ココ・アヴァン・シャネルの紹介:2009年フランス映画。ブランド「CHANEL」の創設者、ココ・シャネルの幼少期からブランドを立ち上げるまでを描いた作品です。シャネルの一号店を開くに当たって大きな影響を与えたボーイ・カペルとの出会いやシャネルのファッションの斬新さを描いています。
監督:アンヌ・フォンテーヌ 出演者:オドレイ・トトゥ(ココ・シャネル)、ブノア・ポールヴールド(エティエンヌ・バルザン)、アレッサンドロ・二ヴォラ(ボーイ・カペル)、マリー・ジラン(アドリエンヌ・シャネル)、エマニュエル・ドゥヴォス(エミリエンヌ・ダランソン)ほか
映画「ココ・アヴァン・シャネル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ココ・アヴァン・シャネル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ココ・アヴァン・シャネルの予告編 動画
映画「ココ・アヴァン・シャネル」解説
この解説記事には映画「ココ・アヴァン・シャネル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ココ・アヴァン・シャネルのネタバレあらすじ:起・孤児の姉妹
1897年、幼くして母親を亡くし、渡米した父親に置き去りにされたガブリエルと、姉のアドリエンヌのシャネル姉妹は、共に孤児院で暮らし始めた。
15年が経ち大人になったシャネル姉妹は昼間は仕立屋のお針子、夜は二人で自作した衣装でナイトクラブの歌手として働き、ガブリエルはココの歌を歌うことからココ・シャネルと呼ばれるようになった。
アドリエンヌは客の男爵と懇意になり、結婚の間近だったったが身分違いでなかなか話が進まない。一方ガブリエルは、男爵の友人のバルザンの紹介で劇場を紹介してもらいパリへ行くことを夢見ていた。
アドリエンヌの結婚を期に、ガブリエルは一人で歌うために別のナイトクラブのオーディションを受けたが芳しくなく、バルザンの屋敷に転がり込んだ。
ココ・アヴァン・シャネルのネタバレあらすじ:承・服に求めた自由
他の来賓に見つからないようにと言われ、屋敷に置いてもらえるようになったガブリエル。競馬場に連れて行ってもらう事があっても、バルザンはボックス席へ行ってしまった。
そこでのガブリエルは競馬場に集まった貴婦人たちの洋服に興味深々。さらに結婚したアドリエンヌに再会した。アドリエンヌもボックス席へ行ってしまった男爵に残されてしまっていた。
それまでバルザンの屋敷で身を隠すように暮らしていたガブリエルは、男性のような服を作り、一人馬に乗ると、貴婦人たちとバルザンがピクニックをしている場所に乗り込んだ。そこに来ていた貴婦人の一人、女優のエミリエンヌはガブリエルのセンスを気に入り、自分の服装のアドバイスを頼むようになった
身を隠さなくなったガブリエルに、バルザンは晩餐会に相応しいドレスを贈ったが、ガブリエルは自分でシンプルなドレスに作り直し、皆を驚かせた。
ココ・アヴァン・シャネルのネタバレあらすじ:転・ボーイとの出会い
読書家でバルザンの書庫を借りていたガブリエルは、サロンでピアノを弾くイギリスからの客人のボーイ・カペルと出会った。彼はガブリエルの革新的なセンスが気に入り、二人の仲は接近していった。
バルザンの家でエミリエンヌから帽子の注文受けるガブリエルは、自分で稼ぎたいと願うようになった。
ある夜、晩餐会に男装で訪れたガブリエルとボーイは、一晩を過ごし親密な仲になった。ガブリエルに仲間として側にいて欲しいバルザンと、恋に落ちたガブリエルとボーイの奇妙な関係が始まった。
ボーイと二人で二日間だけ海へ旅行に行ったガブリエルは、カジノで踊るために黒のドレスを作り、注目を集めた。すっかり親密な仲になった二人だったが、ガブリエルがボーイと結婚したいとアドリエンヌに報告しに訪ねると、孤児だったという理由で男爵の両親に会ってもらえず、結婚できずにいた。
さらに、ガブリエルに去って欲しくないバルザンは、ボーイが英国の女性との結婚が決まっている事を話した。
ココ・アヴァン・シャネルの結末:ココ・シャネルとして
エミリエンヌのつてで、帽子の注文を受けるガブリエルは、パリで帽子のデザインをする事を諦めていなかった。
バルザンに求婚され、ボーイには結婚と恋は別だと言われたガブリエルは、誰の妻にもなりたくないと二人の前で宣言した。
そして、ボーイの出資でパリに店を出し、アドリエンヌやお針子たちと仕事を始めた。そこへ様子を見に来たボーイと二ヶ月の長旅の約束をし、彼を送った。
しかし、エミリエンヌの芝居をバルザンと観に行った所へ、アドリエンヌからボーイが交通事故に遭ったと知らせが来た。事故現場を見たガブリエルは涙を流した。
その後、ガブリエルは、ココ・シャネルとして成功を納めた。彼女は新しい現代女性の服装を生み出し、男性社会に最初に踏み込んでいった。生涯結婚はせず、死ぬ直前まで仕事をした。
以上、映画「ココ・アヴァン・シャネル」のあらすじと結末でした。
ココ・アヴァン・シャネルのレビュー・考察:新しい女性像
後のココ・シャネルであるガブリエルは身寄りのなかった子供時代が駆り立ているのかもしれないが常に自活しようとしている。お針子をしながらナイトクラブで歌う仕事をして上流階級の男性と付き合うようになっても、結婚するつもりは毛頭ない。ボーイとの結婚を望んだこともあったが、彼は他の男性と違い、ガブリエルのビジネスの手腕やセンスを認めていた唯一の男性だった。女性のファッションが美しく飾るだけだった頃、ココ・シャネルのデザインする服の、機能性や快適なシンプルさは真新しく、それまでの男性の描く理想の女性像から、女性の描く理想の女性に移行していった時代の象徴のように思う。
「ココ・アヴァン・シャネル」感想・レビュー
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ココ・シャネルという人物の成り立ちの映画。てっきりシャネルの人生の話かと思いましたが、彼女の人生の序章の映画でした。彼女が生まれてからどうして服を作るようになったのかが作中でゆっくりと語られています。「女性とはこういうあるべき」という概念を崩していくファッションスタイルはとても見応えがありました。
2009年のフランス映画で、フランスのファッションブランド、シャネルの創設者であるココアヴァンシャネルの伝記映画です。幼少期から、一流デザイナーとして羽ばたくまでの過程を描いていて、色々な壁にぶつかりながらも、前進していく、バイタリティのある姿が印象的でした。帽子のデザインや、リトルブラックドレスなど、女性ならでは視点やセンスがその時々で光るのと、ファッションにかなり強いこだわりをもってデザインを生み出しているといった点など、フランス人女性デザイナーとして、力強く時代を駆け抜けてきたんだなーという一面を知れました。