ロボコップの紹介:1987年アメリカ映画。この作品は、殉職した警察官の遺体を利用し、開発したサイボーグ警官「ロボコップ」が活躍するSFアクション映画です。キャッチコピーは「人間か!? マシーンか!? 底知れぬ戦闘能力を秘め、巨大な犯罪ゾーンに出現した史上最強のバイオレンス・ヒーロー」で、監督は、『女王陛下の戦士』(1977年)でゴールデングローブ賞を受賞したポール・バーホーベンです。制作費は低予算であったが興行収入5300万ドルを超えるヒット作となり、後に続編やテレビシリーズ、アニメなども製作され、本作品のリメイクとして『ロボコップ』(2014年版)も製作された作品です。
監督:ポール・ヴァーホーヴェン 出演:ピーター・ウェラー(ロボコップ/アレックス・J・マーフィ)、ナンシー・アレン(アン・ルイス巡査)、ダニエル・オハーリヒー(オムニ社長)、ロニー・コックス(ディック・ジョーンズ)、カートウッド・スミス(クラレンス・ボディッカー)、ほか
映画「ロボコップ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロボコップ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ロボコップ」解説
この解説記事には映画「ロボコップ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロボコップのネタバレあらすじ:1.プロローグ:舞台は近未来、犯罪都市・デトロイト
舞台は近未来、アメリカ合衆国ミシガン州南東部にある都市・デトロイトは、巨大コングロマリット企業「オムニ・コンシューマ・プロダクツ(OCP、通称「オムニ社」)」に、警察本部の運営権も譲渡し、街全体を支配されていました。警察労組からはオムニ社の待遇に反対運動が起こっていましたが、オムニ社社長のリチャード・ジョーンズは、「警察官なら誰でも職務に危険はつきもの」とコメントし、一蹴していました。デトロイトは、かつては自動車産業で栄華を誇っていましたが、犯罪組織が跋扈する犯罪都市と化していました。その中でも、31名の警官殺しに関与したと言われる旧デトロイト市街の犯罪組織のボスであるクラレンス・ボディッカーが、その勢力を拡大しつつありました。
ロボコップのネタバレあらすじ:2.アレックス・マーフィ、殉職する
デトロイト警察・西分署は、犯罪者と警官でごった返していました。そこに、アレックス・マーフィという1人の男が転任してきました。ウォーレン・リード巡査部長は、マーフィに「ここは甘くないぞ。すぐ制服に着替えろ」と命じました。マーフィはロッカールームに行き、制服に着替えていると、他の警官たちの愚痴が聞こえました。1人の警官がストを打つべきだと言ったとき、ロッカールームにリード部長が入ってきました。彼は無言でフレデリクソンのロッカーの名札を外し、中の物を箱に入れました。また1人の警官が殉職したのです。リード部長は「警官は普通の労働者と違う。警官はストはしない」と言うと、赴任早々のマーフィを呼びました。マーフィは女性警官アン・ルイスと組むように指示されました。早速、マーフィはルイスと車でパトロールに出かけました。オムニ社では、急遽、重役会議が開かれました。それはジョーンズ社長が開発指揮していた治安維持ロボットED-209を発表したいためでした。会議で、会長は半年後に犯罪が横行するデトロイトの旧市街地を犯罪のない新しい街「デルタシティ」に大々的に造り替える計画を発表しました。そうすれば、約200万人の新たな雇用が確保されます。だた、そのためには、警察の力をより強力にする必要がありました。その発表後、ジョーンズ社長は、自信満々で治安維持ロボットED-209を発表しましたが、故障し、犯人役の重役を撃ち殺してしまいました。失望する会長に、若い防犯担当重役のバート・モートンは、自らが開発指揮していたサイボーグ警官「ロボコップ」計画を進言し、社長に認められました。パトロール中のマーフィとルイスは、コーヒーブレイクをしていました。マーフィは銃を回してフォルダーに収めるという妙技をしていると、ルイスに「すごいじゃない」と言われました。マーフィは息子が夢中のテレビの刑事がしている技で、子供の夢を壊したくないのでやっていると彼女に説明しました。すると、そこに「銀行強盗発生、犯人逃走中」との無線連絡が入りました。2人は車を飛ばして、犯人の車を追いました。犯人はクラレンス一味でした。