善き人のためのソナタの紹介:2006年ドイツ映画。アカデミー賞外国語映画賞を受賞。ベルリンの壁崩壊前の東ドイツの監視社会をテーマにした作品。共産主義体制の中枢を担っていた、旧東ドイツ国家保安省(シュタージ)の実態を暴き、彼らに翻ろうされた芸術家たちの苦悩を描く。
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 出演:ウルリッヒ・ミューエ(ヴィースラー大尉)、マルティナ・ゲデック(クリスタ=マリア・ジーラント)、セバスチャン・コッホ(ゲオルク・ドライマン)、トーマス・ティーメ(ハムプフ大臣)、ウルリッヒ・トゥクル(グルビッツ部長)、フォルクマー・クライネルト(アルベルト・イェルスカ)
映画「善き人のためのソナタ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「善き人のためのソナタ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「善き人のためのソナタ」解説
この解説記事には映画「善き人のためのソナタ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
善き人のためのソナタのネタバレあらすじ:東ベルリンの社会
1984年11月ホーエンシェンハウゼンで、警察が市民を呼び出し、9月28日のことを聞いています。友人が西側へ逃げたことで、協力者は誰か?と尋問しています。ポツダム大学では、この尋問の様子を基に、「どのように嘘を見破るか」という講義をヴィースラー大尉がしていました。友人のグルビッツが劇へ行こうと誘います。劇場にはヘルプフ大臣も来ていました。劇はドライマンの作品でした。ヴィースラーは直感で、彼を監視した方が良い、とグルビッツに言い、彼はヘムプフ大臣に助言します。パーティーで、大臣はドライマンに接近します。イェルスカという前の演出家を批判すると、ドライマンは彼をかばい、自分には彼が必要であり、復帰できるように頼みます。ヴィースラーはドライマンの部屋に盗聴器をつけ、監視をするよう命じられます。
善き人のためのソナタのネタバレあらすじ:監視
ドライマンの部屋に盗聴器をしかけたところを隣人に見られ、ヴィースラーは口止めします。ドライマンはイェルスカを訪れ、大臣に会ったこと、復帰に希望があることを伝えます。盗聴が開始されました。ドライマンが帰宅すると、女優で彼女のクリスタから誕生日プレゼントにネクタイをプレゼントされます。誕生日会も開催されました。イェルスカからのプレゼントは「善き人のためのソナタ」と書かれた楽譜でした。女優のクリスタにヘムプフ大臣が接近し、仕事を餌に手を出します。ヴィースラーは、大臣の車がドライマンの家へ着くころに、ドライマンの建物の玄関ベルを鳴らし、ドライマンが大臣とクリスタの関係に気づくようにします。クリスタは何も言わずに抱きしめて、とドライマンに頼みます。ヴィースラーは孤独を感じていました。ドライマンの部屋に侵入し、ブレヒトの本を盗みます。
善き人のためのソナタのネタバレあらすじ:善き人のためのソナタ
イェルスカが自殺しました。ドライマンはイェルスカからもらった楽譜を開き、ピアノで演奏します。盗聴していたヴィースラーはその音楽に感動してしまいました。ある日クリスタが大臣に会うために出かけようとすると、ドライマンは止めます。クリスタが行く必要がある、と二人がもめている最中に、盗聴の交代人が来ました。ヴィースラーは酒場に入ると、大臣のところへ行くはずのクリスタもやってきました。ヴィースラーは身元を明かさず、ファンだと名乗り、あなたは芸術家なのだから行かないで、と諭します。後日、盗聴の交代人の報告書を読むと、クリスタ帰宅、と書いてあり、安心したのでした。イェルスカの葬儀で仲間の家へ行くと、「盗聴されている」と言い、公園で待ち合わせします。ドライマンは「自分の家は安全」と言い、ガセネタを流して家が盗聴されているか試そう、と言います。
善き人のためのソナタのネタバレあらすじ:ヴィースラー大尉の気持ち
仲間の一人が西側へ行くというガセネタを家で話し、それを盗聴したヴィースラーは信じます。そして見逃しました。その人が西側へ渡ったのが成功したと知っても、報告書にも書きませんでした。盗聴の交代人はドライマンを疑っていましたが、ヴィースラーは庇います。ドライマンたちは盗聴されていない、と信じて、東ドイツの真実を伝える作戦を始めます。そのためにタイプライターを手に入れます。ヴィースラーはグルビッツに監視縮小を求め、盗聴を一人でやることにしました。そして嘘の報告書を作成し続けました。ドライマンの作戦は成功し、東ベルリンの芸術家の自殺記事が西側で公になり、ニュースになります。グルビッツはその記事のタイプライター文字を鑑定させます。そしてヴィースラーにはしっかり盗聴するよう言います。ヘムプフ大臣はクリスタが薬を服用している情報を警察に渡します。
善き人のためのソナタのネタバレあらすじ:クリスタの死
クリスタは尋問を受け、警察官を誘惑をしますが、無視されます。記事について話せと言われます。ドライマンの元には、国家保安省が乗り込み、タイプライターを探し出そうとしますが、見当たりません。ヴィースラーはホーエンシェンハウゼンに呼び出され、女を尋問するように言われます。酒場で2人は会っていますが、お互いに知らない顔をします。ヴィースラーはタイプライターの場所を言えといい、クリスタは答え、釈放されました。クリスタがドライマンのアパートに着いた後、警察もドライマンの家へ踏み込みます。タイプライターはクリスタが告白した場所にはありませんでした。クリスタは外へ逃げ出し、車にはねられます。真っ先に近寄ったヴィースラーはタイプライターは自分が移動した、とクリスタに言いますが、彼女はそのまま死んでしまいます。グルビッツはヴィースラーの不正行為を見抜き、君は終わりだ、と言います。
善き人のためのソナタのネタバレあらすじ:ベルリンの壁崩壊
4年7か月後、ヴィースラーは地下室で手紙の検品作業をしていました。1989年11月9日、ついにベルリンの壁が崩壊します。2年後、ドライマンは劇を興行しますが、クリスタを思い出し、劇場の外へ出ます。そこでヘムプフ大臣が話しかけます。ドライマンは「なぜ自分は盗聴されなかったのか」と聞くと「すべて筒抜けだった」、と盗聴されていたことを聞かされます。ドライマンは家中を調べると、盗聴器があちこちから見つかりました。記念資料館へ出向き、自分の盗聴ファイルを見ます。そこには「ヴィースラー担当ラズロ作戦」と書かれていました。読んでいくと、途中から内容が真実ではないことに気が付きます。クリスタの密告宣誓も知ります。ドライマンはファイルのHGWを基にヴィースラーの正体を突き止め、会いに行きます。郵便配達をしている彼の姿を見つけるも、声をかけずに戻っていきます。2年後、ドライマンは「善き人のためのソナタ」という本を出版します。ヴィースラーは本に気づきめくると、「HGW XX7に感謝をこめて」という前書きがありました。ヴィースラーは「自分のための本」と言い、本を買いました。
以上、善き人のためのソナタ のあらすじと結末でした。
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