黄色いからすの紹介:1957年日本映画。「マダムと女房」「煙突の見える場所」で知られる名匠・五所平之助がきめ細やかな心理描写の冴えを見せたホームドラマの佳作。アメリカのゴールデングローブ賞では外国語映画賞を受賞。芥川賞作家の由起しげ子が台詞を担当している。
監督:五所平之助 出演:淡島千景(吉田マチ子)、伊藤雄之助(吉田一郎)、設楽幸嗣(吉田清)、田中絹代(松本雪子)、安村まさ子(松本春子)、久我美子(芦原靖子)
映画「黄色いからす」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「黄色いからす」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「黄色いからす」解説
この解説記事には映画「黄色いからす」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
黄色いからすのネタバレあらすじ:起
戦争が終わって十年。吉田マチ子は一人息子の清と鎌倉で細々と暮らしています。生活費は、隣にある博古堂からの下請け仕事で何とか賄っていました。博古堂は松本雪子という気丈な女主人がひとりで切り盛りしている鎌倉彫の工房。雪子にはちょうど清と同じくらいの年齢の養女・春子がいたため、彼女たちは家族ぐるみの付き合いでした。やがて、大陸からの船が日本に着き、引揚者が久しぶりに故国に降り立ちます。
黄色いからすのネタバレあらすじ:承
その中にはマチ子の夫・一郎もいました。涙を流して再会を喜ぶ二人。しかし別れた時は赤ちゃんだった清にとって、父親は赤の他人も同様です。母親と二人切りの生活に突然割り込んできた一郎は、彼にとって平穏な家庭を乱す闖入者でした。一郎の方もいきなり小学生の父親という境遇となり、ぎこちなさは隠せません。しかも職場である商事会社に復帰してみると、はるか前に復員してきた後輩が課長になっていて、何かと仕事にケチをつけてきます。怒りが鬱積する上、新しい環境に適応するのに精一杯で、清に構う余裕はなかったのです。
黄色いからすのネタバレあらすじ:転
母親に言われるまま、清は自分から一郎になつこうと努力しますが、気持ちはすれ違うばかり。ペットとして飼っていたネズミや小鳥なども処分するように命令され、すっかり性格がいじけてしまいます。学校の授業で黒と黄色しか使わない絵を描いたことで担任の先生が心配し、家庭を訪問。絵を見せられてマチ子と一郎は一旦反省するのですが、清と父親の距離は中々縮まりません。ケガをしていたので世話していたカラスまで取り上げられ、清は家出を決意。書き置きをしたまま行方知れずになります。
黄色いからすの結末
一郎とマチ子は近所の人たちに協力してもらって清を探し回りますが、その日は折悪しく台風が上陸し、捜索は捗りません。清の方では遠くに行こうと思っていたのにお金がなくて断念。空腹に耐えかねて博古堂に勝手に上がり込み、冷蔵庫の食べ物を食べて寝入ってしまいます。雪子から呼ばれて博古堂に駆けつけたマチ子は清の寝姿を見て深く反省。一郎も清の気持ちを汲み取り、ちゃんとした親子関係を築こうと改めて決心するのです。
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