2人は犯人たちの車に追いつき、犯人たちと銃撃戦になりました。一時、犯人の車を見失いましたが、古い工場跡地に犯人たちの車を見つけました。マーフィは応援を要請しましたが、到着まで20分はかかるとのことでした。マーフィはルイスと話し合い、応援を待たずに、犯人たちを逮捕することにしました。2人は二手に分かれて進入しました。ルイスは犯人の1人を見つけ、銃を向け逮捕のあと一歩まで迫りましたが、逆に殴り落とされてしまいました。マーフィは、犯人たちのアジトらしき場所で犯人2人を見つけ、銃で1人(スティーブ・ミン)を射殺すると、もう1名(エミール・アントノウスキー)を「死にたければ、引き金を引いてみろ」と威嚇し、逮捕しようとしました。その時、周りから残りの犯人たちがマーフィに銃を構えて出てきて、逆にマーフィは囲まれてしまいました。マーフィを床に倒したボスのクラレンスは、銃でマーフィの右手を撃ち砕きました。苦しみつつ立ち上がるマーフィを、犯人たちは容赦なく銃で蜂の巣にすると立ち去っていきました。ルイスはその銃声を聞き、マーフィの所に駆けつけましたが、既に犯人は逃亡、マーフィは無惨な姿で瀕死の状態でした。瀕死のマーフィは直ぐに病院で治療を受けましたが、マーフィは殉職しました。
ロボコップのネタバレあらすじ:3.サイボーグ警官「ロボコップ」誕生
モートンの指揮のもと、開発者たちは、マーフィ遺体を利用し、サイボーグ警官「ロボコップ」を創り出しました。マーフィは「ロボコップ」として蘇りましたが、それと同時に人間であった時のマーフィの記憶は抹消されました。ロボコップは早速、警察署内の留置所を改良したロボコップ専用の部屋に、搬送されました。署内にロボコップが歩いて行きました。警官たちは、その姿を見て驚きました。ロボコップは、部屋の専用の椅子に座ると、開発者から簡単なテストを受けました。ロボコップの頭脳には4つの大きな規則がプログラムされていました。それは「1.市民に奉仕し、2.その安全を守る、3.法を遵守する」ということで、4つ目は極秘となっていました。ロボコップは射撃練習場で、恐ろしい破壊力の銃でターゲットを正確に撃ち砕くと、銃を回して、右太股に格納しました。警官たちはその腕前と銃の破壊力に感心していましたが、ルイスはロボコップが銃を回して格納するときの動作に注目し、ロボコップの正体はマーフィではないかと感じました。一連のテストが終了するとその夜、モートンは早速、ロボコップをパトロールに行かせました。ある店で強盗事件が発生していました。ロボコップは急行し、犯人に警告しましたが、犯人はロボコップに発砲してきました。しかし、ロボコップは銃弾を跳ね返し、犯人の銃を破壊すると、強力な腕力で犯人を投げ飛ばし、事件を解決に導き、店を出ていきました。次にロボコップは、レイプ発生の現場に急行しました。現場では2人の男たちが1人の女性を刃物で脅し、レイプしようとしていました。ロボコップが到着すると、犯人の1人がその女性を盾に身を守ろうとしましたが、ロボコップの正確な射撃システムで犯人は股間を撃たれ、倒されました。もう1人の犯人に「次はお前だ」と詰め寄るロボコップに、女性はすがりつきました。ロボコップは機械的に「あなたはショック状態にあります。レイプ救済センターに連絡しましょう」と言いました。次々に事件は起こりました。今度は市庁舎でのテロ事件でした。市庁舎内に前市長が銃を持ち、市長と職員数名を人質に立て籠もるといった事件でした。現場の警官たちは対応に苦慮していました。そこにロボコップが到着しました。ロボコップは現場の指揮官に、犯人に話しかけろと指示すると、単身、市庁舎に入っていきました。ロボコップは犯人が警官と交渉している間に、犯人の立て籠もるフロアに進入し、熱感知システムを利用して、壁を突き破って犯人を確保すると、窓から放り投げ、事件を解決に導きました。翌日、テレビではロボコップの活躍がニュースで流れました。それと同時にオムニ社がデルタシティ建設計画に入ったことを報じました。防犯担当で副社長に出世したモートンはインタビューでロボコップをアピールしました。モートンは意気揚々としていました。重役専用トイレに入り、同僚にジョーンズ社長の陰口を言っていると、用を足したジョーンズが出てきました。同僚はそそくさとトイレを出ていきました。ジョーンズはモートンに「私を侮辱した。…私はNo.2だ。お前は間違った相手を怒らせた」と怒りを露わにして、彼を脅して、出ていきました。
ロボコップのネタバレあらすじ:4.ロボコップ、消された記憶が蘇る
