フライトプランの紹介:2005年アメリカ映画。この作品のキャッチフレーズは「彼女は、航空機設計士。そして、一人の母。高度1万メートルの上空で、幼い娘が失踪した…。その時、最新鋭の旅客機は、史上最悪の《戦場》に変わる…!」で飛行中の旅客機から突如消えた娘を巡り、その行方と真相を探ろうと母親(演:ジョディ・フォスター)が奮闘する姿を描いたサスペンス映画です。
監督:ロベルト・シュヴェンケ 出演:ジョディ・フォスター(カイル・プラット)、ピーター・サースガード(カーソン)、ショーン・ビーン(リッチ機長)、マーリーン・ローストン(ジュリア)、エリカ・クリステンセン(フィオナ)、ほか
映画「フライトプラン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フライトプラン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フライトプランの予告編 動画
映画「フライトプラン」解説
この解説記事には映画「フライトプラン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フライトプランのネタバレあらすじ:1.プロローグ:未を亡くしたカイル
冬、雪の降るドイツ、ベルリンのアレクサンダープラッツ駅で、カイル・プラットは、一人、ホームで呆然と座っていました。彼女は夫デイヴィットとの日々を思い出していました。夫は住んでいたアパートの屋上から飛び降り、過去の人となってしまったのでした。遺体安置室で棺の中に夫は静かに永久の眠りについていました。その確認をしたカイルは、愛する6歳の一人娘のジュリアを連れて、実家のあるニューヨークへ飛行機に乗り、引っ越すため、夫の棺に暗証番号を入れました。そして、夫の棺は閉じられました。
フライトプランのネタバレあらすじ:2.旅立ちの日
明日、ニューヨークへ旅立つ夜、カイルは眠っているジュリアの顔を撫でていると、ふとカーテンの開いた窓の外が気になり、覗いてみると、向かいのビルの部屋から二人の男がこちらを見ていました。カイルは不気味に思い、カーテンを閉めました。翌日、夫の死後、精神安定剤を飲むようになったカイルは、ジュリアを連れて、空港へと家を出ようとしました。ジュリアは、自殺した夫が発見された現場のアパートの前を通るのを怖がりました。カイルはそんなジュリアをコートの中に隠し、一緒にタクシーに乗り、空港に向かいました。ジュリアは大切にしているテディベアを抱いていました。空港に着いたカイルは、自分たちが乗る飛行機の便を掲示板で確認しました。フライト時刻は雪のため、遅延となっていました。ふと、カイルはジュリアが傍にいないことに気付きました。大勢の人々でごった返すロビーを、カイルは必死でジュリアを探しました。ジュリアはロビーの雑貨売り場にいました。駆け寄ったカイルは、ジュリアに何があっても自分の傍から離れないように叱りました。カイルはジュリアが欲しがるお菓子を買い、搭乗口にチェックインしました。ジュリアは大きなジャンボ旅客機を見て、「ママが作ったの?」と聞きました。カイルは元エルジン航空で設計技師をしていました。偶然にも、その最新鋭の大型飛行機「E-474」はカイルが設計したものでした。カイルはジュリアに「みんなで作ったの」と答えました。ジュリアは整備士を見て、「落っこちゃう」と呟きました。夫の“転落死”に過敏になっていたカイルは「心配ない。落ちないわ」と言い、テディベアと手荷物を持ったジュリアを連れて、その飛行機に一番乗りしました。次々と他の乗客が乗ってきました。前の席の家族は二人の子供が大はしゃぎして、騒がしくCAたちは要注意としました。斜め後方の座席に一人の男が座っていました。その男はCAに今日の映画とヘッドホンの調子を聞くと、「後ろの空いてる席に移りたいね」と呟きました。飛行機は寒さのため、凍っていました。整備士たちはその氷を洗い落とすため、水をかけ始めました。カイルは窓から外を覗くジュリアに、「氷を洗い落としているの。空気がちゃんと流れるように」と説明してあげました。すると窓の外から、夫の棺が運ばれて来る様子が見えました。カイルはジュリアに「眠ってなさい。目を覚ましたら着いてるわ。パパも」と優しく囁いてあげると、ジュリアは窓に息を吹きかけ、曇ったガラスに指でハートのマークを描きました。
フライトプランのネタバレあらすじ:3.消えた愛娘・ジュリア
