宇宙戦争の紹介:2005年アメリカ作品。映画界の巨匠 スティーブン・スピルバーグと映画界の大スター、トム・クルーズがタッグを組んだ一大SF作品で、世界中で大ヒットを記録。H G ウェルズの有名な小説、宇宙戦争が原作のSFスペクタクル超大作。
監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・クルーズ(レイ・フェリエ)、ダコタ・ファニング(レイチェル・フェリエ)、ティム・ロビンス(オギルビー)、ジャスティン・チャットウィン(ロビー・フェリエ)、ミランダ・オットー(メアリー・アン)ほか
映画「宇宙戦争」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「宇宙戦争」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
宇宙戦争の予告編 動画
映画「宇宙戦争」解説
この解説記事には映画「宇宙戦争」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
宇宙戦争のネタバレあらすじ:父親に反抗的な子供達
アメリカのニュージャージー州で、港湾のドックでコンテナ作業に従事しているレイ・フェリエは、離婚した妻のもとに子供2人がいて、彼らの関係性は良くありませんでした。ある日、仕事終わりに妻がやってきて、子供を一時的に預かってほしいと言われます。長男であるロビーは父親のことをあまり尊敬しておらず、娘のレイチェルは反抗的な態度をとるために、呆れ果てていました。
宇宙戦争のネタバレあらすじ:稲妻とともに現れた宇宙船
その時、晴天だった空が雲に覆われ、雷が数回落ちます。しかし、同じところに数回落ちたので、彼が確認しにいくと、道路が陥没していました。車のエンジンもなにもかもショートしています。すると地面が割れはじめ、その陥没した穴から巨大なトライポッドと呼ばれるタコのような宇宙船が現れ、人々を容赦なく攻撃していきます。攻撃された人々は瞬時に粉々になり、レイはその粉で真っ白になります。急いで家に戻ったレイは、粉をふるい落とすと、冷蔵庫にある少しだけの食料と銃を手にし、ロビーとレイチェルとともに家を出て、他人が修理し終わった車に乗ると、素早くその場を離れます。
宇宙戦争のネタバレあらすじ:暴徒に襲われ、フェリーへ
レイはうるさく泣くレイチェルをなだめ、彼らの家に行きます。彼らは母を待ちますが、母はボストンから戻りません。地下室で寝るレイ達は、夜中に巨大な音を聞きます。その音とは、旅客機の墜落する音でした。川では大量の遺体が流れ、レイは元妻のいるボストンへ車を走らせます。すると軍隊が隊をなして走っていくのを見たロビーは、自分も加わりたいと叫びますが、レイは許しません。再び車に乗って走りますが、フェリー乗り場で暴徒に車を奪われるという事件がおきます。車がなくなった彼らは、フェリーに飛び乗り、その場を後にしますが、そこへ大量のトライポッドが現れ、次々と攻撃を開始。フェリーは沈んでしまい、彼らは必死になって対岸へ泳ぎ着きます。
宇宙戦争のネタバレあらすじ:ある民家へ避難
一安心したのもつかの間、ロビーは攻撃する軍隊を見て興奮したのか、自分も軍隊に加わると言い出し、父と妹を置いて離れます。ロビーを説得しようと娘を離した隙に、レイチェルは他の大人から執拗に声がけをされます。あと一歩で連れて行かれそうになったところをレイが保護します。と、そこへ古びた民家の男が彼らに向かって援助を申し出ます。レイ達は民家の中に入り、夜を過ごします。そこへトライポッドの触手が入ってきて、探索をします。鏡などを使い、やり過ごすと、ただならぬ雰囲気の男に危機感を感じたレイは、娘を守るために彼を殺します。
宇宙戦争のネタバレあらすじ:娘を救出する父親
そして2人は眠りにつきますが、そこへトライポッドの触手が現れ、レイチェルをさらっていきます。レイは娘を助けようと、自分もトライポッドに捕らえられます。その中でトライポッドに飲み込まれそうになるレイチェルを、他の捕らわれていた人々と協力して助け出し、代わりに手榴弾を飲み込ませると、トライポッドは爆破して倒れます。