ある日、ロボコップは部屋の専用椅子に座って休んでいると、夢をみました。それは、クラレンスたちに殺される時のものでした。記憶は全部抹消したはずなのにと驚く開発者を尻目に、ロボコップは夢から覚めると、勝手に立ち上がり、歩き出ていきました。署内の廊下の途中で、犯人を連行してきたルイスから、「マーフィ、あなたなの? 私を忘れたの? ルイスよ」と話しかけたロボコップは、一瞬躊躇しましたが、「行かないと。犯罪が私を待っている」と言い、車でパトロールに出ていきました。そして、ロボコップはガソリンスタンドで事件発生を発見しました。急行したロボコップが、銃を向ける犯人に、銃を向けて「死にたければ、引き金を引いてみろ」と言うと、犯人は「その声は…。死んだはずだ。殺したのに」と言い出しました。ロボコップはそれを録画・録音しました。犯人はガソリンスタンドを爆発させ、バイクで逃走しようとしましたが、ロボコップの正確な射撃でバイクを撃たれ、犯人は吹っ飛びました。倒れた犯人を逮捕し、ロボコップは「お前は誰だ」と詰問しますが、答えずに気絶しました。ロボコップは警察署のコンピュータールームに入り、直接、コンピューターとアクセスし、録画した画像データから犯人を割り出しました。犯人はエミール・アントノウスキーで、共犯者は、レオン・ナッシュ、ジョー・コックス、スティーブ・ミン(死亡)、そしてクラレンス・ボディッカーでした。ロボコップは更にクラレンスのデータを深く調べました。すると「マーフィ殺害容疑」が出てきました。ロボコップの頭脳の中で、ルイスの「マーフィ、あなたなの?」という声が響きました。そして、ロボコップは殉職したマーフィの家の住所を記憶しました。翌日、ロボコップはその住所の家に行きました。家は既に売却物件となっていて、人はいませんでした。ロボコップは家中を歩き回ると、随所で子供、妻との記憶を思い出し、ロボコップは、自分は殉職したマーフィではないかと感じ始めました。そして、ロボコップは怒りの余り、家の案内テレビを叩き壊して出ていきました。その夜、ロボコップは犯人逮捕モードで、容疑者・レオンをクラブで見つけ、逮捕、連行しました。一方、その夜、副社長のモートンは、自宅で2人の女性とコカインと酒を楽しんでいました。そこにクラレンスが強引に現れ、女性たちを外に出すと、モートンの両脚を銃で撃ち、動けなくしました。「殺さないでくれ」と命乞いするモートンに、クラレンスは社長・ジョーンズからのメッセージ映像を見せると、手榴弾の安全ピンを抜き、テーブルの上に置くと無言で立ち去っていきました。モートンは家ごと爆破され、即死しました。
ロボコップのネタバレあらすじ:5.黒幕はジョーンズ。蘇ったマーフィの記憶
翌日、クラレンスはコカインの秘密製造所に行き、そこのボスと交渉をしていました。その中、頑丈な扉を蹴破り、ロボコップが入って来ました。全員がロボコップ目掛けて発砲しましたが、ロボコップには利きません。ロボコップは正確な射撃で、全員を撃ち、1人残ったクラレンスを捕まえ、痛めつけました。するとクラレンスは「黒幕はオムニ社のNo.2、社長のジョーンズだ」と吐きました。ロボコップはそれを全て記録し、クラレンスを警官殺しで逮捕し、署に連行しました。クラレンスは直ぐにジョーンズ社長に事の次第を報告しました。ジョーンズはロボコップの位置探知機を見て、ロボコップが自分の所に向かってくることを知りました。ジョーンズはロボコップを部屋に迎え入れると、手を指し出し、逮捕してみろと言いました。ロボコップは彼を逮捕しようと近づきましたが、急に途中で思い通りに体が動かなくなりました。ロボコップの頭脳の中には4つ目は極秘規則として、オムニ社の重役を逮捕できないということがプログラムされていました。ロボコップは苦しみながらも、ジョーンズを逮捕しようとしましたが、ジョーンズはED-209を出し、ロボコップを攻撃しました。圧倒的なED-209の火力に、ロボコップは負傷しながら苦戦し、非常階段で逃げようとしました。ED-209も跡を追って来ましたが、脚の構造上のため階段を踏み外し、踊り場に転げ落ち転倒したまま、立ち上がれませんでした。何とかガレージにロボコップは、逃げ出しましたが、そこにはジョーンズ社長の指示を受けた警官たちが銃を構えて待っていました。ロボコップは警官たちの発砲に反撃せず、逃げようとしました。ロボコップは、穴だらけにされましたが、そこをルイスに助けられ、辛くも車で脱出に成功しました。ジョーンズ社長の力で、逮捕されたクラレンスたちは釈放されました。