永遠のジャンゴの紹介:2017年フランス映画。のちの音楽に多大な影響を与えたジャズギターの革命者ジャンゴ・ラインハルト。ナチスドイツによるパリ占領下、彼の一生の中でも目まぐるしく過ぎた二年間を、音楽と共におくる。
監督:エチエンヌ・コマール 出演:レダ・カテブ(ジャンゴ・ラインハルト)、セシル・ドゥ・フランス(ルイーズ・ドゥ・クラーク)、ベアタ・パーリャ(ナギーヌ・ラインハルト)、ビンバム・メルシュタイン(ネゴロス・ラインハルト)、ガブリエル・ミレテ(ラ・プリュム)、ジョニー・モントレイユ(ジョセフ・ラインハルト)、ほか
映画「永遠のジャンゴ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「永遠のジャンゴ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
永遠のジャンゴの予告編 動画
映画「永遠のジャンゴ」解説
この解説記事には映画「永遠のジャンゴ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
永遠のジャンゴのネタバレあらすじ:起・占領下のパリで
二次大戦中、ナチスによってジプシーもまた迫害を受けていた。そんなナチスス占領下のパリで、ジャンゴはジャズのギタリストとして活躍していた。劇場に見に来る者は娯楽を求めるドイツの軍人たち。コンサートは盛況で、彼の音楽に乗ってダンス禁止のホール内で踊り出す者も多数いた。彼らを取り仕切る軍人はジャズの中でも他民族を思わせるブルースやスウィング等を控えるように通達。それと同じくして、ベルリンでのコンサートが要請された。 彼の愛人でもあり、モンパルナスの情報通でもあるルイーズは、このままベルリンへ行けばジプシーの彼はそのまま強制労働に行かされるのではと心配し偽造の身分証明書を彼の家族分用意し、ジャンゴの妻に渡し、これでレマン湖のほとりのスイス国境の村まで行くように言った。 ジャンゴはアルデンヌで同じジプシーの一家がドイツ兵によって殺された事や、パリにいる同胞に強制労働の通達が来た事、そして自分自身も警察で写真を撮られ記録を取られたことから、このままベルリンでのコンサートへ行くのは危険だと判断した。
永遠のジャンゴのネタバレあらすじ:承・逃走劇の始まり
ジャンゴはルイーズからもらった身分証明書を持って、ナイチンゲールと言う仲介者のいる村へ身重の妻と母を連れて行った。しかし、対岸のスイスへ渡るにはまだ危険だと、空き家を借り村に留まることを余儀なくされた。その村の湖畔で、同じくジプシーのキャンプを訪れ、この村ではドイツ軍がスイスへ逃亡する者を見張り、フランス警察もまた同じく厳しいと言う事を知った。ジプシーは商売を禁じられ、唯一稼ぎ口になるのは酒場での演奏だけだった。そこでジャンゴは母を連れて村の酒場へ出演交渉をしに行った。始めは難色を示した店主も彼らの音楽を聴くと、承諾しユダヤ人ではないと言う書面にサインを求めた。 ベルリンでのコンサートを蹴って逃亡している身のジャンゴは、演奏するジプシー仲間の後ろで帽子を目深にかぶりギターを弾いていたがそのうち前に出て演奏するようになった。 村はドイツ軍が占拠し、家を追い出されたジャンゴと家族はジプシーのキャンプに世話になることにした。なかなかスイスへ行けず焦れていると、パリで一斉検挙があり、ルイーズが行方不明になっていると言う事を知った。 音楽を大っぴらに引くことのできなくなった彼に、村の神父は作曲用にと聖堂のパイプオルガンを彼に貸した。
永遠のジャンゴのネタバレあらすじ:転・ルイーズとの再会
ある夜酒場で演奏していると喧嘩が始まった。それを止めずに演奏をしていると、扇動したという角で逮捕された。これから行われるだろう尋問を待っていると、身元引受人としてルイーズがやって来た。彼女はドイツ軍の上層部に取り入り、来賓を招く重要な晩餐会での演奏を彼に頼むことを条件に釈放させた。程なくしてメンバーとしてパリのバンド仲間がやって来た。その中にいた兄弟に彼は自分が作曲している曲を書きとらせた。 ナイチンゲールたちに、晩餐会の最中に傷を負って山越えできないイギリス兵をスイスへ湖経由で逃す、音楽で見張を手薄にさせてくれるように頼まれた。しかしこの村で足止めされているうちに強制労働所の恐ろしさを聞かされていたジャンゴは怒り、交換条件として自分たちとキャンプの安全を保障するように言った。しかし帰って来たのはジャンゴの家族の身の安全のみだった。彼らはキャンプからレジスタンスで活動できる若い男性を連れて行った。
永遠のジャンゴの結末:最後のチャンス
作戦決行の日、ジャンゴたちはうまく演奏に彼らを乗せ、来賓を踊らせ、見張りの兵士たちは音楽を聴きに館の方へ見物にやって来た。エスコートされてきていたルイーズもまた、ジャンゴたちの音楽監視担当兵を誘い踊った。おかげで負傷兵は湖を越えた。しかしそこへ、レジスタンスが線路を爆破したと言う報告が飛び込んで来た。晩餐会はお開きになり、スパイを疑われたルイーズは捕らえられ、ジプシーのキャンプは焼き払われた。ジャンゴとその家族はナイチンゲールたちに先導され、山側からスイスを目指した。しかし山に入った所で、身重の妻と、年老いた母親は体力が尽きてしまい、彼らの小屋に匿われ、ジャンゴだけがスイスへ行くことになった。そして最後の森でドイツの偵察隊の気配を察知したジャンゴは案内人と別れ、ギターを折るほど雪を掘りその中でやり過ごし森を抜けた。1945年、戦争が終わり、ジャンゴの作曲していたレクイエムが教会で演奏されたそこには母と妻そして赤ん坊が同席していた。
以上、映画 永遠のジャンゴのあらすじと結末でした。
永遠のジャンゴのレビュー・考察:支柱としての音楽
ジャンゴのいる場所には常に音楽がある。音楽は生きる事そのもので、彼は最後まで生き延びることを諦めなかった。しかし同時に迫害を受けたジプシーの事も忘れてはいない、教会のオルガンを借りる時、彼は神を信じていない旨を話している。最後のシーンを見ると、彼がレクイエムを作ったのは死者のためではなく、残された者のためのようにも見える。
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