おいしいコーヒーの真実の紹介:2006年イギリス,アメリカ映画。一日に何十億杯も世界で消費されるコーヒー。その原産国の一つエチオピアの現状に焦点を当て、生産者と消費者のいびつな構造を明らかにする。
監督:マーク・フランシス、ニック・フランシス 出演:タデッセ・メスケラ
映画「おいしいコーヒーの真実」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「おいしいコーヒーの真実」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「おいしいコーヒーの真実」解説
この解説記事には映画「おいしいコーヒーの真実」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
おいしいコーヒーの真実のネタバレあらすじ:コーヒーの値段は誰が決める?
コーヒー豆の価格は30年前から下落の一途をたどり、原産国の一つエチオピアでは交渉の余地も無く決まるコーヒーの価格に農民は不満を募らせていた。NY、スターバックス。世界で一日に20億杯が売れ、豆の価格に反し小売価格は上昇していた。コーヒーは、NYとロンドンの国際取引所がコーヒーの値段を決める、世界二位の国際取引商品。その先物市場の風景はエチオピアからは程遠い。そこでタデッセはエチオピアを貧困から守るための活動を行っていた。彼は流通業者を挟むことで持っていかれる6割の取引値を、焙煎業者に直接豆を買ってもらうことなどをして省きたいと思っていた。
おいしいコーヒーの真実のネタバレあらすじ:コーヒーをたしなむ人々、コーヒーで生る人々
一日はコーヒーで始まるイタリアのイリーカフェNY市場には左右されない基準にのっとって取引し、エチオピアの最高級の豆を使用している。その豆はエチオピアで低賃金で働く女性たちによって選別されたものだった。 シアトルではバリスタ選手権が行われる一方で、コーヒー農家は収入を増やし、暮らしを豊かにする事、最低限の生活や子供たちの教育を祈りながら豆を焙煎し潰し、コーヒーを入れる。彼らが望むのはコーヒーの公正な価格。コーヒーの気が成長徴するには4年。5年で実付き始める。価格が下落してからは適正な価格をもらっていない。彼らは家も建てられず、学校に行かせられない。ある親は教育の機会を逃してほしくないと願うものの、最低限の賃金しかもらえない、公正な価格で取引されず、生活が苦しくなるだけだからコーヒー農家にはならない、そして資金が入り父親が賛成してくれたら、勉強をして国と人のために働きたい、医師になりたいと語った。20年のうちに学校の生徒も減っていた。コーヒーの収入だけでは足りず、コーヒーの価格次第で、学校の方も黒板を買えるかもわからない状態だった。またコーヒーの収穫量の減少と価格の下落で、飢餓も深刻だった。その裏側のスターバックス。一号店では拡大するだけでなく浸透する事が理念だと、店長は笑顔で手を振った。
おいしいコーヒーの真実のネタバレあらすじ:欲しいのは、最低限の暮らし
タデッセはロンドンにコーヒー豆の新規の買い取り手を探しに来た。NY市場で調達しないとある会社は農民を救いたいと名乗りを上げた。そしてタデッセはロンドンのスーパーに並べられたコーヒーにエチオピア産が一つしかなく、仕方なく安く売ったのに、並んでいないと愕然とした。そして顧客がフェアトレード商品を手に取ることで、低価格で取引され貧困にあえいでいる原産国の農民は救われるのだと続けた。 一部のコーヒー農家はコーヒーより何倍も高く売れるからという理由で、違法麻薬を植えるようになった。国から与えられた土地だから動けず、その土地に適したものしか植えられず、常習者が買ってくれるので、あくまでお金のため、生きるためだと答えた。
おいしいコーヒーの真実の結末:自立した国を目指して
二年前に行われたWTOの会議では、一次製品生産国の貧困を回避する唯一の望みの話し合いが粉われようとしていた。援助が不要になるような、自立したアフリカになりたいアフリカ諸国に対して、会議自体、参加人数が違う不公平で、交渉に参加もできず、世界の貧困より企業の利益を優先する欧米と交渉は決裂した。食糧援助を受けている所を子供に見られるのが嫌だと語るとある父親は、子供に未来の希望を持たせることができないと嘆いた。新規顧客開拓のためNYコーヒートレードショウにきたタデッセ。たくさんのお客に見てもらう。彼は自国に帰るとこの国未来のために、さらに資金を集めよう住民を集め演説した。 現在アフリカは輸出の世界シェア1%に満たず、緊急援助に頼らなければならないほど逼迫している。しかし輸出シェアが1%上がれば援助の5倍の富がアフリカにもたらされるのもた事実。
おいしいコーヒーの真実のレビュー・感想:生産国のプライド
まずこの作品は冒頭で、自分たちの作ったコーヒー豆がいかに安く買われているのかをタデッセがコーヒー農家に教える所から始まる。行われるのは単純な計算事でありながら、後に出てくる教育の大切にもつながる。彼らはあくまで自立を望んでいる。発展国の自国に保護された農作物に自国の保護のない農作物が太刀打ちできるわけがなく、アフリカには援助として国の保護の元生産された麦が重機で扱うほど送られる。高級品と言われながらアフリカから出ていくコーヒー豆と、自立を望む彼らに送られる援助の小麦の対比はいまだ続く隷属でもあるかのように皮肉に映る。
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