15時17分、パリ行きの紹介:2018年アメリカ映画。アメリカ人のアンソニー、スペンサー、アレクは幼なじみです。それぞれの道を歩んでいた3人は数年ぶりに再会を果たしてヨーロッパ旅行をすることになります。そして運命の15時17分のパリ行きの列車に乗ります。列車襲撃テロに勇敢に立ち向かう普通の若者たち3人の姿を描いた実話を基にした映画です。
監督:クリント・イーストウッド 出演: アンソニー・サドラー(アンソニー)、アレク・スカラトス(アレク)、スペンサー・ストーン(スペンサー)、ジェナ・フィッシャー(ハイディ)、ジュディ・グリア(ジョイス)、レイ・コラサーニ(アイユーブ)、トーマス・レノン(マイケル・エイカース校長)、ほか
映画「15時17分、パリ行き」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「15時17分、パリ行き」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
15時17分、パリ行きの予告編 動画
映画「15時17分、パリ行き」解説
この解説記事には映画「15時17分、パリ行き」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
15時17分、パリ行きのネタバレあらすじ:起
2015年の8月21日、オランダの首都アムステルダム。アメリカ人の青年アンソニー、スペンサー、アレクの3人の若者たちは次の旅行先であるフランスの首都パリ行きの列車に乗ります。3人はカリフォルニア州で生まれ育った幼なじみで、この日は数年ぶりに顔を合わせたのです。列車は15時17分にアムステルダムを出発したのです。そしてひとりの男がブリュッセル南駅でアンソニーたち3人が乗っている列車に乗るのでした。
15時17分、パリ行きのネタバレあらすじ:承
2005年のカリフォルニア州サクラメント。ジョイスとハイディのシングルマザー2人は学校に呼び出されます。教師の言葉によると、スペンサーとアレクは注意欠陥傷害のために授業に集中できないでいると。さらに統計によると、問題を起こす親の多くは片親であるというので。その言葉に怒りを覚えたジョイスとハイディはもうすぐ中学生になる息子を私立の学校に通わせることに決めるのです。ジョイスとハイディは家が隣同士であり、夫とも離婚をしていました。同じ歳の息子スペンサーとアレクも幼い頃からの親友同士でした。スペンサーとアレクはキリスト教系の学校に編入させますが、公立学校で自由に慣れていた2人には息がつまるものでした。「教師に口答えをした」、「ベルが鳴っても教室に入っていない」と何かにつけては校長室へ呼び出されてはお説教を食らう毎日でした。そんなスペンサーとアレクは公立学校からの編入生であるアンソニーと友達になるのでした。スペンサーはアンソニーに誘われていたずらを加速させていきます。敬虔なキリスト教徒である母に厳しくしかられたスペンサーは「僕を平和の道具にしてください。憎しみには愛をもたらし、諍いには赦しを、闇のあるところには光を」と祈るのでした。
15時17分、パリ行きのネタバレあらすじ:転
仲の良いアンソニー、スペンサー、アレクの3人に別れの時がやって来ます。アンソニーは「プロムに出たい」という理由から公立校への転向を決めます。アレクは学校側が父親と暮らすように手を回して、オレゴンへ行くことになったのです。数年が経ち、アンソニーは大学生活を満喫して、アレクは小さい頃からの夢であった軍人となっていましたが、スペンサーは将来のあてもないままスムージーショップで働く毎日を送っていました。募兵センターの前にスペンサーが働くショップがあることから、毎日多くの軍人と接していたのです。海兵隊員から人命救助を行うパラレスキュー隊の話を聞いて突然、空軍への入隊を決めます。たるんだ体を鍛え直して入隊テストに合格するものの、奥行知覚検査で引っかかり、パラレスキュー隊入りは断念します。戦場での対処法を教える生存回避抵抗脱出(SERE)の指導教官を目指しますが、落第。めげずに救命処置を学び、柔術でも力を発揮していくのです。
15時17分、パリ行きの結末
スペンサーはアフガニスタンに赴任していたアンソニーとアレクにヨーロッパ旅行の話を持ちかけます。スペンサーとアンソニーはローマで合流し、軍人だった祖父の足跡を巡る旅をドイツでしていたアレクも後に合流します。アムステルダムで大騒ぎをしたアンソニー、スペンサー、アレクの3人はパリ行きを決めます。
15時17分にアムステルダムを出発した列車に乗った3人はしばらくして一等車に移動するのでした。17時50分ごろ、事件が発生します。アイユーブと呼ばれるテロリストが銃を奪われながらも、ピストルでマーク・ムーガリアンに発砲したのです。車内がパニックになる中、スペンサーが銃を持ったアイユーブに走って向かいます。アレクも加わり、アイユーブから武器を取り上げます。すかさずアンソニーが乗客のクリストファー・ノーマンとアイユーブを後ろ手に縛りあげます。事件後、アンソニー、スペンサー、アレクはフランス大統領とアメリカ大統領から勲章を贈られたのです。
以上、映画『15時17分、パリ行き』のあらすじと結末でした。
列車テロを旅行中の軍人たちが制圧するという、実際に起こった事件を下敷きにしています。それだけなら別にどうということもないですが、この映画はなんと本当にテロリストを制圧した三人のアメリカ人が本人役で出演するのです。
話は三人の少年時代から始まります。脳にわずかに障害があるというので問題ばかり起こしているスペンサーとアレク、そして逆にやたらと頭が切れていたずらばかりしている転校生のアンソニー。三人は親友です。
三人は大きくなり、アンソニーは大学生、アレクは州兵としてアフガンへ。スペンサーは取り残される形でアルバイトをしていましたが、一念発起して空軍に志願。希望の職種には就けなかったものの、めげずに救命や柔術の訓練に励むのでした。
三人はヨーロッパ旅行を思い立ち、それぞれ休みを取ってローマで落ち合い、ヨーロッパ旅行をエンジョイ。パリへ行くかどうかで少しもめますが、パリ行きを決断し、乗り込んだ列車でテロに出くわすのです。
このシーンが映画の肝です。ひたすらに生々しい戦闘が繰り広げられます。素人目にももっと確実な方法があっただろうと思う微妙な手際の悪さがかえってリアルさを強調します。
一番鈍くさかったスペンサーが、テロリストをナイフで切りつけられながら柔術で押さえつけ、乗り合わせた医師と負傷者の救助に当たりと大活躍を見せるのも泣かせます。実際一人だけ余計に勲章をもらったようです。
素人が主演とは思えない仕上がりになっています。監督はクリント・イーストウッド。正直期待せずに観たのですが、掘り出し物でした。