Mommy/マミーの紹介:2014年カナダ映画。息子を施設から引き取り一緒に暮らすことになったダイアン。そこに家庭教師役のカイラも加わり、息子は未来へ希望を持ち始めたのだが…。
監督:グザヴィエ・ドラン 出演:アンヌ・ドルヴァル(ダイアン・デュプレ / ダイ)、スザンヌ・クレマン(カイラ)、アントワーヌ・オリヴィエ・ピロン(スティーヴ・デュプレ)、パトリック・ユアール、アレクサンドル・ゴイエット、グザヴィエ・ドラン、ほか
映画「Mommy マミー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「Mommy マミー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
Mommyマミーの予告編 動画
映画「Mommy マミー」解説
この解説記事には映画「Mommy マミー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
Mommyマミーのネタバレあらすじ:起・行動障害の息子
カナダで、障害を負った子供の親が身体的又は精神的な健康を害した場合、法的手続きなしで入院させることが可能という法律が成立する。これが、とある母子の運命を変えることになる。
ダイアン(アンヌ・ドルヴァル)は、行動障害の息子スティーヴ(アントワーヌ・オリヴィエ・ピロン)を施設に預けていた。しかし、彼は食堂で放火騒ぎを起こし、けが人のうちの一人は今も重体、スティーブは施設を出て母親の下で暮らすことになった。
ダイアンはスティーヴに、一緒に住みたいなら協力するように念押しをした。しかし、ダンスや音楽の好きなスティーヴは、夜もラジオを大音量にして踊った。向かいに住むカイラ(スザンヌ・クレマン)は、その様子を気にかけていた。学業を中途でやめてしまったダイアンは、スティーヴに学校を出てもらうため、友人のマルテに電話をして仕事の斡旋を頼んだ。
ある日、スティーブが「Mammy」と書かれた飾りのついたネックレスをプレゼントすると、盗んできたと勘違いしたダイアンは怒ってしまうが、それはきちんと彼が買ったものだった。
Mommyマミーのネタバレあらすじ:承・お向かいのカイラ
向かいに住むカイラは、スティーブの様子を見て病院へ連れていく事を提案するが、ダイアンは病院はだめだと言った。それ以上騒ぎにしなかった彼女にワインを贈り、自宅に招いて食事会をした。カイラがうまく喋れない障害で休暇を取っている中高の教員で、夫の仕事の関係でこの町に来ていた事を知り、ダイアンはスティーヴがADHD(多動性症候群)であることを明かした。
ダイアンはカイラに、スティーヴの勉強を見てくれるよう頼んだ。そして彼らが勉強している間は友人マルテの元に行き、翻訳の仕事を貰って来た。ある夜、ダイアンが帰宅する頃、二人はテラスに隠れ、化学と数学が終わったお祝いと称してサプライズパーティーを開いた。その夜、ダイアンはカイラに、借金を残した発明家の夫が亡くなった頃にスティーヴにADHDが発病したことを話した。
Mommyマミーのネタバレあらすじ:転・スティーヴの夢と現実
勉強が楽しくなったスティーヴはカイラに、「これからも続けてくれるのか?、今年の終わりには大学の試験を受けてジュリアードに行きたい」と語った。
勉強が順調に終わっていき、三人で料理を作っていると、訴状が届いた。それはスティーヴが施設の食堂に放火した時に重体になったケヴィンのための、高額の慰謝料と医療費の請求だった。ダイアンはかねてから自分にアピールしてきていた近所に住む弁護士ポールに頼もうと、めかし込んでスティーヴを連れてハンバーガーショップへ行き、スティーヴの事を頼んだ。
場所を変えてクラブに入ると、スティーヴをよそにポールは「事務所に来るだけでなく、週末に別荘に来ないか」とダイアンを誘った。二人の距離が気に入らないスティーヴは、店の歌手とデュエットをするが、客には不評で茶化された挙句、騒ぎを起こしてしまう。
スティーヴを連れ出したが、ポールとスティーヴが口論になり、スティーヴを叩いてしまう。するとダイアンもポールを叩いた。ポールは「裁判で負ければいい」と捨て台詞を残して去った。
ダイアンは、「いつも尻ぬぐいばかりの母親業を休みたい」と叫んだ。そんな彼女に「いつかママが愛さなくなる日が来るのはわかっている、それでも自分はママの味方、世界で一番大切だから」とスティーヴは言った。そんなスティーヴは、カイラとダイアンとホームセンターへ行った時、カッターで手首を切り救急搬送された。
Mommyマミーの結末:ダイアンの決めた事
勉強をしていたある日、ダイアンは中古の車を買った。そして、カイラとスティーヴを乗せた。ダイアンは「息子の愛は他へ向かう」とスティーヴに語り、運転をしながら、スティーヴが学校を卒業し、大学の合格通知を受け、彼の家族を持つ、そんな幻想を抱いた。
そしてある建物の近くで、トイレに行ってくると言って車を止めた。そこでダイアンは、スティーヴの強制入院の手続きをした。そして暴れるスティーヴはそのまま病院へ連れていかれた。
その後、拘束着を着せられたスティーヴが、ダイアンの携帯電話に掛けて感謝の言葉を語っても留守番電話だった。彼はカイラへの感謝も忘れていなかった。夫の仕事の都合でトロントへ急きょ引越す事になったカイラが知らせに来ると、ダイアンは「スティーヴを入院させたのは希望を抱いていたからだ」と話したが、カイラが去ると、泣きそうになるのを堪えた。そしてスティーヴは、拘束着を交換する時に解かれた瞬間、窓に向かって走り出すのだった。
以上、映画「Mommy/マミー」のあらすじと結末でした。
Mommyマミーのレビュー・考察:母の愛
ダイアンは入院させたことは希望を抱いていたからだと語る。その希望とは何か、病院までの道でそれが、学業を修め、恋人を結婚し、子供を持つ、ごく「一般的」と言われる人の人生だというのがわかる。それすら得られるかわからない希望の中にくくられている。障害があることは誰の罪でもない。しかし、それによって母親が息子に注ぐ無償の愛が歪んでしまう事すらある。ダイアンはもちろんスティーヴを愛している。彼が危害を加えられると烈火の如く怒る。ダイアンの中の母親らしい一面に他ならない。
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