火の山のマリアの紹介:2015年グアテマラ,フランス映画。南米メキシコの南に位置する、グアテマラの大地に逞しく生きる人々。過酷な自然の中、教育も文化もない生活を営む少女マリアは、アメリカに行きたいと夢見る青年ペペに惹かれていく。だがそれは恋愛というより、ここではないどこかへ逃げ出したいという彼女の心の叫びだった。そんな中、裕福な農園主との結婚話が持ち上がり、戸惑うマリアは思い切った行動に出る。第65回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。さらにグアテマラ史上、初の米アカデミー賞外国語映画賞にエントリーされるという快挙を果たした、ハイロ・ブスタマンテ監督による初の長編映画。
監督:ハイロ・ブスタマンテ 出演者:マリア・メルセデス・コロイ(マリア)、マリア・テロン(フアナ)、マヌエル・マントゥン(マヌエル)、フスト・ロレンソ(イグナシオ)、マルビン・コロイ(ペペ)ほか
映画「火の山のマリア」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「火の山のマリア」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
火の山のマリアの予告編 動画
映画「火の山のマリア」解説
この解説記事には映画「火の山のマリア」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
火の山のマリアのネタバレあらすじ:起
周囲を火山に囲まれた、グアテマラの荒れた土地に暮らす少女マリア。マヤ人である彼女はここで生まれ育ち、外の世界を全く知りません。17才になり、両親が勝手に決めた結婚相手は、コーヒー農園を営む年上のイグナシオでした。裕福な彼のもとに嫁ぐことで、家族の生活は楽になるはずです。母親は岩場に火を起こし、娘に良い縁談が訪れたことを大地の神に感謝します。しかし、マリアには親しくしている青年ペペがいました。イグナシオのコーヒー農園で働く貧しい彼は、この土地から抜け出し、アメリカへ密入国する計画を立てていたのです。「アメリカには何があるの?」と尋ねるマリアに、ペペは「何でもある。金だってあるさ」と遠い目をして答えます。
火の山のマリアのネタバレあらすじ:承
ある晩、酒場で酔いつぶれたペペのもとにマリアが現れます。彼女は、処女を捨てるつもりでやって来たのです。夜が明け、共に朝日を見る2人。「あの火山の向こうがアメリカだ」と言うペペに、マリアは「私も一緒に」と頼みます。しかし、ペペは結局、マリアに何も言わずに1人で旅立ってしまいます。マリアはショックを受けますが、家に帰るしか道はなく、何事もなかったように再び家族と生活を共にします。その後、マリアの様子を見ていた母親は、娘が妊娠していることに気づきます。なんとか堕胎させようとする母親でしたが、「この子は生まれる運命だ」と悟り、マリアの体を気づかいます。一方、父親は、娘の妊娠でイグナシオに首にされることを恐れます。マリアのお腹は、日に日に大きくなっていきます。
火の山のマリアのネタバレあらすじ:転
彼らが働く農園では、ヘビによる被害が相次いでいました。妊婦の匂いがヘビを遠ざけるという話を母親から聞いたマリアは、自分がヘビを追い払えばイグナシオは家族を置いてくれるだろうと考えます。母親が止めるのも聞かず、農園に出たマリア。ヘビに噛まれて気を失い、そのまま病院に運ばれます。知らせを聞いたイグナシオも、大急ぎで駆けつけました。マリアは命をとりとめますが、赤ん坊は死んだと聞かされます。村では葬儀が行われ、赤ん坊は埋葬されます。その夜、マリアは悲しみのあまり墓地へと走り、土を掘り返して小さな棺を家に持ち帰ります。その姿を見た両親は娘を責めますが、棺の中を見て言葉を失います。赤ん坊の遺体ではなく、レンガが入れられていたのです。
火の山のマリアの結末
赤ん坊はまだどこかで生きているはずと、マリアと両親はイグナシオに訴えます。しかし、警察が捜査に動くことはありませんでした。赤ん坊はどこかに売られていて、イグナシオもその事実を承知していたのです。マリアと両親はマヤの言語しか話すことができず、英語やスペイン語が理解できません。イグナシオや警察の間で交わされる会話が全く理解できないまま、追い返されてしまいます。父親は、「子供は今頃、アメリカで幸せに暮らせているはずだ」と、泣きじゃくるマリアを慰めます。イグナシオは、父親に金を手渡し、「これで娘に服でも買ってやれ」と言います。後日、母親の手によって、マリアが美しく着飾られていきます。イグナシオと結婚する時が来たのでした。
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