グランド・ホテルの紹介:1932年アメリカ映画。ヴィッキイ・バウムの小説『ホテルの人びと』を原作に、主役級スターを5人出演させると共にひとつの舞台で様々なストーリーを同時進行で描く「グランド・ホテル形式」と言われる当時としては斬新な手法がセンセーショナルとなった群像劇です。ベルリンの超一流ホテルを舞台に、5人の男女のそれぞれのストーリーが同時進行で描かれます。
監督:エドマンド・グールディング 出演者:ジョン・バリモア(ガイゲルン男爵)、グレタ・ガルボ(グルシンスカヤ)、ジョン・クロフォード(フレムヒェン)、ライオネル・バリモア(クリンゲライン)、ウォーレス・ビアリー(プライジング)ほか
映画「グランド・ホテル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グランド・ホテル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「グランド・ホテル」解説
この解説記事には映画「グランド・ホテル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グランドホテルのネタバレあらすじ:起
ドイツ・ベルリンが誇る超一流ホテルの『グランド・ホテル』。この日も多くの人々で賑わっているこのホテルには、訳ありの男女5名が宿泊していました。倒産の危機にある繊維会社の社長プライジング(ウォーレス・ビアリー)は生き残りをかけてイギリスの会社との合併交渉に臨もうとしており、準備のために速記者のフレムヒェン(ジョン・クロフォード)を呼び寄せました。プライジングの会社で経理の仕事をしていたクリンゲライン(ライオネル・バリモア)は医者から余命宣告を受けたのを機に、残り人生の思い出作りにと全財産をはたいてこのホテルの最高級ルームを用意してもらいました。ベルリン公演を控えるロシアの著名バレエ団のプリマドンナ、グルシンスカヤ(グレタ・ガルボ)は、自分が今や落ち目であることを自覚して気力を失くし、リハーサルを休むなど情緒不安定に陥っていました。賭博で多額の借金を抱えたカイゲルン男爵(ジョン・バリモア)はバレエ団の団長に近づき、グルシンスカヤの持つ真珠を盗もうと機を伺っていました。
グランドホテルのネタバレあらすじ:承
カイゲルン男爵はクリンゲラインに声をかけられ、気さくに話をする一方、フレムヒェンを口説いて食事の約束をしました。そして男爵は、グルシンスカヤがマネージャーにおだてられて劇場へ出発するのを見届けると、彼女の部屋に侵入して真珠を盗み出しました。ところがそこにグルシンスカヤが戻って来たために男爵は急いでカーテンの陰に身を隠しました。どころが、公演の出来の散々さに絶望したグルシンスカヤは自殺を図ろうとしたため、男爵は慌てて彼女を制しました。彼女の美しさに一目惚れした男爵は「あなたを愛してしまったため追ってきたのです」と弁解して彼女を必死で慰めました。グルシンスカヤと一夜を共にした男爵は、自らの正体が泥棒であることを明かして真珠を返し、グルシンスカヤはショックを受けながらも「本気で愛している」という男爵の言葉を信じることにしました。男爵に励まされてすっかり立ち直ったグルシンスカヤは一緒に次の公演地・ウィーンへ行く約束をしました。
グランドホテルのネタバレあらすじ:転
プライジングの会社の合併話は決裂、ホテルには取引先の会社が訪れて進捗状況を聞き出そうと迫り、フレムヒェンと待ち合わせしていたカイゲルン男爵は彼女とクリンゲラインを引き合わせますが、そこにプライジングが無理やり割って入り、邪魔されたクリンゲラインは初めて社長であるプライジングに反抗しました。イギリスとの会社の交渉に出向くというプライジングはフレムヒェンを秘書として同行するよう頼み、自分の体目当てとわかっていたフレムヒェンは高額な報酬を提示されてこの話を受け入れました。一方、真珠の窃盗に失敗した男爵は、今日中に借金を返さないと命はないと脅されていたことから金の調達に頭を悩ませ、一発逆転をかけて大ギャンブルに挑むも逆に無一文となってしまいました。
グランドホテルの結末
追い詰められたカイゲルン男爵は、プライジングから金を奪おうと部屋に侵入しました。そこではプライジングがフレムヒェンを呼び寄せ、辛い胸の内を打ち明けようとしていたところでした。不審な物音に気付いたプライジングは男爵を見つけ、揉み合った末に男爵を殺害してしまいました。プライジングはフレムヒェンとクリンゲラインに事件の隠蔽工作を命じましたが、クリンゲラインはそれに応じず警察を呼び、プライジングは逮捕されました。グルシンスカヤのマネージャーは男爵の死を彼女に伏せておくと決め、何も知らないグルシンスカヤは浮かれ気分で駅に向かっていきました。部屋の電話を鳴らし続けるが、部屋には男爵のペットの犬しかいなかった。クリンゲラインは男爵の死を嘆くフレムヒェンを励まし、その心の優しさに惹かれたフレムヒェンはクリンゲラインとパリで新たな人生をスタートしようと決意して二人で旅立っていきました。グランド・ホテルは何事もなかったかのようにいつもと同じ賑わいを見せていました。
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