二十四の瞳の紹介:1954年日本映画。新任女性教師と教え子達の交流と、それを引き裂く戦争の悲惨さを描くヒューマン・ドラマ。小豆島の小さな漁村に赴任した大石先生。彼女は1年生12人を受け持つことになり、その無垢な二十四の瞳を決して濁してはいけないと考える。しかし不況と戦争は子ども達の希望や命を無情に奪い去っていくのだった。1955年のゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞。原作は壺井栄の同名小説「二十四の瞳」で映画は何度もリメイクされている。
監督:木下惠介 出演者:高峰秀子(大石久子)、夏川静江(大石久子の母)、月丘夢路(香川マスノ)、井川邦子(川本松江)、篠原都代子(西口ミサ子)、田村高廣(岡田磯吉)ほか
映画「二十四の瞳 (1954年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「二十四の瞳 (1954年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
二十四の瞳の予告編 動画
映画「二十四の瞳 (1954年)」解説
この解説記事には映画「二十四の瞳 (1954年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
二十四の瞳のネタバレあらすじ:岬の分教場
舞台は1928年4月4日の小豆島。島の小学生は4年生まで岬の分教場に通い、5年生から本村の学校へ通う決まりになっていました。女学校を出たばかりの大石久子は、分教場の新任教師として1年生12人を受け持つことになります。本村の自宅から分教場まで、洋装に身を包み自転車で通勤します。そんな彼女を見て村人は早速陰口を叩き始めました。
教壇に立った大石先生は点呼を取り、それぞれのあだ名を名簿に書き込みます。見つめる無垢な二十四の瞳を愛しく感じる大石先生。優しく朗らかな先生に子ども達もすぐに懐きました。
二十四の瞳のネタバレあらすじ:大石先生の怪我
9月1日、大きな時化で村が被害を受け、大石先生と子ども達も片付けに参加します。たまたま皆で笑っていたところに村人がやって来て、人の不幸を笑っているのかと先生を罵倒しました。落ち込みながらも先生は子ども達を浜に連れて行きます。そこで男の子達が悪戯で掘った落とし穴にはまってしまった大石先生は大怪我を負い、学校もしばらく休むことになりました。
大石先生を恋しがる子ども達は大人達に内緒で先生の家を訪ねてみようと思いつきます。しかし子どもにとってはあまりに遠く、疲労と心細さから泣き始めてしまいます。そこへ偶然病院帰りの大石先生を乗せたバスが通りかかりました。松葉杖をついて降りて来た先生に泣きながら抱きつく子ども達。大石先生も嬉しさから涙を流します。先生と子ども達は浜に並んで集合写真を撮影して貰い、子ども達は舟で村に帰っていきました。しかし怪我で分教場に通えなくなった大石先生は本校に転勤になり、子ども達ともしばらく離れ離れになってしまいます。
二十四の瞳のネタバレあらすじ:子ども達を待つ現実
その5年後、満州事変や上海事変が起こり、世の中は不況と戦争の影に脅かされ始めます。5年の間に大石先生は結婚し、成長した子ども達も本校に通っていました。子ども達が6年生に進級した日、生徒の1人川本松江の母親が急逝します。その後松江は半ば無理やり大阪の親類の家に預けられてしまいました。
10月、6年生は修学旅行でこんぴら参りを始め観光を楽しみます。そこで大石先生は偶然大衆食堂で働く松江と再会します。忙しく働く松江とろくに会話も出来ないまま、後ろ髪を引かれる思いで店を後にする大石先生。松江は泣きながら追いかけ、皆が乗った船を見送るのでした。子ども達は様々な事情を抱えながら、自分の将来について考えます。その頃国が本格的に反戦思想を取り締まるようになっていました。軍国教育を迫られた大石先生は教師という仕事に嫌気がさし、6年生の卒業を待って辞職します。
二十四の瞳のネタバレあらすじ:失われた命
8年後の夏、大石先生には3人の子どもが出来ていました。教え子達にも結婚した子、希望を叶えた子、叶えられなかった子と様々います。男の子達は皆戦争に駆り出され、大石先生の夫も戦地に赴きます。4年の戦争の間に大石先生は母を亡くし、夫と3人の教え子も戦死、更に終戦直後の貧しさの中教え子の1人と末娘までも亡くしてしまいます。
終戦の翌年、大石先生は再び分教場で教鞭を執ることになりました。受け持った1年生のクラスにはかつての教え子達の近親者が数人いて、先生は思わず涙を流します。学校が終わり、大石先生は戦死した教え子達の墓参りに向かいます。そこへ昔の教え子西口ミサ子が現れ、先生の歓迎会をやろうと提案してくれました。
二十四の瞳の結末:思い出の写真
ミサ子や松江を始め、昔の教え子達7人が大石先生の歓迎会に集まりました。彼らから自転車をプレゼントされ、大石先生は思わず泣き崩れてしまいます。戦争で視力を失った岡田磯吉が18年前に撮影した集合写真を手に取り、1人1人名前を呼びながら指を差していきます。その様子に皆涙が止まりませんでした。
その後、大石先生は元気に自転車に乗って分教場に通うようになり、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画二十四の瞳のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する