スナッチの紹介:2000年アメリカ映画。ガイ・リッチーのコメディ映画。ブラット・ピットのつくりこんだ肉体は必見です。細かい設定が面白く、様々な人の角度から物語を観せ、最終的につながる作風は観ていて楽しいです。
監督:ガイ・リッチー 出演者:ジェイソン・ステイサム(ターキッシュ)、ベニチオ・デル・トロ(フランキー)、デニス・ファリナ(アビー)、ヴィニー・ジョーンズ(ブレット)、ブラッド・ピット(ミッキー)、ほか
映画「スナッチ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スナッチ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スナッチ」解説
この解説記事には映画「スナッチ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スナッチのネタバレあらすじ:起
ラビに変装し、86カラットのダイヤモンドを盗み出したフランキー。この宝石をアヴィーに届ける前に、ロンドンで小粒のダイヤをさばいてからニューヨークへ戻ることにします。アヴィーはいとこのダグに連絡し、宝石の話をしました。 フランキーは銃を仕入れにボリスのところへ向かいます。そこで、ボリスはフランキーに自分の代わりに裏ボクシングに賭けて欲しいと頼みます。彼は賭博中毒なのでこの賭けを楽しみにしていました。 ターキッシュは裏ボクシングのポロモーターでした。彼はトミーとボクサーとトレイラーを新調しにパイキーの下へ向かいました。パイキーから買ったトレイラーは壊れていて使い物にならず支払った金額の返金を求めるも要求に答えくれず、ターキッシュの連れてきたボクサーとパイキーのミッキーが素手ボクシングで勝負しました。しかし、ミッキーは一撃でそのボクサーを負かしました。
スナッチのネタバレあらすじ:承
試合が迫っているのに、ボクサーを失うことになったターキッシュは、裏ボクシングのノミ屋のオーナーのブリック・トップに状況を説明しましたが、納得してもらえず、パイキーを試合にだし、4Rで負けろと支持しました。 ターキッシュはミッキーを試合に出させましたが、1Rはじまってすぐ、ミッキーは相手を一発でK.Oし、この試合に勝利してしまいました。この結果により、ターキッシュは大変危険な状態に陥りました。 ヴィニーはパイキーからもらった犬を連れてソルのところへ戻りました。ボリスはソルとヴィニーにノミ屋にいる4本指の男のカバンを持ってくるように依頼しました。 フランキーは手錠でバッグと自分を繋いでいたためソルたちはフランキーごと連れて帰りました。ソルたちはバッグの中身の86カラットのダイヤを見て欲しくなりましたが、ボリスは怒り出し、フランキーを射殺し、腕ごと切り落としバッグを持って帰りました。
スナッチのネタバレあらすじ:転
ブリック・トップのノミ屋に押し入った2人は、命を狙われてしまいますが、86カラットのダイヤを手に入れることを約束し助かりました。 アヴィーはフランキーの行方がわからないのでトニーを雇い、フランキー探しをします。アヴィーはソルたちの質屋に行き、ダイヤはボリスが持っていることを教えました。 ブリック・トップはターキッシュにミッキーを裏ボクシングに出す交渉をしますが、金のないターキッシュは交渉できないことをブリック・トップに伝えました。するとブリック・トップはミッキーのママのトレイラーをママが寝ている間に燃やしました。ミッキーは試合に出ることをターキッシュに伝えました。ドグの質屋に86カラットのダイヤを売りにきたボリス。ダイヤをめぐり銃撃戦になるも、バッグを持ち出せたのはソルたちでした。
スナッチの結末
ミッキーの出る裏ボクシングが始まりました。ブリック・トップの命令、「4Rで負けること」を必死でミッキーに伝えるターキッシュ。ミッキーが勝ったら、ミッキーも自分も命がなくなることがわかっているから必死でした。 しかし、ミッキーは勝利してしまいます。ターキッシュとトミーはミッキーを連れて逃げました。 しかし、外に出てみるとブリック・トップの手下たちは全滅していました。パイキーたちがママの敵をとったのです。しかも、ミッキーは自分の勝利に賭けをしていました。 次の日、2人はパイキーたちの下へ向かいますがパイキーたちはいませんでしたが、代わりに警察がいました。しかし、ソルたちの犬のおかげでターキッシュとトミーは警察から逃げることができました。 彼らを助けてくれた犬を飼いたいトミーはターキッシュに相談し、病院へ行くことを条件に了承します。すると、その犬の体内から86カラットのダイヤが出てきたのでした。