クラレンスは真っ先にジョーンズ社長の所に行きました。ジョーンズはデルタシティ建設に伴う約200万人の労働者たちの求める麻薬、ギャンブル、売春という巨大市場をエサに、クラレンスにロボコップの破壊を命じました。その頃、ロボコップはルイスの案内で、廃墟となった化学工場に潜伏していました。ルイスはロボコップの専用銃、電気ドリル、食べ物などを持ってきました。ロボコップはルイスの目の前で、電気ドリルでこめかみのネジを抜き、頭のマスクを取り外しました。ロボコップは鏡で顔を見ると、そこにはマーフィの顔が映っていました。ルイスは姿こそ変わりましたが、マーフィと再会ができ、喜びました。しかし、マーフィは複雑な心境で、ルイスに独りにしてくれと頼みました。その夜、警官たちは24時間ストに入り、街には警官がいなくなりました。釈放されたクラレンス一味は、オムニ社ジョーンズ社長から提供された軍御用達のハイテク銃を持ち、街で試し打ちをして、楽しんだ後、ロボコップを倒すために、車に乗り、ロボコップの居所に向かいました。
ロボコップのネタバレあらすじ:6.マーフィ、クラレンス一味を倒す
その翌日早朝、マーフィは銃の試し打ちをして、ターゲットシステムがおかしいことに気が付きました。銃声で目覚めたルイスに頼み、マーフィは銃のターゲットシステムのくるいを修正できました。するとそこに、クラレンス一味が車2台でやって来ました。マーフィはルイスに帰るように言いましたが、彼女は「イヤよ。相棒でしょ」と言って、共に戦う決意を示しました。マーフィはルイスに車を回すように指示すると、自ら、クラレンスたちの目の前に出て、まず、ジョー・コックスを一撃で殺しました。銃撃戦が開始されました。エミールはトラックに乗り、レオンは工場内に入り、クラレンスはスポーツカーに乗り、それぞれの手段でマーフィを追いました。マーフィは次にエミールを有毒廃液タンクに車ごと突っ込ませて、エミールを見るも無惨な姿に変えました。ルイスはクラレンスの車とカーチェイスし、クラレンスはルイスの車に気をとられ、前に出てきた化け物のような姿のエミールを轢き殺し、ハンドル操作を誤り、車ごとため池にダイブしました。ルイスは車を止め、クラレンスに止めをさそうと車から出たところを、クラレンスの発砲に合い、ルイスは倒れ落ちました。その時、マーフィが反対方向から、現れました。頭上には鉄くずを掴んだクレーンがありました。レオンがクレーンの操作室に入るのを見たクラレンスは、銃を捨て降参するふりをして、マーフィをクレーンの下までおびき寄せました。レオンはマーフィの頭上から鉄くずを落としました。マーフィは鉄くずに埋もれ、下半身の動きを止められました。ルイスはそれを見て、必死でクラレンスのハイテク銃を持ち、レオンのいるクレーン操作室を撃ち、爆死させました。クラレンスは動けないマーフィに鉄棒をもって、襲いかかってきましたが、逆にマーフィに喉元を刺され、血しぶきを上げながら、息絶えていきました。マーフィは瀕死のルイスに「また生き返る。私と同じように」と言うと、力を振り絞り、鉄くずを持ち上げ、立ち上がりました。そして、マーフィは単身、オムニ社へ急行しました。
ロボコップの結末:エピローグ:ロボコップ、名前は「マーフィ」
オムニ社では、重役会議が開かれていました。ジョーンズ社長は「ストは我が社に有利に働いた。…ED-209を市内要所に配置できるはずだ。既にビル正面に配置済みです」とアピールしていました。マーフィは車をオムニ社ビル正面に駐車すると、ED-209が起動し始めました。マーフィは車からハイテク銃を出し、それでED-209を完全破壊しました。そして、重役会議が行われている部屋に乗り込みました。マーフィは「私のプログラムではオムニ社の重役に逆らうことを禁じてる」と伝えると、自ら録画・録音した証拠データを会議室のテレビに映し出し、黒幕・ジョーンズ社長の悪事を会長以下全重役に知らせました。するとジョーンズ社長は銃を取り、会長を人質にして、逃亡しようとしました。しかし、会長の「ジョーンズ、お前はクビだ!」の一言で、マーフィの頭脳の中の規則4が解除され、マーフィは正確にジョーンズを撃ち、彼はガラス窓を突き破って下に落ち、死にました。銃をしまい、帰ろうとするマーフィに、会長が名前を問いました。するとロボコップは笑顔で「マーフィ」と答えて出ていきました。
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