ゾラの生涯の紹介:1937年アメリカ映画。フランスの文豪ミエール・ゾラの生涯を、フランスの将校がスパイ容疑に巻き込まれた「ドレフェス事件」と絡めて描いた歴史ドラマです。アカデミー賞では作品・助演男優・脚色の三部門を制しています。
監督:ウィリアム・ディターレ 出演者:ポール・ムニ(エミール・ゾラ)、ジョセフ・シルドクラウト(アルフレッド・ドレフュス)、ゲイル・ソンダガード(リュシー・ドレフュス)、グロリア・ホールデン(アレクサンドリーヌ)、ドナルド・クリスプ(ラボリ弁護士)ほか
映画「ゾラの生涯」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゾラの生涯」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ゾラの生涯」解説
この解説記事には映画「ゾラの生涯」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゾラの生涯のネタバレあらすじ:起
19世紀のフランス。若き作家のエミール・ゾラ(ポール・ムニ)は、パリの屋根裏部屋で親友で画家のポール・セザンヌ(ウラジーミル・ソコロフ)と同居しながら創作活動に打ち込んでいました。ある日、出版社をクビになったゾラは、警察に追われていた娼婦のナナ(エリン・オブライエン=ムーア)を助けます。彼女から身の上話を聞いたゾラは、それらのエピソードを小説「ナナ」として発表し大好評を得ます。更にゾラはライフワークともいえる自然主義文学の大作「ルーゴン・マッカール叢書」を書き、一流作家として高い評価を得ると共に貧乏暮らしから脱出を果たします。
ゾラの生涯のネタバレあらすじ:承
1894年、フランス陸軍参謀部将校のアルフレッド・ドレフュス大尉(ジョセフ・シルドクラウト)がスパイ容疑で逮捕されました。後に世間を揺るがした「ドレフェス事件」と呼ばれる事件の始まりです。何者かが軍の機密情報を他国に漏洩していることを知った軍の上層部は確かな証拠を見つけられず、ただユダヤ人であるというだけでドレフェスを摘発したのです。ドレフェスは反逆罪に問われて全ての地位を剥奪され、悪名高き「悪魔島」の監獄へ収監されました。ドレフュスの妻・リュシー(ゲイル・ソンダガード)はゾラの元を訪れ、世論に夫の無実を訴えてほしいと頼んできました。心を動かされたゾラは大統領に宛てた公開質問状「私は弾劾する」を新聞に投稿、軍の不正を徹底的に糾弾して世論の喚起を図り、事件の再審を訴えました。
ゾラの生涯のネタバレあらすじ:転
この時、軍部は既にスパイ事件の真犯人がヴァルザン・エステルアジ少佐(ロバート・バラット)であることを突き止めてはいましたが、ドレフェスの有罪を覆すのは軍首脳部の責任問題に発展する恐れがあるため、軍部は真実を揉み消すとともに、ゾラへの弾圧を始めました。軍部は裁判所を操り、ゾラを中傷罪として訴えるとともに、いくつかの新聞紙に「ゾラは国賊だ」という一大キャンペーンを展開させ、徹底的に迫害してきました。ゾラの友人である弁護士ラボリ(ドナルド・クリスプ)の懸命の弁護も叶わず、ゾラは禁固2年の有罪判決を受けてしまい、友人たちはゾラをイギリスに亡命させます。
ゾラの生涯の結末
やがてドレフェス事件は世論を二分化する一大政治闘争にまで発展、ゾラの友人たちは必死で軍部を非難し続けました。そして世論に動かされたフランス政府は遂に重い腰を上げ、真犯人のエステルアジ少佐は逮捕されました。ドレフェスを陥れた軍の上層部らはことごとく失脚、ドレフェスは晴れて悪魔島から釈放され復職を果たし、中佐に昇進しました。そしてイギリスから帰国を果たしたゾラは愛国者として讃えられました。しかし、ドレフェスの名誉回復を祝う日の前夜、ゾラは書斎で執筆中にガス中毒で突然この世を去りました。ゾラの葬儀では盟友である作家アナトール・フランス(モリス・カルノフスキー)が弔辞を読み、ゾラの亡骸は数多くの偉人たちが眠るパンテオンの霊廟に葬られました。
この映画の感想を投稿する