飛行機は無事、カイルの夫の棺を貨物室に乗せ、離陸しました。シートベルト着用のサインが消えると、カイルはジュリアと一緒に空いている後部座席に移り、ジュリアはテディベアを持ち、二人はゆっくり眠りにつきました。離陸してから約3~4時間後、睡魔に襲われ眠ってしまったカイルが目を覚ますと、隣で眠っていたはずのジュリアの姿がありませんでした。指定の席にもジュリアはいませんでした。カイルは斜め後部座席にいた男に娘のことを尋ねましたが、「見ていない」と言われました。カイルは始めはゆっくりと探しましたが、どこにも見あたらないので、必死になって機内を駆けずり回り、ジュリアを探しました。しかし、ジュリアの姿は見つけられませんでした。カイルは、ジュリアが寝ていた席を再度見に行くと、そこにはいつも娘が抱いているテディベアが残されていました。カイルはCAのフィオナや直ぐ後ろの席の女性に聞いても見ていないと言われ、焦りました。カイルはCAのステファニーに頼み、放送で迷子になった娘を探してもらいましたが、見つかりませんでした。カイルはCAたちに徹底的にジュリアを探すように依頼しました。せめてシートベルト着用のサインを出して、機内を捜索しやすい状態にしてほしいと依頼しました。CAは機長に伺うので、カイルにはそれまで指定の席に座って待ってほしいと言いました。カイルはその指示に従いました。不安感で一杯のカイルを気遣い、CAのフィオナが傍で声をかけてきましたが、カイルの不安は収まりませんでした。するとCAのステファニーが何かを持って立ってカイルの方を見ていました。フィオナはカイルに「少しお待ちください」と言い、彼女のもとに歩いていきました。その姿を見たカイルは一層不安感に襲われ、フィオナを追いかけました。すると、CAのステファニーは、「残念ですが…お嬢様はこの飛行機に搭乗なさったという記録がないんです。ベルリンのゲートに問い合わせたところ、乗客の中にジュリア・プラットという名前はないそうです」と、カイルに告げました。カイルは憤り、フィオナが「乗客名簿にもありません」という言葉にも不信感を表しました。搭乗券をカイルは見せようとしましたが、1枚しかなく、座席上の荷物入れを見ると、娘のリュックが消えていました。カイルは「誘拐だわ!」とステファニーとフィオナに言い、「機長と話す」と言って、コックピットに走っていきました。
フライトプランのネタバレあらすじ:4.航空保安官“ジーン・カーソン”登場
カイルは「機長!お話があります!」と叫び、ドアを叩きました。そこに、背後から後部座席に座っていた男が、カイルを拘束しました。その男は、航空保安官のジーン・カーソンと名乗りました。カーソンは「危険はありません」と言い、カイルの代わりにドアをノックし、機長を連れ出しました。カーソンの立ち合いのもと、マーカス・リッチ機長はCAたちと、カイルの話を聞きました。リッチ機長はカイルにお酒を飲んでいないか、薬を服用していないかと尋ねました。カイルは夫の死後、精神安定剤を飲んでいることを告げました。リッチ機長はカイルが幻想を抱いているのではないかと不審を持ちました。カイルはリッチ機長の態度に憤りました。そして、元航空会社で働いていたカイルは、9.11事件以降の緊急マニュアル事項を言い出し、マーカス・リッチ機長に乗務員たちに機内を隅から隅まで、徹底的に捜索するように激しく懇願しました。そんなカイルの姿を見たリッチ機長は、シートベルト着用サインを出させ全乗客を指定の席に座らせ、CAたち全員に徹底的に機内を捜索するように命じました。全CAたちは6歳の女の子を捜索しました。カイルもカーソンに付き添われ、娘を探しました。その途中で、カイルはアラブ系の男性客・オバイドを見て、「前に会ったかしら?ベルリンから?」と質問しました。オバイドは尋問されているような気分になりました。
フライトプランのネタバレあらすじ:5.暴走、錯乱するカイル
カイルはリッチ機長に「貨物室に行かせてちょうだい!」と激しい口調で願いました。「認められない」と言いコックピットに戻って行くリッチ機長に、カイルは「待ちなさい!卑怯者!」と怒鳴りました。卑怯者呼ばわりされたリッチ機長は「私には乗客全員を安全に届ける義務がある」と言い、断固拒否しました。彼は、保安調査は続行し、それでも見つからない場合はCAを貨物室に行かせて調べさせると言いました。リッチ機長は完全にカイルを正気ではないと判断していました。その時、CAのステファニーがリッチ機長を呼びました。リッチ機長はカーソンにカイルの見張りを頼み、その場を去りました。その直後、カイルはふと思い出したように「あの時の男よ」と言い、さっきのアラブ系の男性客・オバイドの席に走り出しました。カーソンはカイルを追いかけました。カイルはオバイドと隣の男・アハメドに「昨夜、部屋を見てたでしょ!」と言い、彼らに誘拐犯の嫌疑をかけました。客席は騒然となりました。