宇宙戦争の結末:自滅するトライポッド
レイ達はその足でボストンへ入ります。ボストンの避難所に避難をするレイとレイチェルでしたが、カラスがトライポッドを突くのを見て、不思議に思います。シールドが消えたのです。それに気づいたレイは、軍曹にその事実を伝え、軍隊はトライポッドに総攻撃をします。そして崩れ落ちるトライポッド。中にいた生命体も死に至ります。レイ達はボストンの元妻のところへ行き、そこで息子のロビーと再会します。謎の侵略者は、地球の空気を吸ったことで適応できず、自ら自滅したのでした。
以上、映画宇宙戦争のあらすじと結末でした。
「宇宙戦争」感想・レビュー
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敵の宇宙船の表現が独特で、黒い巨大な「たこ」みたいな形をしているのですが、こんなのが実際に街中に現れたらきっと腰を抜かします。それらが刻々と人類に襲い掛かってくるので、人々は皆逃げ回ります。またSF的な描写も、素晴らしいです。レイ(トム・クルーズ)が2人の子供を守る為必死に逃げ回るのですが、「ああ、危ない」と思う事の連続でスリル満点です。
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乗客を乗せたまま炎上しながらも疾走する特急、宇宙人との戦争へ向かう兵士を乗せた車列が通り過ぎてゆく様子、死者の服が空から降ってくる場面、川の上流から次々と死体が流れてくる場面、丘の向こうで爆発音と閃光のみで描写される軍と宇宙人の戦闘など、「なんだか忘れられないシーン」が数多く登場する一作だった。主人公を演じるトムクルーズは、ひたすら逃げる。流れにしたがってとにかく逃げ続け、いつの間にか周りから人間は消え、宇宙の植物が繁殖している。「宇宙戦争」はウェルズによる原作の題を「war of the world」といい、宇宙戦争よりは、世界戦争と訳した方が良いのだが、今回の映画も圧倒的な戦争、武力、終末という状態を前にして、人間の力の虚しさを感じさせる。
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世界的にも有名な古典SF小説の映画版ですが、スピルバーグが監督したこともあって迫力の映像を味わえます。トム・クルーズ演じる主人公とその家族は決してヒーロー向きの性格でもなければ、聡明であるわけでもありません。突然襲い掛かる圧倒的な破壊力を持つトライポッドの前に、ただ慌てふためき、理性をなくし、右往左往するばかり…という具合なので、観ている側もヤキモキさせられっぱなしです。このいかにも『普通』な家族に焦点を当てているために絶望感も強くなるのだと思います。そんな彼らが最後の最後で一矢報いるからこそグッときますね。話の筋としてはかなりありふれており、原作が古典ゆえに結末もそう驚くものではありません。ただ、暗がりからトライポッドが不気味に迫ってくるシーンや、群衆が船上でパニックになるシーンなどは印象深いものがありました。特に、初めてトライポッドが地中から現れるシーンは圧巻で、何度も観たくなるほどですね! 怪獣映画が好きな方にはたまらない一作だと思います。
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同名の有名な小説が原作のSF映画。スティーブン・スピルバーグとトム・クルーズのタッグが話題になりましたね。さらにダコタ・ファニングが娘役で出演しています。
宇宙人から突如として攻撃を受けた地球。そんな中子どもたちを助けるためにダメ親父トム・クルーズが奮闘。宇宙人の残酷さとともに極限のサバイバル&親子愛とかなり濃い内容の映画ですね。いつもかっこいいトム・クルーズが演じるダメダメ親父も新鮮でいい感じです。 -
レイは息子にすら罵倒されるほどのダメ親とは思えない。だからそれを罵倒するダメ息子にイライラ。
人の話を聞かない、いうこと聞かないヒステリー娘にイライラ。
まあバックストーリーがあるんだろうけど、とにかく実意親子らしくない実の親子に見ててイライラし通しで、死ねばいいのにとか思っちゃったよ。
