映画「シチリア！シチリア！」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シチリア！シチリア！の紹介：2009年イタリア,フランス映画。1930年代イタリア。シチリアの田舎町に生まれたペッピーノは、貧しいながらも温かい家族と街の人々に見守られて生き生きと少年時代を送っていた。第二次世界大戦が始まり暗い時代の中でも、豊かな心を持ち成長していく。やがて青年になったペッピーノは政治に目覚め、共産党員として活動に参加。美しいマンニーナという女性と恋に落ち結ばれるものの、稼げる場所を求め家を留守にしがちになりすれ違いも多くなる。その時その時の困難に揺れながら精一杯生きたペッピーノの物語。原題バーリアはシチリアの田舎町バゲリアが訛った言葉でこの作品の舞台にもなっている。
監督：ジュゼッペ・トルナトーレ 出演：フランチェスコ・シャンナ（ペッピーノ）、マルガレット・マデ（マンニーナ）、ニコール・グリマウド（サリーナ/娘時代）、アンヘラ・モリーナ（サリーナ）ほか
この解説記事には映画「シチリア！シチリア！」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
道端で友達とコマ遊びをしているピエトロという男の子。向かいでカード遊びをしている大人たちに呼ばれます。地面に吐いた唾が乾くまでに煙草を買ってくることかできたら20リラをやると言われ走り出したピエトロでした。一方、小学校ではペッピーノが教科書を持っていないことを咎められ女性教師から叩かれます。罰として教室の隅へ追いやられてしまいました。街の人々の娯楽として賑わう映画館。前方には朗読家が無声映画の台詞を読み上げています。ほとんどの人が字を読むことができません。その中で朗読家に続き小声で台詞を読んでいたのはペッピーノの父チッコでした。チッコは文字を読める知性があり、また歯だけで重りを持ち上げる怪力の持ち主でもありました。農園の収穫期、ペッピーノと兄ニーノは収穫の仕事をします。不真面目な2人はサボり、収穫をごまかしたペッピーノは元締めにバレてしまい体罰を受けます。
ペッピーノは父親チッコに連れられ劇場に来ました。歌いながら時折、壁に掛けられたムッソリーニの写真をバカにするようなそぶりを見せる歌手。ほどなく歌手は軍人によって連行されてしまいます。劇場からの帰り道、ペッピーノは父親になぜ彼は捕まったのかを聞きましたが、答えることはしませんでした。ある日、 ペッピーノはチーズ3つと引き換えに、羊飼いの元へ預けらます。そこで羊飼いから3つの岩の伝説を聞きました。1つの投石で3つの岩全てに当てることが出来れば黄金が眠る洞窟の扉が開くという話。ペッピーノは真意を確かめるために試してみますが、なかなか上手くいきませんでした。また別の日、乳牛を引き連れ牛乳売りをしているとある画家よりモデルとしてスカウトを受けます。教会のフレスコ画にペッピーノの顔が加わえられます。様々な人と関わり合いながら生き生き育っていくペッピーノでした。
青年になったペッピーノ。そして長い戦争も終わりました。住民たちは国が所有していた建物から次々と金品を強奪し”貧民の宴”をします。ペッピーノはこの頃から周りの影響により共産党に入党します。ある日、いつもの通り牛を連れ牛乳売りをしていると、通りがかったマンニーナという美しい女性に一目惚れをします。ペッピーノは舞踏会で勇気を出してマンニーナをダンスに誘いました。これを機にみるみる惹かれ合う2人。ところが共産党員のペッピーノと一緒になることを周りは反対します。マンニーナの両親は勝手に金持ちの息子との結婚を取り付けてしまいました。しかし2人の愛は負けませんでした。ペッピーノはマンニーナの家に2人で立てこもり、対抗します。ついにマンニーナの母サリーナも折れ、ペッピーノを認めていきます。早速結婚式を挙げ、幸せに新婚生活を送るはずでした。ところが、最初の子を流産で失ってしまいます。2人は悲しみに暮れましたが、それから数年後2人の息子と、1人の娘を設けます。やっとペッピーノの家族に幸せが戻りました。
党の仕事に入れ込み、せわしなく働くペッピーノは次第に家を空けることが増えていきます。自宅へ帰れば、将来は議員になるとか、国をもっと良くするなど夢物語を聞かせるのですが、マンニーナの本心では、例え稼ぎがなくても家族の元にいてほしい思いでした。それでも夫を信じ待ち続けるのでした。ところが残念ながら、ペッピーノの訴えも虚しくイタリアは変わらず時だけが進みます。そこでペッピーノはついに国会議員へ立候補することにしました。ただ、かつては演説をすれば広場を埋め尽くすほど支持されていた共産党ももはやその信頼もなく、仲間にも裏切られたりなど、ペッピーノの選挙も苦戦を強いられました。結果は敗戦。目標に届かなかっただけでなくこれ以上先へは進むことができなくなってしまいました。しかし、ペッピーノの子供達はしっかりと人生を歩み始めます。ペッピーノは子供の頃、羊飼いに聞いた伝説を思い出し、3つの岩へ石を投げます。全ての岩に勢い良く当たり、喜ぶペッピーノ。ふと気づくと、教室の隅で目を覚ましました。少年ペッピーノは長い夢を見ていました。急ぎ足で誰もいなくなった学校を後にして街に出ると、そこにはあるはずのない車が走っています。事態を飲み込めないでいると、全速力で走る男の子とすれ違いました。ピエトロです。ピエトロが向かった先には頼んだ煙草を待っていた大人たちがいたのでした。
以上、シチリア！シチリア！のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する