徹底否定するオバイドに、カイルはくってかかりました。立ち上がったオバイドは周りの乗客から変な目で見られました。カーソンはそんなカイルをオバイドから引き離し、カイルに冷静に「なぜ直接、家から誘拐しない?」「なぜ君の娘なんだ?」と尋問しました。カイルは「私がこの飛行機に詳しいから。…ハイジャックを企んでいて娘を人質に」と答えました。カーソンはカイルに呆れました。すると、シートベルト着用サインが消え、乗客たちが自由に動き出しました。驚いたカイルはリッチ機長のもとに駆け寄りました。リッチ機長はカイルに「お嬢さんは死んだんです!」と言い聞かせました。リッチ機長はカイルをステファニーたちの所に連れて行き、夫の死亡を確認した病院の遺体安置所の責任者からの報告書を見て、ジュリアは夫と共に死亡しているとカイルに告げました。カイルは錯乱状態に陥り、嘆き悲しみました。それでもカイルは、ジュリアが死んだはずはないと主張しました。リッチ機長は、もうカイルは精神が錯乱し、妄想を抱いていると判断しまし、カーソン保安官に、カイルを席に戻すように指示しました。するとカイルは走って逃げ出しました。その途中、オバイドに倒され、座席のアームレストに頭をぶつけ、意識を失いました。
フライトプランのネタバレあらすじ:6.娘の生存を確信したカイル
意識が戻ったカイルは、指定の座席に手錠をかけられ座らされていました。隣にはセラピストの女性いました。彼女はカウンセリングを始め、「人は悲しい現実と直面すると、辛いことを否定して、都合のいいことを信じるの」とカイルに語りかけました。カイルは冷静に彼女と話をしました。その時、カイルはふと窓に息をかけると、曇りガラスにハートのマークが浮き出てきました。それを見たカイルは、ジュリアは生きてこの機内にいると確信しました。この飛行機の構造を知りつくしているカイルは、彼女にトイレに行きたいと頼み、カイルはカーソンに連れられ、トイレに行きました。トイレの前でカイルはカーソンに手錠を外してもらい、トイレに入りました。カイルはトイレの天井のハッチを開け、天井裏のコントロール盤を開け、プラグを操作し、緊急用酸素マスクを出させ、機内をパニックに陥れ、次に機内を停電させました。突如、真っ暗になった機内は更にパニックに陥り、騒然となりました。その隙を見て、カイルはカーソンの目を盗み、トイレを出て、貨物室に行きました。カイルは貨物室でジュリアを探しました。夫デイヴィットの棺を見つけ、暗証番号を打ち、棺を開けました。そこには夫の遺体だけが収められていました。カイルはジュリアの生存を確信し、夫に「私、すごく恐い…助けて」と泣きながらお願いしました。そこにカーソンが銃を手にやって来ました。カイルは夫の棺の蓋を閉じようとしましたが、カーソンはそれを止めさせ、彼女に手錠をかけました。機内をパニックに陥れたカイルは、最危険人物とされました。カーソンはカイルを連行し、乗客から拍手で迎えられ、カイルと最後部座席に座りました。カイルは孤独な闘いを強いられました。
フライトプランのネタバレあらすじ:7.全ての黒幕はカーソン
暫くしてカーソンは「機長と話したい。警備上のことなんだ」と言い、CAのステファニーに席を任せ、機長のところに行きました。カーソンは誰にも見られないようにし、貨物室に入り、棺の蓋の裏に隠した時限爆弾を取り出し、飛行機の先頭部にセットしました。そこにはジュリアが眠っていました。カーソンは密かにリッチ機長に、カイルはハイジャック犯でこの機に爆弾を仕掛け、5000万ドルを要求していることを伝え、正気ではない彼女の言う通りに従ったほうがよいと助言しました。そして、不安がる共犯者のステファニーにカーソンは声をかけ、励ましました。リッチ機長は、ハイジャック犯とされたカイルの指示通り、お金を振り込ませ、飛行機をニューファンドランドに緊急着陸させることにしました。カーソンは何事もなかったかのように、席に戻り、カイルの手錠を外しました。カーソンは空港に着いたら、全乗客、乗務員を降ろしてFBIが尋問し、また機内を捜索すると言って、カイルを安心させました。
フライトプランのネタバレあらすじ:8.カイル 対 カーソン
