007 ドクター・ノオの紹介:1962年イギリス作品。007シリーズ1作目。イアンフレミングの書いた小説を元に、アルバートブロッコリとハリーサルツマンが製作したスパイ活劇で、初代ジェームズボンドをショーンコネリーが演じています。
監督:テレンス・ヤング 出演者:ショーン・コネリー(ボンド役)、ウルスラ・アンドレス(ボンドガール)、ジョセフ・ワイズマンほか
映画「007 ドクター・ノオ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「007 ドクター・ノオ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
007 ドクター・ノオの予告編 動画
映画「007 ドクター・ノオ」解説
この解説記事には映画「007 ドクター・ノオ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
007 ドクター・ノオのネタバレあらすじ:ジェームズ ボンドの派遣
ジャマイカで、イギリスの情報局に所属するジョン ストラングウェイが、3人の盲目男達に暗殺されるという事件が発生します。英国情報局MI6の長官、Mはコードネーム007を持つエージェント、ジェームズ ボンドを現場に向かわせ、事件の捜査をするように伝えます。
そこで、アメリカのCIAのエージェントが、ケープカナベラルにおけるロケット打ち上げの真相を調査することを要請してきます。
007 ドクター・ノオのネタバレあらすじ:クォレルというガイド
キングストン空港へ到着したボンドは、ある女性カメラマンに自分の姿を撮られている事に気づきます。また、2人の男性が彼の後をついていきました。ボンドは1人を格闘で倒し、もう1人である運転手を尋問しようとしますが、彼は毒で自殺してしまいます。ボンドはストラングウェイの自宅を捜査する中、彼は漁師の写真を見つけます。その漁師の名前はクォレルと言うことを突き止めたボンドは、彼に会いますが、取り合ってくれません。
クォレルはボンドをある酒場に連れていくと、1人の男に渡します。その男はフィリックスライターという男で、ジャマイカからくる謎の信号を捜査していたCIAのエージェントでもあったのです。クォレルの話から、ストラングウェイをガイドしていたことが分かります。
007 ドクター・ノオのネタバレあらすじ:謎の島
彼をガイドしていたのは、ある島であり、ストラングウェイはその島のミネラルサンプルを採取していたと言うのです。また、クォレルはボンドに、その島が厳重な警備と、レーダーによって防御されていること、またその島はクラブキーといい、オーナーがDr.ノオという方である事を伝えます。
007 ドクター・ノオのネタバレあらすじ:デント教授
ボンドがストラングウェイの自宅を再捜査すると、レシートを発見し、そこにはデント教授という名が記されていました。デント教授は岩に詳しく、ストラングウェイと研究をしていたと言うのです、ボンドはデント教授に会い、デント教授は彼をクラブキーへ案内します。
そこでデント教授はボンドを暗殺しようとしますが、失敗し、ボンドが寝室で寝ているところをタランチュラで襲いますが、またしても失敗してしまい、逆にボンドから殺されてしまいます。
007 ドクター・ノオのネタバレあらすじ:クラブキーに潜入
ボンドはクォレルを説得し、クラブキー島へいく事にします。そこでボンドは美しいハニーライダーと呼ばれる女性に会い、彼女が彼に協力してくれる事となります。
彼らが島を進むと、伝説のドラゴンと呼ばれる火炎放射器が備えられたトラクターに攻撃されます。クォレルはその炎に焼かれ、ボンドとライダーは拘束され、施設の中へ入ると身体を除染されます。
007 ドクター・ノオの結末:Dr.ノオとの戦い
その後、彼らはDr.ノオの夕食へ呼ばれ、Dr.ノオは自分が国際テロ組織スペクターの一員であること、そしてアメリカの宇宙ロケット打ち上げを自身のレーダーで妨害することを暴露します。
夕食後、ライダーとボンドは別々に隔離されます。ボンドは、隔離されていた場所から脱出し、Dr.ノオが指揮をしているセンターへ行くと、Dr.ノオと対峙、素手で格闘を行うと、Dr.ノオは沸騰した放射能プールへ落下し、絶命します。ボンドはライダーのところへ駆け寄り、彼女を救出すると、ボートでクラブキーを脱出します。クラブキーは爆発炎上していきました。
以上、映画 007 ドクター・ノオのあらすじと結末でした。
この映画「007ドクター・ノオ」は、007シリーズの記念すべき第1作目の作品で、ショーン・コネリーの初代ジェームズ・ボンドが大活躍するんですね。
