雷電の紹介:1959年日本映画。江戸時代の最強大関雷電(横綱が相撲の番付の最高位になったのは明治時代)。若き日の雷電を主人公とした二部作の前編。相撲取りとしての出世の志と、親孝行や一人の女への愛情とに引き裂かれる若き日の雷電。
監督:中川信夫 出演者:宇津井健(太郎吉=白根山)、北沢典子(おきん)、林幹(浦風)、江見俊太郎(本多中務大輔)、舟橋元(江戸嵐)、中村虎彦(一木左門太)
映画「雷電(1959年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「雷電(1959年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「雷電(1959年)」解説
この解説記事には映画「雷電(1959年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
雷電のネタバレあらすじ:浅間山噴火
庄屋の屋敷で住み込みで働きながら、江戸に出て関取になるべく相撲のけいこを積んでいる、水呑百姓の息子太郎吉のもつ手綱を、庄屋の馬、青が突然振り払い走り出した。青は浅間山の噴火を察知したのだった。上田から小諸に帰る途中で噴火と共に起こった地震により谷川に落ち、木に挟まり身動きの取れなくなった、おきんという娘を太郎吉は救い出す。村に帰ると太郎吉の親のぼろ屋は地震でさらに壊れていたが父も母無事だった。庄屋の家では青が既に帰っていた。その時、江戸で活躍する信州出身の浦風親方の一行が到着する。太郎吉は浦風部屋の江戸嵐とは旧知の仲だった。
雷電のネタバレあらすじ:太郎吉とおきん
相撲のけいこに励む太郎吉は、おきんが上田の女郎屋に売られたと江戸嵐から聞き、その女郎屋に行く。おきんに会えないまま女郎屋を出たが、やくざの沓掛の久八の手下に追われるおきんと出会い、手下を追い払う。おきんは太郎吉の女房になりたいと言う。そのころ天明の大飢饉によって百姓たちは苦しんでいた。上州から百姓一揆が家々を壊しながら信州に攻め上ってくる。千曲川を挟んで一揆勢と、庄屋を助ける浦風部屋の力士たちとが対峙する。しかし、一揆方に父親が強制されて参加しているのを知った太郎吉は戦いが始まる前に父親を引っ張って家に逃げ帰る。太郎吉は相撲の夢をあきらめて両親の元にいることを決意する。彼の相撲の才能に期待する庄屋の説得にも耳を貸さなかった太郎吉だが、江戸に奉公に出ることになったおきんに「江戸で日本一の関取になるのが本当の親孝行」と言われて翻意する。
雷電のネタバレあらすじ:関取をめざして
太郎吉が江戸に出て半年が経った。おきんは老中本多中務大輔の屋敷の腰元となっていた。おきんは本多に手籠めにされかけるが、信州で太郎吉親子と旧知の牢人、一木左門太に救われる。ある夜、太郎吉はこっそり本多屋敷におきんに会いに行くが曲者としてとらえられそうになる。窮地を救ったのはまたも一木左門太だった。だが、浦風親方に叱責され、太郎吉はいっぱしの関取になるまでおきんには会わないと誓う。
雷電の結末:逃亡する二人
浦風部屋の部屋頭関ノ戸が本多のお抱え力士となり錣山部屋へ移籍する。だが、浦風・錣山両部屋の和解のための宴席で浦風を侮辱した本多の家臣を太郎吉は川に投げ込んでしまう。本多に疎まれている浦風部屋からは弟子たちが次々と去り、けいこ相手が不足する太郎吉は親方によって谷風部屋に預けられ、さらに激しいけいこを積むことになる。本多の屋敷でおきんはいよいよ殿様の囲い者にされるところだったが、一木左門太の助けによって逃げ出す。おきんは偶然谷風部屋の前に来て、しこを踏んでいる太郎吉をみつける。太郎吉はおきんへの気持ちを抑えられずおきんといっしょに逃亡する。だが、本多の手の者たちが迫ってくる。親方の元にも信州にも帰れないと言う太郎吉。おきんは太郎吉にいっしょに死のうと言う。(「続雷電」に続く)
この映画の感想を投稿する