「スナッチ」感想・レビュー
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このガイ・リッチー監督の映画「スナッチ」は、スタイリッシュで遊び心満載の映像で、我々の脳を刺激してやまない、ガイ・リッチー監督のごきげんな群像劇だ。
この映画は、デビュー作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」が記録的なヒットとなり、一夜にして世界にその名を知らしめた俊英ガイ・リッチー監督の第二作目の作品です。
デビュー作はインディペンデント作品でしたが、すかさずハリウッド映画界が注目し、この映画でメジャーに躍進しましたが、この「スナッチ」は、前作のほぼ焼き直しと思える内容で、基本的なプロットもほぼ同じ内容になっていると思います。
話の軸となるのは、非合法ボクシングと大粒のダイヤの盗難事件。
前作では、これが麻薬資金の横領事件と骨董品の銃となっていて、ガイ・リッチー監督自身、前作に入れられなかったネタを使っていると語っているように、前作の勢いのお裾分けに預かったというような印象もあります。例によって、魅力的な悪党どもが入り乱れ、予測不可能なストーリーは目まぐるしいスピードで疾走します。
めくるめく頭脳パズルも、ラストではすっきりと軟着陸を見せて、爽快なカタルシスを味わえます。とにかく驚くべきことに、これだけの大人数を交錯させ、話の枝葉を広げておきながら、上映時間はたったの1時間42分。
ただし、惜しむらくは、ストーリーにある二つの流れの接点が弱く、群像劇としてのさばき方は前作に劣るような気がします。しかしながら、ガイ・リッチー監督のお家芸でもある”遊び心たっぷりの映像表現”は、洗練の度合いを増していて、のっけから、トメ絵を使った人物紹介が非常にカッコいいものになっていると思います。
要所で効果的にストップモーションやスローモーションを駆使する”超絶のテクニック”は本当に凄く、”毒気に満ちたイメージ・ショットの挿入”も面白く、とにかく観ていて、映画好きの心をワクワクさせる魅力に溢れていて、さすが映像の魔術師ガイ・リッチーの面目躍如たるものがあります。
そして、華麗な映像と相性がバッチリの音楽がまた小気味良くて、キャラクターごとに使い分けるこの音楽は軽快で雰囲気満点で、キャラクターの魅力が一層引き出され、ちゃっかり、マドンナの「ラッキー・スター」まで使っていて、心憎いばかりです。
このようなセンスは先天的な才能としか言いようがないくらいに最高です。
さらに我々映画好きを喜ばせてくれるのは、前作同様に、キャラクターたちの不敵な面構え。
根っからの悪党で、やっていることは大真面目なのに、いつも失態ばかりで、どこかマヌケ。まず、愛称の響きからして楽しく、賭け事に目がない宝石泥棒、ヤバイ賭けに負けて指を詰めたことから、”フォー・フィンガー”の異名がついたフランキー・フォー・フィンガーズ。
KGBくずれの危険な男、別名”弾丸かわし”のボリス・ザ・ブレイド。
六発の弾丸を浴びながら、敵を倒した伝説を持つ不死身の男ブレット・トゥース・トニーetc.——–。何とも胡散臭い連中で、彼らの複雑な相関関係にも消化不良を起こさないのは、彼らの魅力あってのこそで、一人一人にまつわる傑作なエピソードと絶妙な会話に、クスクス笑いが止まらない程です。
ブラッド・ピットやジェイソン・ステイサム、ベニチオ・デル・トロなど、男性が見てもかっこいいと思える役者陣が出演する豪華な作品。20年近くたった今でもオープニングのスタイリッシュな演出は非常にかっこよく、ストップモーションを多用したアクションシーンが印象的です。主要キャラクターが多いにも関わらず、それぞれの個性がしっかりと描けていて、中だるみのような時間も無く最後までしっかりストーリーに集中できます。