この同一のキャラクターを主人公にしたスパイ映画としては、最も長く続いているシリーズで、英国諜報部で殺人許可証を許されたスーパー・エージェント”007″ことジェームズ・ボンドが、全世界を股にかけて巨悪と戦っていくというもので、シリーズを通して、女好きのボンドの相手となるボンドガールや、毎回趣向を凝らしたハイテク武器、そして、他の映画にはない派手なアクションシーンを見せ場とするシリーズで、この「007 ドクター・ノオ」は、このシリーズの記念すべき第1作目の作品で、1963年の日本での初公開時の邦題は、「007は殺しの番号」でした。
とにかく、初期の007シリーズは、断じてただの活劇、アクション映画ではなく、そこには活劇を超えた何かがあったように思います。
それは、イアン・フレミングの原作と複雑に絡み合っているような気がします。
英米で大人気を誇っていたイアン・フレミング原作のジェームズ・ボンドもののスパイ小説が、「死ぬのは奴らだ」を皮切りに日本に紹介され始めたのは、1950年代の後半との事で、当時、大人の紙芝居としてミステリー・ファンの間で評判を呼んだと言われています。
大人の紙芝居として何がそんなに受けたのかという事を考えてみると、それはやはり、悪玉の魅力ではないかと思います。
ドイツ系中国人で百万人に一人の右心臓の持ち主のドクター・ノオ、黄金病患者のゴールドフィンガー、砂漠の西部劇マニアのスパング兄弟、スペクターの首領のブロフェルドなどなど。
これら誇大妄想狂的な悪玉どもが、「私の話を聞きたまえ、ボンド君」などと言いつつ、地上に悪の千年王国を築く夢を語るのです。そこが、バカバカしくもあり、哲学的で面白かったのです。
そして、映画も同様で、この第1作目の「007ドクター・ノオ」から6作目の「女王陛下の007」までは、イアン・フレミングの原作に基本的に忠実であり、これらの魅力的な悪玉をこってりと描いていたと思います。
シリーズとして燦然と輝いている理由がここにあったのだと確信的に強く思います。
もちろん、その根底に潜んでいたのは、多くの冒険スパイ活劇と同じく、反共意識だと思います。
真の敵は共産主義のソ連なのですが、それをただ語ったのではロマンになりません。
だから、ソ連をも凌ぐ恐るべき敵として、国際陰謀団を登場させたのです。
それは、世界が自由主義と共産主義、西と東、アメリカとソ連の二極にきっちりと分れていた冷戦下だからこそ生まれた物語だと思います。
イアン・フレミングの人気が頂点に達した1961年に、ベルリンの壁が築かれ、そして、この映画「007ドクター・ノオ」が登場した1962年に、キューバ危機が勃発しています。
当時のジョン・F・ケネディ大統領がイアン・フレミングの愛読者だったのは、偶然ではなく、核戦争が一触即発という極度の緊張の中で、ひと時見る甘美な夢だったのだろうと思います。
盲目を装った3人組の殺し屋の巧妙な殺人から、この映画は幕を開けますが、ケープ・カナベラル基地から発射されるロケットの弾道を狂わせる怪電波の発信地を突き止めるため、ジャマイカへ派遣されたジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)の活躍が痛快に描かれています。
監督は娯楽映画の職人監督テレンス・ヤングで、ハードボイルド・アクション風の面白さを最大限に盛り上げて、特にボンドが使う消音拳銃の扱い方など、我々アクション・ファンを唸らせます。
この映画の頃は、まだ秘密兵器などというものはなくて、ボンドは自分の知力と体力をフルに活用して敵と戦うのです。
例えば、ボンドがホテルの部屋を出る時、自分の頭髪を1本抜いてドアのノブに巻き付けておき、帰って来るとノブを調べて毛の有無を確かめ、毛がなくなっているとわかると、靴を脱いで静かにドアを開け、影のように素早く部屋の中へ滑り込むといった調子です。
当時はやせて精悍な感じのショーン・コネリーが、颯爽たるタフガイぶりを発揮しており、この1作で大ブレークして、たちまち彼は世界的な人気スターの座に踊り出たのです。
そして、ラブ島が怪電波の発信地である事を突き止めたボンドは、グラマーな美人のハニーと一緒に島へ潜入し、人工の要塞と化した島の中で、アメリカのロケット計画を全滅させようと企むドイツ系中国人のドクター・ノオ(ジョゼフ・ワイズマン)と対決する事になるのです。
前半部の歯切れのいいハードボイルド・アクションにひきかえ、後半部の要塞島のセットが多分に安っぽく、子供だましみたいな印象を与えたのが残念でした。