花咲く港の紹介:1943年日本映画。一儲けを企んで、ある島に潜り込んだペテン師。しかし、同じ考えを起こしたペテン師がもう一人いました。現地ではち会わせてしまった二人は、協力してペテンをしようとしますが、いつしか島の人たちの善良さに感化されて、島の人たちを助けることになってしまいます。
監督:木下恵介 出演者:修三(小沢栄太郎)、留吉(上原謙)、おかの(東山千栄子)、ゆき(村瀬幸子)、ゆきの子(井上妙子)ほか
映画「花咲く港」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「花咲く港」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「花咲く港」解説
この解説記事には映画「花咲く港」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
花咲く港のネタバレあらすじ:起
舞台はとある小島。15年前、そこに造船所を建造しようとして人々から尊敬されていた先生がいました。ある日、その先生の遺児と名乗る男が二通の電報を寄越してきます。いずれも同じよう内容で、父の造船所を一目見てみたく、その小島を訪ねるということでした。島の人達は、なぜ二通も電報がきたのか、先生に妻があったものかと疑問に思いつつも、男を迎え入れる準備をしました。 遺児と名乗る一人の男・修三が港へ到着しました。島の人達の出迎えを受け、感極まるといった面持ちの男は感謝の言葉を述べつつ、用意された宿へと向かいます。宿へ到着し、島の人達と先生の話や身の上話などで盛り上がっていると、もう一人の男・留吉が宿へ訪ねてきます。なんとその男も先生の遺児だと言い張るのです。遺児が二人。しかも同じ名前を名乗るこの二人の男達に島の人が困惑していると、先着した男が様子を見に来ます。二人の遺児の対面です。先の男は大分焦りながらも、この男は私の弟だと言い、二通の電報の件もうまくごまかします。島の人は納得した様子で、二人を暖かく迎え入れるのでした。
花咲く港のネタバレあらすじ:承
実はこの二人は、どちらも遺児なんかではなくペテン師だったのです。しかも二人は顔見知りで、部屋で今後の口裏合わせと作戦会議を開くのでした。 二人は父の意志を継いで、建造途中の造船所を完成させたいという名目で島の人達に寄付を募り、寄付金と造船所の株の出資金を持ち逃げしようと企みました。島の人達にその造船所完成計画を告げると、みな喜んで協力してくれました。島の人達はとても良い人たちで、人を疑うことを知らず、亡き先生を慕い続け、島中総動員で動いてくれました。お金がある者もない者も出資してくれ、ついには二人が腰を抜かすような金額が集まってしまったのです。島の人たちのあまりの善良ぶりに、二人は逃げ出してしまおうと考えます。
花咲く港のネタバレあらすじ:転
そんなある日、二人が泊まる宿に一人の女性と小さな子供が訪れます。その女性は先生の本当の妻子なのでした。妻・おかのはどこにも頼るアテがなく、かつて夫が情熱を傾けた島にひっそりと戻ってきたのです。二人の男がペテン師だとは知らない宿の女将は、先生に後妻があったことに驚き、宿に止める代わりに、二人の男の名誉のため、後妻であることを公表しないようにと告げます。
花咲く港の結末
そんな折、太平洋戦争が勃発します。島の人たちは一念発起し、戦争に勝つためにはどうすればいいかを、我が身をなげうって考えます。早急に船を造る必要もありました。逃げ出すなら今しかありませんが、島の人たちの熱意を前に、二人はどうもその気になれません。 それに畳み掛けるように、本妻が宿に泊まっていること二人は知ります。夫の造船所を完成させたいと夢見る奥さんや、島の人々の情熱に感化された二人は、だんだん自分たちの行いが恥ずかしくなっていきます。そうして、必ず最後まで船を完成させ、その暁には自首をしようと誓うのでした。 ついに船が完成し、島の人たちみんなで、お祝いをしています。そこに二人の姿はありません。二人は造船所の完成と同時に自首をし、島を離れていたのでした。これから僕たちも出直すんだと心に誓って。
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