ニューファンドランドに着陸したE-474機から、カーソンとカイルを残し、全乗客は機内から降りていきました。続いてCAたちも降り、リッチ機長も降りようとしました。その姿を見たカイルは座席から飛び出し、リッチ機長に声をかけ謝り、「きっと娘は見つけますから。…娘が見つかったら、あの子に謝ってもらうわ」と言いました。カイルを追って来たカーソンは、リッチ機長にカイルの言葉を遮るように「降りてください。機長」と言いました。堪忍袋の緒が切れたリッチ機長は、カイルに「もう限界だ。あなたの要求通り、お金は振り込まれた。…この後に及んで、まだ芝居を続けるつもりですか」と言い放ちました。その様子を見ていたカーソンは「呼んでくる。捜査官」と言い残し、機内から出ていこうとしました。カイルはリッチ機長のその言葉に一瞬、訳が分からず、戸惑いましたが、空港の態勢やカーソンが先に機内から降りようとするのを見て、全ての黒幕はカーソンだと確信しました。カイルはタラップを降りていくカーソンに「カーソン!私がいいと言うまで飛行機を降りないで」と叫びました。カーソンは振り向き、タラップを上がって来ました。そして、カーソンは「勝負するか?やろう」と呟き、機内に戻りました。機内からCA全員が降り、最後にリッチ機長は「成功を祈るよ」と言い、機内から出ていきました。カイルはカーソンがドアを閉めた振り向き様に、消化器で彼の頭を殴り倒して、腕とドアの手すりに手錠で掛けて、時限爆弾のスイッチを奪い取りました。そして、娘の居所を吐かせようとしました。するとそこにCAのステファニーが歩いて来ました。その様子を見て、カイルは娘の居所を察知しました。一瞬、意識を失ったカーソンは意識を取り戻すと、手錠を銃弾で破壊し、カイルを追いました。カイルはカーソンから逃れ、コックピットに逃げ込みました。カーソンは自分の計画の全てをカイルに証しました。カーソンは、指定口座に大金を振り込ませた後、危険人物とされたカイルを自分の代わりの犯人にしようとしていました。そして、爆弾を機内に仕掛けるためには、検査をしない棺が必要で、そのために自分がカイルの夫・デイヴィットを殺害したことも告白しました。
フライトプランのネタバレあらすじ:9.娘ジュリアを救出したカイル
カイルは、天井裏にパイロット用の分厚いマニュアルを投げ、カーソンをコックピットから離れさせ、その隙に出ていきました。カーソンに見つからないようにカイルは、出口に向かうと、ステファニーが警棒を持って立っていました。ステファニーがカーソンとグルと知ったカイルは、「娘を殺したい?あの男は異常よ」と言って、気持ちを揺さぶり、彼女を殴り倒しました。ステファニーは恐ろしくなり、機内から出ていきました。その様子を見たカーソンは、カイルを追いかけました。カイルはジュリアの居所・機内の先端部分に急行しました。ジュリアはそこで眠っていました。カイルはジュリアを抱き上げ、追ってきたカーソンから身を隠しながら、機内の先端でも頑丈な所にジュリアを入れました。そしてカイルも時限爆弾のスイッチを手にして入り、「一緒に噴き飛びたいか」と言うカーソンに「いいえ、お断り」と言い、時限爆弾のスイッチを入れ、扉を閉めました。カーソンによって仕掛けられた爆弾は爆発し、カーソンは木っ端微塵になり、死にました。空港の外で見ていたリッチ機長やCAたちは、E-474機の先端が爆発するのを見て、驚きました。すると、その爆発の煙の中から、歩いてくる人影が見えました。それは、愛娘ジュリアを抱いたカイルでした。リッチ機長たちは、カイルが正しかったことを確信し、驚嘆しました。
フライトプランの結末:無事、旅立つカイルとジュリア
空港のロビーでE-474機の全乗客は集められました。カイルはジュリアを抱き、ジュリアの目覚めを待っていました。すると、リッチ機長がカイルに謝罪に来ました。FBIがカイルに確認聴取に来ましたが、リッチ機長はカイルを気遣い、後にするように頼んでくれました。全乗客が見守る中、娘ジュリアを抱き、FBIの用意した車にカイルは向かいました。車に乗る直前で目覚めたジュリアを愛子ながら、カイルはジュリアと共に車に乗って去っていきました。
以上、映画「フライトプラン」のあらすじと結末でした。
「フライトプラン」感想・レビュー
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冒頭シーンでは間違いなくカイルと一緒にいた筈の娘が消えて、乗客やアテンダントに伝えても「そんな子供はいなかった」と皆冷たい態度。この様な事情から次第に狂気じみた行動を取りだす主人公ですが、鑑賞している側も彼女が信じられなくなってくるクラクラ感が良いです。本当はこのカイルが正しかったのに!1つの空間の中であるが故、皆が同じ事を言い出すと多数決で決まってしまう恐怖を感じました。
突如として失踪を遂げた娘の行方を、孤立無援の中で追い続けていくヒロインのカイル・プラットに扮したジョディ・フォスターの奮闘ぶりには胸を打たれました。飛行中の旅客機という密室のシチュエーションと、目的地までの限られた時間もスリリングでした。飛行機の着陸のシーンには、母と娘の新たな旅立ちの予感を感じました。