オリヲン座からの招待状の紹介:2007年日本映画。浅田次郎の短編小説を映画化したもので、昭和30年代と現代の京都を舞台に、時代に翻弄されながらも映画館「オリヲン座」を守ろうとした男女の姿を、常連だった少年少女のエピソードも交えて描いた作品です。
監督:三枝健起 出演者:宮沢りえ(豊田トヨ)、加瀬亮(仙波留吉)、宇崎竜童(豊田松蔵)、田口トモロヲ(三好祐次)、樋口可南子(三好良枝)ほか
映画「オリヲン座からの招待状」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オリヲン座からの招待状」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オリヲン座からの招待状の予告編 動画
映画「オリヲン座からの招待状」解説
この解説記事には映画「オリヲン座からの招待状」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オリヲン座からの招待状のネタバレあらすじ:起
現代の東京。ある日、三好良枝(樋口可南子)に1通の招待状が届きました。それは、良枝がかつて足しげく通っていた故郷・京都の老舗映画館「オリヲン座」の閉館が決まったというお知らせと共に最終興行のチケットが同封されていました。良枝(樋口可南子)は、長年別居生活を送っている夫の祐次(田口トモロヲ)に連絡を入れ、一緒に最終興行に行こうと誘います。二人が出会った場所は昭和30年代の「オリヲン座」でした。
オリヲン座からの招待状のネタバレあらすじ:承
昭和32年、夏の京都。戦前間もない昭和25年にオープンした「オリヲン座」は、館主で映写技師の豊田松蔵(宇崎竜童)とその妻で受付担当のトヨ(宮沢りえ)の二人三脚で営業されていました。ある日、故郷の大津から職を求めて京都にやってきた千波留吉(加瀬亮)という映画好きの17歳の青年がオリヲン座を訪れ、ぜひここで働かせて欲しいと懇願してきました。その熱意を買われて松蔵に雇われた留吉は、自転車でフィルムの入った缶を運搬する仕事から始まり、やがて松蔵に教わりながら少しずつ映写係の仕事も覚えていきます。最初はすぐ辞めるだろうと思っていたトヨも、留吉の真摯さに目をかけるようになります。
オリヲン座からの招待状のネタバレあらすじ:転
しかし、そんな幸せな日々も長くは続きませんでした。元々酒飲みでヘビースモーカーだった松蔵は突如病に倒れ、そのまま急死してしまいます。トヨはオリヲン座をたたもうと決意しますが、松蔵を父のように慕っていた留吉が跡を継がせてほしいと懇願、留吉が二代目館主となってオリヲン座は存続することになります。しかし、高度経済成長により各家庭にテレビが普及し、映画界には斜陽の波が押し寄せていました。オリヲン座を訪れる観客の数は減っていく一方でした。そしてオリヲン座の周辺では、留吉が美人で評判のトヨとオリヲン座をうまいこと手に入れたとの心無い噂が立つようになり、留吉は苦悩するようになります。
オリヲン座からの招待状のネタバレあらすじ:結
昭和39年。この頃、留吉とトヨの心を和ませてくれたのは、オリヲン座に通い詰めるようになっていた少年・祐次(小清水一揮)と少女・良枝(工藤あかり)でした。家庭に恵まれない祐次と良枝にとっては留吉とトヨはまるで親代わりの存在となり、誕生会を開いたりするなど楽しい日々を過ごしていました。留吉は何としてでもオリヲン座を守り、子供たちが安心して観られる作品を上映していきたいと強く心に誓いました。
現代。病の床にあったトヨ(中原ひとみ)はもはや命の灯が尽きようとしていました。留吉(原田芳雄)はせめて最後のひと時をオリヲン座で過ごさせてあげようと病院から連れ出します。そしてトヨは留吉に付き添われて映写室から、駆け付けていた良枝と祐次は客席から、最後の上映となる「無法松の一生」を見つめていました。
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