAは儲けを手にしています。
さらに、受刑者は無賃で働かされ、アメリカの多くの労働力が受刑者で賄われていきました。これにより多くの企業が人を罰することで巨万の富を築いていきました。さらに、高額の保釈金が悩ましく、払えず刑務所にい続ける人は後を絶ちません。受刑者の97%は司法取引に応じ、してもいない罪を認めている人が多くいます。
白人男性で17人に1人は投獄される可能性がありますが、黒人の若い男性は3人に1人となっています。アメリカの人口で黒人男性はたったの6.5%だけですが、受刑者数は40.2%となっています。このように、人種差別は今でも形を変えて残っています。
以上、映画「13th 憲法修正第13条」のあらすじと結末でした。
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