シー・サバイバーの紹介:2013年ロシア映画。2010年にソマリア海域で実際に発生した、海賊によるロシアのタンカー襲撃事件を映画化したミリタリー・アクション作品です。撮影はロシア軍の全面協力で行われ、2日間に渡る過酷な人質救出作戦の全貌が人質になったロシア軍海兵隊員の視点から描かれます。
監督:ヴァシーリー・セリコフ 出演者:セルゲイ・アプレスキー、マカール・ザポロジスキー、ブラディミール・ブラゴイ、ウラジスラフ・デーミン、アレクサンドル・ガリビンほか
映画「シー・サバイバー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シー・サバイバー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「シー・サバイバー」解説
この解説記事には映画「シー・サバイバー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シー・サバイバーのネタバレあらすじ:起
2010年5月5日、夜のアフリカ・ソマリア沖のアデン湾。武装した海賊が航行中のロシアのタンカー「ヤマル号」に潜入、乗っ取るという事件が発生しました。同じ頃、付近を航行するロシアの対潜フリゲート艦「クルイロフ号」では、海兵隊員サーシャが故郷に残してきた恋人からの手紙に目を通していました。2年も会っていない恋人オーリャは別の男との結婚を決意しており、これが最後の手紙だったのです。同僚が些細なことから取っ組み合いの喧嘩を起こしていたその時、ヤマル号から救難信号が発せられ、海兵隊は夜の闇に紛れて小型ボート数隻で救援に向かいますが、海賊に見つかってしまい激しい銃撃を受けました。しかもヤマル号は可燃性のガスを満載しているため、海兵隊は一切の火器が使えず苦戦を強いられます。その最中、サーシャは銃撃戦の最中に海面に投げ出され、指揮を執る大尉は隊員ヴォルギンが撃たれて重傷を負ったことから、サーシャの救助は別動の救助隊に任せることにして一時撤退を余儀なくされました。
翌5月6日早朝。辛うじて生き延びたサーシャは近くの古い漁船を見つけて助けを求めましたが、実は船は海賊たちが乗り込んでおり、拉致されたサーシャはそのままヤマル号に連行されました。
シー・サバイバーのネタバレあらすじ:承
サーシャは海賊のボスであるアミン・ヌルバレの前に引き出され、船内の一角に立て籠る船長ら船員たちとの交渉役を命じられました。アミンらはロシア側に身代金として現金2千万ドルを要求、交渉に応じられないとするロシア側に対して2日の猶予を与えるとし、それまでに金を支払わなければ船員たちを皆殺しにすると脅してきました。ハッタリだとタカをくくるロシア側に対し、アミンはナイフで船員の一人を殺害、その様子を警戒中のクルイロフ号に見せつけました。
サーシャは引き続き船長らとの交渉を命じられ、ソマリア人の分からないロシア語で脱出するよう促しましたが、この目論見はアミンに見破られてしまい、海賊たちはドアを壊して強行突破を試みました。ロシア側は軍事衛星から海賊のリーダーがアミンであることを把握、クルイロフ号と連携して人質奪還作戦を模索し始めました。クルイロフ号はタラーソフ大尉を奪還作戦の隊長に任じ、ヤマル号の見取り図を元に緻密に作戦を練り、一つひとつ弱点をチェックしていきました。
サーシャは海賊のひとりカラーシと食事を共にして交流を試みる一方、クルイロフ号のタラーソフ部隊はヤマル号に接近してきた海賊の小型船を拿捕、積荷の麻薬を海に棄て始めましたが、サーシャが人質に取られていることを知ると慌てて回収しました。サーシャは隙を見て逃げ出そうとしましたが失敗して捕らえられ、タラーソフ隊は必ず助けると誓って一時撤退しました。海賊は換気口など全ての脱出経路を塞ぎ、船を爆破すると船員らを脅しました。
シー・サバイバーのネタバレあらすじ:転
一方、クルイロフ号ではヤマル号に素早く潜入、火器を使うことなく海賊を一箇所に集めて一網打尽にする作戦が練られており、サーシャにモールス信号を送って協力を仰ぐことにしました。その夜、海賊たちがヤマル号の至るところに爆弾を設置するなか、味方の信号をキャッチしたサーシャは発煙筒を焚いて応え、クルイロフ号側は8日の朝6時に救出作戦を決行すること、サーシャには海賊の引き付け役を任せることを伝えました。サーシャから作戦を伝え聞いた船員たちは水や食料も底を尽き始めたことから早急に作戦実行するよう懇願しました。サーシャはカラーシが海賊から足を洗ってラッパーになりたがっていることを知り、彼を騙して水の入ったタンクを入手すると密かに船員たちに差し入れました。
クルイロフ号では、海軍特殊部隊スペツナズの精鋭隊員8名による打ち合わせが行われていました。ヤマル号のオーナーは改めて海賊側の条件を拒む姿勢を示し、作戦は予定通り決行されることになりました。
一方、厳格なイスラム教徒である海賊たちはメッカへの祈りを欠かさず、戒律に背いて酒を飲んだカラーシの兄を船の外に吊るしてサメの餌食にさせました。兄の死に打ちのめされたカラーシはロシアへの亡命を決意、サーシャにナイフを託しましたが、アミンは朝にもサーシャを見せしめとして殺害することを決めていました。一方、海賊たちはバーナーを使って船長らの立て籠もる部屋の頑丈なドアを焼き切ろうと試み、覚悟を決めた船員たちはひと暴れしてやろうかと一致団結しました。
シー・サバイバーの結末
5月8日未明、タラーソフ率いるスペツナズは小型ボートに乗り、二手に分かれて潜水を開始しました。やがて日は登り、サーシャの処刑の準備が進むなか、カラーシは交代だと偽って操舵室に入り、大音量でイスラム教が禁じる音楽を船内に鳴らしました。サーシャは隙を突いて海賊たちに襲い掛かり、カラーシの合図でスペツナズが船内に突入しました。アミンを罵倒したカラーシは兄に捧げるラップを歌い始め、海賊たちの注意を引きつけている隙にスペツナズは海賊を一人ずつ始末、サーシャはナイフでドアを破ろうとした海賊を刺殺して船長や船員たちを救い出し、サーシャの指揮下に入った船員たちは海賊の武器を奪って立ち上がり、ヤマル号が暗礁に乗り上げた衝撃に乗じて海賊たちを追い詰めました。タラーソフはアミンと1対1の格闘戦となり、敗れたアミンは爆弾の起爆装置に手をかけましたが、サーシャの決死の行動により爆破は阻止され、海賊たちは作戦開始から22分で制圧されました。しかし、致命傷を負っていたカラーシは自分のデモCDをサーシャに託すと息を引き取りました。サーシャはカラーシの遺体に愛用の腕時計を与えました。
海上では海賊たちを裁く法律がなく、ロシア軍上層部は捕えられたアミンらの解放を指示しましたが、サーシャは食料の中に手榴弾を隠して海賊たちのボートに乗せ、アミンたちはボートもろとも木っ端微塵となりました。
サーシャはマスコミの取材に応じ、テレビを通じて結婚式を控えていたオーリャに愛のメッセージを送り、想いを受け止めたオーリャは結婚式場を抜け出し、サーシャらを乗せたクルイロフ号を出迎えるため灯台へと向かいました。
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