あの頃ペニー・レインとの紹介:2000年アメリカ映画。若干15歳の天才少年が音楽ジャーナリズムの世界に飛び込み、『ローリング・ストーン』誌の記者として、あるバンドに密着取材する青春映画です。キャメロン・クロウ監督が実体験に基づき、自ら脚本を手がけた本作は、第58回ゴールデングローブ賞作品賞を受賞し、数多くの音楽ファンからも支持されています。
監督:キャメロン・クロウ、出演者:パトリック・フュジット(ウィリアム・ミラー)、ケイト・ハドソン(ペニー・レイン)、ビリー・クラダップ(ラッセル・ハモンド)、フランシス・マクドーマンド(エレイン・ミラー)、ほか
映画「あの頃ペニー・レインと」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「あの頃ペニー・レインと」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「あの頃ペニー・レインと」解説
この解説記事には映画「あの頃ペニー・レインと」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
あの頃ペニー・レインとの予告編 動画
あの頃ペニー・レインとのネタバレあらすじ:少年のロックとの出会い
ウィリアム少年(パトリック・フュジット)は、大学教授である母(フランシス・マクドーマンド)と姉のアニタ(ズーイー・デシャネル)と3人で暮らしていました。厳格な母との諍いが絶えなかった姉のアニタは、ある日母と喧嘩し、スチュワーデスになるべく家を出てしまいます。出発の日、アニタはウィリアムに「ベッドの下から自由を見つけて」と言い残します。その日の夜、ウィリアムはベッドの下に隠された大量のロック・レコードを見つけ、みるみるうちにロックの魅力に惹き込まれていきました。
あの頃ペニー・レインとのネタバレあらすじ:誘惑だらけのバンドツアー
『ローリング・ストーン』誌に文章の才能を見込まれたウィリアムは、新進気鋭のロックバンド「スティルウォーター」のツアーに同行することになります。ツアー中、バンドメンバーは酒、ドラッグ、女性と遊び呆け、刺激的で刹那的な生活を送っていました。ウィリアムに弁護士になるよう教育してきた母はツアーへの同行を大変心配し、ウィリアムは母をなんとか説得して家を出て来たのでした。しかし、真面目で冷静な視点を持ったウィリアムは、堕落した生活に溺れることなく、したたかに取材を続けます。ウィリアムは取材の中で、自らを“バンド・エイド”と名乗る少女、ペニー・レイン(ケイト・ハドソン)と出会います。バンド・エイドはバンドメンバーにとって特別な女性です。バンドメンバーたちを支える女神のような役割をし、いわゆる“追っかけ”で簡単にバンドメンバーに体を許してしまう“グルーピー”とは似て非なる存在。やがてペニー・レインはスティルウォーターのボーカルであるラッセル(ビリー・クラダップ)と恋におちますが、ウィリアムはペニー・レインに恋心を抱きはじめます。
あの頃ペニー・レインとのネタバレあらすじ:原稿が進まず、悩む日々
しだいにウィリアムはラッセルと打ち解け、腹を割って話す仲になります。誘惑に溺れた生活を送るバンドに取材を続けていたウィリアムは、どこまで真実を伝えていいのか、メンバーとどのような信頼関係を築けば良いのか、壁に直面し心労が重なっていきます。いつも頼りにしていた、音楽雑誌『クリーム』の編集長であるレスター(フィリップ・シーモア・ホフマン)に相談し、時には厳しく正直書くようアドバイスをもらったウィリアムは、ありのままを記事にすることを決意します。『ローリング・ストーン』誌はウィリアムが書いたスキャンダラスな記事に大喜び、記事を知ったバンドメンバーは驚きと怒りに駆られながらも、少年相手に本気で怒れずあたふたします。
あの頃ペニー・レインとのネタバレあらすじ:ウィリアムの記事が完成する
バンドは、クリーブランドでのライブを終えNYを目指します。ラッセルは出発前、ポーカーで賭けをし、50ドルとビールでペニーの事を売り、ペニーを置いてNYへ発ってしまいます。悲しみにうちひしがれ後を追ってNYに到着したペニーは、ラッセルが本命の恋人と一緒にいるのを見てショックを受け、ホテルでアルコールと睡眠薬を大量に摂取してしまいます。間一髪のところでウィリアムが医者を呼び、一命をとりとめます。回復したペニーは家路につき、ウィリアムは寂しそうにペニーが乗る飛行機を見送りました。次なる場所を目指すスティルウォーター一行は、ツアーの途中、飛行機が雷雨に見舞われ不時着することになります。もう後がないとパニックを起こしたバンドメンバーたちは、隠し事を洗いざらいぶちまけてしまいますが、飛行機は幸いにも無事着陸し、一行は険悪なムードに包まれます。ラッセルはウィリアムに「自由に書け」と告げます。原稿は完璧に仕上がりました。そのまま無事校了へ進みかけたとき、バンドメンバーに内容を否定され、直前で掲載不可となり、記事の差し替えになってしまいます。
あの頃ペニー・レインとの結末:ラッセルとの再会
ツアーを終えたウィリアムは、姉を尋ねて空港へ行き、2人で一緒に実家へ帰ります。母はとても喜び、姉と抱き合い笑顔で和解し、親子3人の平和な生活が戻ります。そんな折、ペニーの友人の口から、彼女が大変傷ついて自殺をはかった事をラッセルが知ります。ラッセルはペニーに電話をし、会って話したいと伝えると、ペニーは住所を教えてくれました。しかし教えてくれた住所を尋ねたら、そこはウィリアムの家でした。事態が飲み込めずラッセルは動揺しますが、2人が再会する機会を与えてくれた彼女の粋な計らいに、ウィリアムとラッセルは笑顔になります。ウィリアムの部屋で、彼は再びラッセルに取材を始めます。『ローリング・ストーン』誌の表紙をスティルウォーターの写真が飾り、物語は幕を閉じます。
音楽好きな青年がロック音楽雑誌ライターになる過程で年上のバンドグルーピーに恋をする実話を元にした青春映画。60年代〜70年代のファッションも可愛く母親のゴールディー•ホーンにそっくりなケイト•ハドソンがいかにも向う見ずなバンドのグルーピー像を演じていて好印象でした。この時代のロック好きには楽しめる映画だと思います。アメリカのインディー系音楽ファンに人気のゾーイ•デシャネルが主人公の姉役で出ています。