22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語の紹介:2006年日本映画。伊勢正三作詞・作曲の楽曲「22才の別れ」をモチーフにして、43歳の男性が母子2代にわたる恋の物語を、大林宣彦監督が撮った作品です。同級生で、その後死亡した恋人だった女性と22才で別れ、21年後、偶然21歳の娘に出会うという話で、全編に『22才の別れ』のメロディーが流れます。
監督:大林宣彦 出演者:筧利夫(川野俊郎)、鈴木聖奈(田口花鈴)、中村美玲(北島葉子)、窪塚俊介(浅野浩之)、寺尾由布樹(若き日の川野俊郎)、峰岸徹(松島専務)、村田雄浩(花鈴の父)、三浦友和(杉田部長)、長門裕之(やきとり屋甚平)、清水美砂(藤田有美)ほか
映画「22才の別れ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「22才の別れ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語の予告編 動画
映画「22才の別れ」解説
この解説記事には映画「22才の別れ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語のネタバレあらすじ:起
夜のコンビニで買い物をする川野俊郎は『22才の別れ』を口ずさむ女子店員が気になりました。会計を済ませた後、歌の事を聞くと、父がよく歌っていたと言いました。43歳の俊郎は『22才の別れ』には特別な思いがありました。
俊郎は松島専務から上海への転勤を打診されました。3年間でそれなりの成績を上げれば役員として帰って来れると励まされました。俊郎は自分ではなく、杉田専務が行くべきでは?と問いかけました。その夜、俊郎は同僚で仲の良い39歳の有美と、いつもの焼き鳥屋で食事をしました。マンションまで帰って来ると、前の公園でローソクをいっぱい立てて火をつける女の子を見つけました。コンビニの女の子で田口花鈴という名前でした。
コンビニをクビになり、ここで自分の21歳の誕生日と、母の命日を過ごしていると言い、さらに、おじさんがこのマンションに住んでいることも知っていると言いました。大分県の臼杵の出身で父と弟と暮らしていたけれど、一人上京したと言いました。俊郎は突然花鈴に結婚しようと迫り、ローソクを全部買ってやると言って金を出すと、花鈴は援助交際?と聞きました。俊郎は「そうじゃない、お祝いだ」と言って金を渡し、また会おうと言って帰りました。
22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語のネタバレあらすじ:承
俊郎には22歳の時に別れた、葉子という彼女がいましたが、その後、子供を産んで死んでしまいました。花鈴は容子の娘だったのです。俊郎は葉子の事を思い出しました。高校生の同級生だった俊郎は、いつも葉子の事が気になっていました。そんな時、葉子の自転車のチェーンが外れて困っているのを俊郎が修理したことで、二人は友達付き合いを始めました。ある日、葉子が俊郎にプレゼントを渡しました。中身は真っ赤なマフラーでした。中に手紙があり、マフラーの色はリコリス(彼岸花)の色だと書いていました。
思い出にふけりながら海岸線を車で走っていると、杉田部長が警備員をやっているのを見かけました。杉田部長は30歳になる息子が多額の借金を作りニートになっていて、更に次男にも金が必要で、休日を利用してアルバイトをしているのだと言いました。
俊郎は花鈴を焼き鳥屋に誘いました。その時、有美が歩く二人を見かけました。俊郎と花鈴はキスすらもしないまま関係を続けていました。ある日、有美は花鈴が若い男を送り出すのを見かけ、花鈴のあとを追いました。そして俊郎にこのことを話しました。俊郎は逆に自分は子供が出来ない体だからと言って、暗に有美を避けました。少し傷ついた有美は俊郎に花鈴のアパートの地図を渡し、有美の事が好きな若い社員の誘いに乗りました。
22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語のネタバレあらすじ:転
俊郎は花鈴のアパートを訪ねました。すると裕之という男と同棲していました。裕之を連れ出して話をしました。裕之は俊郎の事は花鈴から聞いていると言いました。俊郎が問いただすと、花鈴とは同級生で、花鈴の事が好きすぎて友達以上の発展が出来ないまま一緒に暮らしていると言い、理由はアパート代が半分で済むからだと言いました。そしてデザイナーを夢見て東京に来たものの挫折し、今ではアルバイトをする年収100万円のその日暮らしの生活だと言いました。俊郎は裕之を焼き鳥屋に連れていきました。裕之はこんな美味しい焼き鳥を食べたのは初めてだと喜んで食べて、花鈴を幸せにしてやってくださいと言いました。
俊郎は葉子の22歳の誕生日の事を思い出しました。宅急便のバイト中にスピード違反で捕まり、バイト代が吹っ飛んだ俊郎は、近所のケーキ屋さんでデコレーションケーキを半額で売ってもらいアパートに帰りました。葉子にケーキを買ってきたと言うと、葉子はレコードを買ってきたと言って『22才の別れ』を見せました。葉子は今の自分から別れる為だと言いました。そして葉子は東京で就職の決まっている俊郎に、大分に帰って結婚しようと打ち明けました。
返事を返せない俊郎に対し、葉子は雨の中、濡れながら帰って行きました。キスもしなかった二人はこの日で別れました。置手紙を見た俊郎は、今日、葉子は俊郎の部屋に泊まるつもりだったことを知りました。そして俊郎は今でも、あの時、葉子を追いかけなかったことを後悔していました。
22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語の結末
俊郎は有美を誘い食事をし、リコリスの話をしました。この後、有美は後輩の男性を振ってしまいました。俊郎は松島専務に辞表を出しました。そして花鈴に会社を辞めたことを話し、花鈴の母親の葉子との関係を話しました。そして花鈴に、今から裕之を追いかけろ、と言って別れを告げました。アパートに帰る途中、花鈴は有美に会いました。二人話しながら花鈴のアパートに着くと、博之が置手紙を残して出て行っていました。
慌てた二人は心当たりを探しますが見つからず、俊郎を呼びました。その時、焼き鳥屋の店主から、裕之が泣きながら焼き鳥を食べていると電話があり、3人は向かいました。裕之は自殺する前にここの焼き鳥を食べようと立ち寄ったのでした。店主は自分の焼き鳥を美味しいと言って泣きながら食べてくれたことに感動し、この店の跡取りになってくれと言いました。
俊郎は花鈴を連れて津久見に帰りました。母親の葉子と過ごしたこの町で、花鈴を乗せて車を走らせました。そして臼杵の自宅に花鈴を連れて帰り、父親と話をしました。父親は葉子がいつも歌っていた歌で、自分も歌うようになったと話しました。花鈴の22歳の誕生日を、俊郎と有美は裕之の働き出した焼き鳥屋で祝いました。臼杵では父親が花鈴に『お母さんは何故この歌が好きなんだろう』と聞きました。花鈴は『そのうち教えてあげる』と言いました。伊勢正三の歌う『22才の別れ』が流れ続けました。
以上、映画「22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語」のあらすじと結末でした。
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