アメリカの家族ってこんなのがスタンダードじゃないと信じたい。 -
ある日突然、地球侵攻を開始した異性生命体。
地中深くに埋められていた、三脚の戦闘マシーンの放つ怪光線や触手の前に、人々は逃げ惑うしかない。たまたま遊びに来ていた2人の子供を連れ、なんの情報もない中で、前妻の住む街を目指す主人公。
出演はトム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ティム・ロビンスら。これは決して愛と勇気の感動娯楽映画などではないから、取り扱いは要注意であると思う。
なにしろ、米国の劇場公開のレイティングを決める際にリアルな暴力よりは一段低く見られる「SF的なバイオレンス」表現であるとはいえ、多くの人が気付いているように、「鬼畜」描写が大好きなステイーヴン・スピルバーグ監督が久々に本領を発揮した、暗くて怖い映画なのだ。製作の成り立ちを聞くと、「ちょっと空いた時間に気軽に作った趣味的な小品」に聞こえてしまうこの作品において、スピルバーグは米国本土を戦場とし、為す術も無く外敵に蹂躙され、恐怖に震え上がり、逃げ惑う人々の姿を、自らが生き残るためには手段を選ばない人間の醜さを、その中で大人たちが、無垢な存在である子供に対して負っている責任を描いているのだ。
主人公の言動は、平均的なハリウッド大作の主人公=ヒーローとは随分異なっていて、格好良さや威勢の良さとは無縁だ。
こういう描写をするところにも、作り手の中途半端ではない真剣さをみることができると思います。いつもは緩急ある演出で、サスペンスを盛り上げるのが巧いスピルバーグが、いつになくシリアス一本調子であるのも、娯楽映画のバランスとしてはどうかと思いますが、映画の狙いがそこにあるのだから致し方ないだろう。
違う言い方をするならば、これは「原作を踏襲した一応のハッピーエンディングも嘘臭く見えるほどの圧倒的なまでの負のエネルギーが、スピルバーグ一流のサスペンス・テクニックと共に炸裂する、イビツな娯楽イベント映画なのだ。
ポスト911の世界において、最も盛大にそのトラウマをぶちまけて見せた作品であり、つまらない駄洒落承知でいうならば「悪夢との遭遇」だ。
三脚戦車がブォーッと音を立てて、のし歩く姿を遠景に見ながら、何も出来ない無力感。あの光景。光のシャンデリアとは、音楽でコミュニケーションをとったが、あの異星人のマシーンはコミュニケーションを拒絶する。
一聴してその声とわかるモーガン・フリーマンのナレーションは、圧倒的な力で相手をねじ伏せるのではなく、異質なもの同士が、長い時間をかけて共存する術を学ぶことにこそ解決の糸口があるのだと語るのだ。
あれだけの科学力を持つ異星人が、あんなことを見逃すのはおかしいなどというのはナンセンス。
あれだけの軍事力を持つ米国が、テロを壊滅させることができないがごとく——–。普通の民間人である主人公の視点を徹底して貫く映画の構造は、先行したシャマランによる異星人侵略SF映画「サイン」も同様であったが、あちらの作品での異星人というのは、単なるギミックであって、それ以上のものではなかった。
表面的には、HGウェルズの原作に忠実なこの作品は、そういう狙いすました目新しさではなく、もっと本質的に、他の映画では感じたことの無い恐怖を体感させてくれる。
もちろん、スピルバーグのテクニックは本物だから、それに翻弄されるのは、実に楽しい。これが「ちょっとスケジュールが空いたから」と、1年足らずの間に撮影され、公開された作品だとは、にわかに信じられないのだ。
早撮りスピルバーグ、恐るべし。
スティーブン・スピルバーグ監督らしいドキドキハラハラ感満載のSF作品です。何と言ってもダコタ・ファニングの演技力が子役とは思えない程素晴らしいです。この映画で一躍有名になった女優さんですが、この子を抜擢して正解だったと思います。宇宙人が人間のように振る舞うシーンには少し笑ってしまったのですが、SF映画でよく観る宇宙人の容姿だったので驚きも無く残念でした。ラストは衝撃的なものではなく静かに終わるのも少し物足りないところではあります。ですが、トム・クルーズファンの方なら一度は観るべき作品です。