皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグの紹介:2015年イタリア映画。過激派による爆破テロや暴力が蔓延するローマ。エンツォは強盗を繰り返しその日暮らしを送っていたが、ある出来事をきっかけに超人的パワーを身に付ける。父親のような存在セルジオを失い、鋼鉄ジーグに熱をあげている娘のアレッシアのために正義に目覚める。ルパン三世をモチーフにした短編「Basette(もみあげの意味)」(2008年日本未公開)や、タイガーマスクの覆面を被った少年が主人公の短編「Tiger Boy」(2012年日本未公開)など、ジャパンアニメを愛するマイネッティ監督初の長編作品。イタリアのアカデミー賞と言われているダヴィド・ディ・ドナテッロ賞で最多16部門にノミネート、新人監督部門など最多7部門を受賞し、現代イタリア映画を代表する作品になった。
監督:ガブリエレ・マイネッティ 出演:クラウディオ・サンタマリア(エンツォ・チェッコーティ)、ルカ・マリネッリ(ジンガロ)、イレニア・パストレッリ(アレッシア)、ステファノ・アンブロージ(セルジオ)ほか
映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグの予告編 動画
映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」解説
この解説記事には映画「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」のネタバレあらすじ:起
爆破テロと暴力が蔓延し、抗議デモやストライキのニュースが絶えないローマ。エンツォは郊外の廃れた街トル・ベッラ・モナカで強盗を繰り返し、その日暮らしを送っていました。ヨーグルトを食べながらアダルトビデオを観る生活。家族や友人もおらず、1人無口に生きていたのです。そんなある日、いつものように強盗を働き、警察から追われたエンツォは逃げ場を失い、とっさにテヴェレ川へ飛び込みました。警察を撒き安堵したのも束の間、足を踏み外し川に捨てられていた放射性廃棄物のドラム缶に嵌ってしまったのです。なんとか抜け出せたものの身体は汚物で真っ黒になり、意識も朦朧とし家路に着きました。その時から、体調に異変が出始め、吐き気をもよおしトイレに行くと真っ黒い吐瀉物。咳き込んだ手の平も黒く染まり、寒さで震えが止まらなくなってしまったのです。
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」のネタバレあらすじ:承
エンツォの体調は回復し、唯一の親友であり父親のような存在のセルジオに会うために街のゴロツキの溜まり場へ向かいました。そこでは冷酷でナルシストなボスのジンガロが現金輸送車の強奪計画や麻薬の取引などの話をしています。用を済ませ帰ろうとするエンツォをセルジオは引き留め、とある計画のために家へ招きました。そこで初めてセルジオの愛娘アレッシアと遭遇します。アレッシアは「鋼鉄ジーグ」のDVDを片時も離さず手に持ち、エンツォにアマソの出先か?と聞きます。彼女は精神病を患っており、現実と二次元の世界が混ざった世界に生きていました。闇取引の計画のため、工事中のビルへ行ったエンツォとセルジオ。しかし、この取引が失敗、無情にもセルジオは殺されてしまうのです。エンツォも同時に肩を撃ち抜かれ、ビルの9階から投げ出されてしまいます。ところが、エンツォは何事もなかったかのように起き上がりその場から立ち去りました。
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」のネタバレあらすじ:転
落下しても無傷、拳でドアには穴が空き、鉄をも曲げられる。エンツォは次第に自分の身体の異変に気付き始め、川に飛び込んだ日から超人的パワーを身に付けたことを確信したのでした。セルジオ亡き後、残されたアレッシアはエンツォが持つパワーに魅了され「鋼鉄ジーグ」の主人公、司馬宙(しばひろし)だと思い込みます。アレッシアは世界を救うよう懇願するものの、エンツォは怪力を悪用し、ATMを叩き壊し大金を手にしていきます。防犯カメラに写ったエンツォの姿は「フードの男」としてYouTubeで広まります。一方、ジンガロは現金強奪計画をエンツォに邪魔され、仲間割れを起こしたりと窮地に立たされている中で、エンツォだけがメディアに取り上げられることに苛立ちを持ち始めます。世界に自分の名前を轟かせたいジンガロもまた、エンツォのパワーに魅了され、秘密を探るためについにはアレッシアを人質にとりエンツォに詰め寄ります。エンツォはジンガロをテヴェレ川に連れていき、秘密を打ち明けると、そこにジンガロを殺そうとするマフィアのヌンツィア一味が現れ、巻き添えを食らったアレッシアは撃たれてしまいます。ヌンツィアから命からがら逃げたジンガロは、エンツォと同じパワーを手に入れ大規模なテロを企てます。
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」の結末
エンツォは孤独な者同士、歩み寄りはじめたばかりだったアレッシアの「世界を救って」という言葉を思い出します。アレッシアを失い、悲しみのどん底に突き落とされたエンツォは、交通事故で車に取り残された子供を救ったことをきっかけに正義に目覚めます。サッカースタジアムで爆破テロを起こすと言っていたジンガロの言葉を思い出し、エンツォはスタジオオロンピコへ急ぎます。スタジアムでは街中が湧き上がるローマダービーが行われようとしています。そこに現れたのは爆破スイッチ持ったジンガロ。激しい殴り合いの末、爆弾を奪うことに成功したエンツォは間も無く爆破する爆弾と共に川へ身を投げます。不死身のジンガロも追って川へ。大きな爆発音と、川底から噴き出る大量の水しぶきと共に橋へ転がってきたのは・・・ジンガロの頭部でした。そこにエンツォの姿はなく、ニュースではローマを救ったエンツォの話題が流れています。穏やかローマの夜景。ビルの上には、アレッシアからの贈り物、剛鉄ジーグのお手製のマスクを被ったエンツォが街を見守っている姿があったのでした。イタリア語版鋼鉄ジーグの主題歌と共に映画は幕を閉じます。
以上、映画皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグのあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する