マイ・マザーの紹介:2009年カナダ映画。別題:マイ・マザー/青春の傷口。母とうまく行かないユベールは、何かと反抗したい盛り。母も息子が自分に隠していたことにショックを隠せない。そんな二人の行き着く先は。
監督:グザヴィエ・ドラン 出演:グザヴィエ・ドラン(ユベール・ミネリ)、アンヌ・ドルヴァル(シャンタル・レミング)、フランソワ・アルノー(アントナン・ランボー)、スザンヌ・クレマン(ジュリー・クロウティエ)、ニールス・シュナイダー(エリッ)、ほか
映画「マイ・マザー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マイ・マザー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マイ・マザーの予告編 動画
映画「マイ・マザー」解説
この解説記事には映画「マイ・マザー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マイ・マザーのネタバレあらすじ:今日も喧嘩をするユベールとその母
小さい頃は母が好きだったユベールは、今は会話をするとすぐに口論になってしまう。そんな彼が美術の時間に黒を基調にした抽象画を描いた、そのタイトルは息子。担任のジュリーが生徒たちの親の仕事に関するアンケートをしようとすると、母親と話をしたくないユベールは、母は死んだと嘘をついた。その夜、母親がアントナンを招く約束を忘れたことで口論になると、嫌なら父親と暮らせばいいと母は言った。
マイ・マザーのネタバレあらすじ:見守る教師ジュリー
仕事に関するアンケートで死んだ事にされていた事を知り、激昂した母が学校までやってくる。嘘だと知った担任のジュリーは、ダイナースでユベールと話をし、自分も父親と仲が悪いのだと告白した。しかしユベールは自分に与える母を間違えたと返した。きっと他人同士なら母親とうまくやれた、母と息子という関係が今のユベールには受け入れがたかった。 一つの解決法として一人暮らしを始めようと学校の近くに物件を見つけたユベール、母は一旦は賛成したが、彼が実際に物件を見てきた話をすると16歳では早すぎる。18歳まで待ちなさいと意見を翻した。 アントナンの家で宿題をしていると、彼の母親に美術の時間に描いた絵を褒められ、代理店の壁の装飾を依頼された。 そのアントナンの母は、日焼けサロンで、ユベールの母にアントナンとユベールの交際がもうすぐ二か月ですねと挨拶のつもりで声をかけると、自分の息子が同性愛者だと知らなかったユベールの母は、息子が自分に話してくれなかったことにショックを受けた。そして、夜にユベールとレンタルビデオ屋に行っては苛立ち、父親と暮らしたらどうか、これ以上一緒に住みたくないと、車の中でも降りても口喧嘩をした。 家の鍵のないユベールは家に入れず、ジュリーの家を訪ねた。教師が生徒を家に泊めるのはよくないと家に電話を掛けさせると、母親に対するユベールの口の利き方を、彼女はたしなめた。そして自分が息子に向いていないとこぼすと、母親に向いていない人もいると彼女は慰めた。
マイ・マザーのネタバレあらすじ:父親との再会と家族会議
家に帰ることなくアントナンの所に居候をしていると、ある日父から電話がかかって来た。7歳の時に離婚している父は育児には向かないが記念日にはカードくれるような人物だった。しかしその夜、ユベールが訪ねるとそこには母も同席していた。そして二人はすでにユベールを田舎の厳しい寄宿学校に入れることを決めていた。寄宿学校へ出発する日、お礼を言いにユベールが担任のジュリーを訪ねると、彼女は彼が国語の授業の時に書いた作文や詩を、新人賞に応募したと言う事、それくらいいい出来だったと餞別に詩集を一冊彼に渡した。アントナンの選別は手作りの人形で、アントナン、ユベール、涙を流すユベールの母の三つだった。 夜行バス乗り場までユベール送った母親は、郵便受けに入っていた手紙を彼に渡した。バスの見送りを拒否した彼がバスでそれを開けると、その手紙はジュリーからで、自身の父から電話が来て十年ぶりに十秒だけ話したと言う知らせだった。
マイ・マザーのネタバレあらすじ:ユベールの本心は?
休日、寄宿学校でできた友達エリックにディスコに連れていってもらったが、キスをされた彼は一人で自宅に帰り、母に話をしようそうでないと死んでも後悔すると泣きついた。
翌日、頼まれた壁のペンキ塗りを行うユベールとアントナン。二人の関係は良好なままだったが、来年度も寄宿学校だとすでに決まっていることをユベールは怒った。さらに自分の母が、アントナンの母から自分たちの関係を聞いていたことを知った。母はあくまで他人から知らされた事がショックだった。そしてアントナンの家でご飯を食べてバス停まで送ってもらうように言った。彼女はユベールのいなくなった彼の私室でビデオカメラを見つけた。そこには彼の本心、いかに母を愛している事が録画されていたが、最後まで見ることはなった。そんな彼女の職場にユベールの失踪したと寄宿学校から連絡が来た、置手紙には話がしたいなら僕の王国にいるとあった。アントナンの車で両親が離婚するまで住んでいた湖畔の家にやって来たユベールは、母がやってくるとアントナンの人形の母から涙を取った。
マイ・マザーの結末:ユベールの母のイメージ
彼の中の母のイメージが数度カットインする、それは棺の中の母、血の涙を流す聖母の姿、そして花嫁衣裳の母へと時間を戻すように移り変わる。母は死んだと嘘をつくような彼が、自分の中であってほしい母の姿をもう一度見つける過程のように見える。そして、ようやく彼の中の母のイメージから「涙」は消える。
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