男はつらいよ 寅次郎わが道をゆくの紹介:1978年日本映画。シリーズ第21作目となる今作。寅さんこと車寅次郎の妹さくらの同級生で、歌劇団のトップスターに上り詰めた女性が、自らの仕事と恋との間で揺れ動きます。寅さんはそんな彼女に次第に想いを募らせていきますが、彼女には10年もの間交際している恋人の存在があったのです。
監督:山田洋次 出演者:渥美清(車寅次郎)、倍賞千恵子(諏訪さくら)、木の実ナナ(紅奈々子)、武田鉄矢(後藤留吉)、竜雷太(宮田隆)ほか
映画「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
男はつらいよ 寅次郎わが道をゆくの予告編 動画
映画「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」解説
この解説記事には映画「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
男はつらいよ 寅次郎わが道をゆくのネタバレあらすじ:起
寅さんこと車寅次郎(渥美清)は九州の小さな無人駅で昼寝をしています。寅さんは、愛用の帽子によく似た円盤型UFOが柴又に飛来する夢を見ています。目が覚めると、地元の男子高生がラジカセでピンクレディーの「UFO」を聴いています。程なく寅さんは柴又に向け出発します。その頃、柴又帝釈天では、SKD(松竹歌劇団)の新人スターたちが御前様(笠智衆)とともに舞台の大入り祈願を行っています。さくら(倍賞千恵子)とおばちゃん(三崎千恵子)は、さくらの同級生でSKDのトップスターに上り詰めた紅奈々子(木の実ナナ)の話題で持ち切りです。そんな折、おいちゃん(下條正巳)は持病の心臓発作で休養しており、そろそろ寅さんに「とらや」を継がせようかと考えていた時、SKDの踊り子をじろじろ眺めながら寅さんが帰ってきました。おいちゃんの全快祝いで、寅さんはもし自分が「とらや」を継いでいたらという話を始め、やがて内容はエスカレートしていき、しまいには今の建物を取り壊して鉄筋コンクリートのビルに建て替えると言い出し、お前に経営のことなどわからないと言うタコ社長(太宰久雄)と大喧嘩になってしまい、寅さんは怒りに任せて旅に出てしまいます。
男はつらいよ 寅次郎わが道をゆくのネタバレあらすじ:承
九州・阿蘇地方を旅していた寅さんは、女性に振られてばかりいる青年・留吉(武田鉄矢)と知り合い意気投合します。その頃、タコ社長の会社「朝日印刷」は財政難で慰安旅行を中止し、博(前田吟)ら従業員は代わりに浅草で行われるSKDの東京踊りのショーに行くことになり、同行したさくらは奈々子と再会を果たします。奈々子の華麗で情熱的なステージに魅了されるさくらと博。満足気に帰宅したさくらたちの元には寅さんからの速達が。手紙の内容は、俺は二度と柴又に戻らないといいつつ宿泊費用を貸してくれないかというものでした。心配になったさくらは急遽ブルートレインに乗り九州を目指します。目的は寅さんを強引にでも柴又に連れ戻すことでした。寅さんが宿泊している田の原温泉に着いたさくらは、留吉の母(杉山とく子)から息子が車先生(寅さん)に世話になっていますと感謝されたあげく、あなたも立派な兄をお持ちで幸せだなあと言われて唖然とします。
男はつらいよ 寅次郎わが道をゆくのネタバレあらすじ:転
柴又に戻った寅さんは、まるで心を入れ替えたかのように真面目に「とらや」の手伝いに精を出していました。「とらや」の面々は寅さんの姿に感心しつつも、これがいつまで続くのか心配していました。そして心配は見事的中するのです。ある日、奈々子が「とらや」にやって来たのです。寅さんは一気にスイッチが入ったかのように元通りのフーテンに戻り、奈々子に瞬時に一目惚れしたのです。奈々子は子供の頃から寅さんの事を知っており「お兄ちゃん」と呼んでいたのです。奈々子は開演に間に合わないと急いで立ち去り、寅さんも思わず仕事を放り出して浅草までついていってしまったのです。翌日、留吉が柴又にやって来て寅さんと再会します。寅さんはSKDのステージが見たいという留吉を浅草に連れて行きます。留吉は生まれて初めて見るレビューに圧倒されると、心配して手紙をよこしてくれた九州の母の元には帰らず、近所の食堂でアルバイトをしながら東京に滞在することにしました。
男はつらいよ 寅次郎わが道をゆくの結末
留吉は浅草で相変わらず踊り子をナンパしています。一方、「とらや」で思い出話に花を咲かせるさくらと奈々子。帰り際、奈々子はさくらに悩みを告白します。年齢的に体力の衰えを感じており、ダンサーを引退して結婚するか、だけど踊りもやめたくない、と。実は奈々子には10年間付き合っている劇場の照明係・隆(竜雷太)という恋人がいるのですが、奈々子はやはり踊りはやめたくないと本音を漏らし、彼に別れを告げます。寅さんは恋人の存在に落ち込みますが、別れたと聞くや急に元気を取り戻します。その夜、奈々子の家に招かれた寅さんは二人で酒を飲みます。寅さんは男のことは忘れて踊りを続けるべきだと優しく諭します。奈々子は寅さんに一晩中一緒に居てほしいとせがみます。外は雨が降っていました。すると、窓の外には雨に濡れながら立ち尽くす隆の姿が。奈々子はその姿に涙を流し、外に出ると二人は激しい雨の中で抱き合いキスをします。心に深い傷を負った寅さんは、奈々子の幸せを願いつつ「とらや」の面々に旅に出ると告げます。奈々子は座長に引退の意思を伝えます。引退公演の当日、さくらは奈々子に寅さんから預かった花束を渡します。出番が近づくにつれ、奈々子は引退への迷いが生じ苦悩するも仲間たちに励まされ、最後のステージで万感の思いを込めて「道」を絶唱します。客席の最後尾には寅さんの姿が。寅さんは彼女のラストステージを見届けると静かに旅立っていきました。留吉も程なく地元・九州に戻り、相も変わらず女に振られ続ける日々を送っています。偶然その場に立ち寄っていた寅さんは、留吉にお前は結婚に向いていないから諦めろと告げ、再びあてのない旅に出ていきました。
以上、映画「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する