カッコーの巣の上での紹介:1975年アメリカ映画。厳しく管理された精神病院の中で、反抗し、患者らに楽しみと気力を与えていった男の姿を通して人間の尊厳を描いたヒューマンドラマ。本作品でアカデミー5部門など数々の賞を受賞。
監督:ミロス・フォアマン 出演:ジャック・ニコルソン(マクマーフィ)、ルイーズ・フレッチャー(ラチェッド)、マイケル・ベリーマン、ブラッド・ドゥーリフ、ウィル・サンプソン、クリストファー・ロイド、ほか
映画「カッコーの巣の上で」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カッコーの巣の上で」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「カッコーの巣の上で」解説
この解説記事には映画「カッコーの巣の上で」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カッコーの巣の上でのネタバレあらすじ:マックのたくらみ
刑務所での強制労働を逃れるために暴力沙汰を繰り返し、精神異常からくる暴力性を主張して精神病院へ送られることに成功したマックだったが、そこは厳格な看護婦長ラチェッドをはじめ職員たちの厳しい監視のもと、入院患者たちはただおとなしくルールに従い、与えられた薬を飲むだけの、人間らしい生活とはいえない状態だった。
カッコーの巣の上でのネタバレあらすじ:生きる気力
そんな様子に耐えられるはずもないマックは、ことあるごとにラチェッドや職員たちに反抗し、入院患者らに積極的に楽しむことを持ちかける。病院のバスを乗っ取り、患者らを連れて海へ釣りに出たり、テレビで野球を見ながらみんなで大歓声をあげたりと、これまでの平穏を乱すマックに病院側は、彼は精神障害ではなく、危険人物のため刑務所に送り返すべきだとされたが、行った先でも問題を起こすだろうから、ここで彼を更生させるべきだというラチェッドの意見で、マックは病院に残ることになる。職員たちの厳しい締め付けも刑期の68日間が終わるまでのことと思っていたマックだったが、収監された者はラチェッドらが退院を認めなければ出られないと知り、脱走を決意する。たまたま騒ぎを起こして一緒に罰を受けることになった患者仲間のチーフに、ここを出て一緒にカナダへ行こうと持ちかける。
カッコーの巣の上でのネタバレあらすじ:脱走計画
そしていよいよマックが脱走を実行する夜、当直の職員を買収し、女友達2人を引き入れて病院内で患者たちと最後のパーティを繰り広げる。散々騒いでいざ外へ出ようとしたとき、患者の1人ビリーが女友達に惹かれ、そのことを知ったマックは女友達にビリーを抱いてやれ、けしかける。その間、マックは寝込んでしまい逃げそびれる。翌朝、荒れ果てた部屋を見たラチェッドが激怒、女性と裸で寝ていたビリーを見つけ、彼の母親に報告すると告げる。母親に知られることを異常なまでに恐れたビリーはその場で自殺、それを見たマックは激怒し、ラチェッドに襲いかかり首をしめるが職員に取り押さえられ、隔離される。
カッコーの巣の上での結末:人間の尊厳
それからしばらくたったある晩、マックは職員に連れられて元のベッドに戻ってくる。その様子を見ていたチーフはすぐさまマックに脱走を持ちかけるが、帰ってきたマックはもはや廃人同様で以前のマックではなかった。その様子に耐えかねたチーフは枕でマックの顔を押さえつけて窒息死させ、そして彼は窓を破り、マックと約束したカナダを目指して病院を後にする。
「カッコーの巣の上で」感想・レビュー
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精神病院を舞台にした人間ドラマです。これは映画だとわかって観ていましたが、俳優さんたちがそれぞれの役にすごくハマっていて、まるでドキュメンタリーを観ているようなリアルさがありました。特にジャック・ニコルソンの演技は体当たりでハラハラドキドキします。ラストは絶望的ですが、社会とは、人間とは何か考えさせられる映画です。
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翌朝が来る前の、ニコルソンの約1分にもわたる沈黙の演技が、素晴らしいですよね!
いわゆるロボトミー手術が横行していた時代の精神病院を描いた問題作です。ジャック・ニコルソンの迫真の演技が素晴らしい。人間はその機能が失われたとして、どこまでが人間なのか。当たり前のようでいて、誰もがなかなか答えられない問題を提起している傑作映画です。