真夜中の招待状の紹介:1981年日本映画。婚約者の三人の兄の失踪の謎を探る女。予知夢を謎解きの手掛かりに据えた異色のミステリー映画。シーンごとに服装を変える小林麻美のファッションも楽しみ。
監督:野村芳太郎 出演者:小林麻美(稲川圭子)、小林薫(田村樹生)、高橋悦史(会沢吉男)、藤田まこと(山崎)、渡瀬恒彦(原田和生)、頼近美津子(明石五月)、米倉斉加年(久世豊吉)
映画「真夜中の招待状」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「真夜中の招待状」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
真夜中の招待状の予告編 動画
映画「真夜中の招待状」解説
この解説記事には映画「真夜中の招待状」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
真夜中の招待状のネタバレあらすじ:起・苦悩する婚約者
稲川圭子はある大きな病院の神経科を訪れる。医師の会沢に会うためである。会沢は先に松葉杖の男、山崎を診察していた。男の足には悪いところはない。医師たちは心のせいで彼は足を動かせないのだと言うが、男は診断に文句をつけて去っていった。圭子が会沢を訪れたのはフィアンセの樹生を心配してである。彼の実兄三人が相次いで蒸発したため自分もいつか蒸発してしまうのではと心配してノイローゼになっているのだ。会沢は樹生を診察することを承諾する。ただし圭子が会沢を信頼することが条件である。
真夜中の招待状のネタバレあらすじ:承・失踪の謎を追って
圭子の家で会沢は樹生を診察する。樹生は熊本の原田家から東京に来て田村家の養子になった。熊本の長兄、順吉と沼津の三兄、捷平とは交わりが少なかったが、親しかった東海村の次兄、和生の失踪が彼にはこたえていた。会沢は夢の記録をすすめる。人間には夢で近い将来に起こることを予見することがありうるからだ。それを聞いて樹生は和生が失踪前に見たという、長いトンネル、線路、城跡の出る夢の話をするのだ。会沢、圭子、樹生は和生の夢の謎を追って樹生の兄たちの家々を訪ねていく。和生は沼津に住む捷平の失踪の謎を探っていた。捷平は失踪前に熊本から彼と長兄の妻が写っている写真を持ちかえっていた。二人の背後に謎の老人が写っていた。和生もその写真を捷平の家から持ち出してから失踪したのだ。熊本を訪れた圭子は、和生との共通の友人である五月の姿を空港で目にする。ホテルで出くわした彼女と後で会う約束をするがすっぽかされる。長兄の順吉の妻ミツの兄だという久世は順吉の描いていた絵を保管していた。そこには捷平の写真に写っている老人が描かれていた。
真夜中の招待状のネタバレあらすじ:転・危ない9月11日
樹生はあることに気付いたと言う。長兄が9月11日、次兄が7月11日、三兄が8月11日に失踪した。そして、あさっての9月11日は自分の番では。11日まで圭子はつききりで樹生の世話をすることにする。無事に11日が過ぎるかと思われたが、樹生は会社の社屋の下で圭子と会う約束をすっぽかしていなくなる。しかし会沢はその報告にあわてない。和生の義弟の新聞記者に樹生の尾行を頼んでいた。樹生の夢の記録が作為的だと感じた会沢は樹生が既に兄たちの蒸発の真相をつかんでいるのではと疑っていたのだった。
真夜中の招待状の結末:明かされる謎
樹生は熊本にいる。会沢と圭子は熊本に飛ぶ。そこで彼らはある心中のニュースを知る。その遺体は和生と彼の後を追って自殺した五月のものだった。長兄順吉の家でミツが事件の真相を語り始める。久世は彼女の兄ではなかった。リウマチの久世の子供に順吉は新薬を処方し、最初は薬が効いたが、結局その薬が原因で、子供は老人のような顔になってしまった。それが写真や絵にあった老人でありミツはずっとその子供を世話していた。ミツに導かれ久世の実家に圭子たちは行く。列車から見える風景は和生が夢で見たという風景だった。久世は、順吉と順吉に新薬を薦めた捷平を精神的に追いつめ自殺決行に至らせた。しかし、熊本に来て真相を知って彼の前で苦しんでいた和生には同情していた。樹生は久世の息子と同じ蔵に閉じ込められていた。彼は和生からの手紙で真相を知り、圭子との結婚の障害になると思って金で解決しようとしたのだった。圭子は彼女の心配をよそに秘密の行動をとった樹生を批判した。東京の病院。足の悪い山崎が会沢を訪れる。山崎は自分の描いた絵を見せる。それは久世の息子を描いた絵であり、山崎は生きていた順吉に他ならなかった。会沢と順吉/山崎は空港でロサンゼルスに転勤する樹生を遠目に見送る。兄は弟に名乗り出るつもりはなかった。やはり見送りに来ていた圭子が会沢に気付き、樹生との婚約を解消したことを告げる。しかし、空港を一人去る彼女は自分で自分の気持ちがまだわからなかった。
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