大統領の陰謀の紹介:1976年アメリカ映画。1972年のアメリカ大統領選に端を発した歴史的汚職事件“ウォーターゲート事件”を追うワシントン・ポストの二人のジャーナリストの手記『大統領の陰謀 ニクソンを追いつめた300日』を基に制作された実録ドラマで、アカデミー賞で4部門を獲得しています。
監督:アラン・J・パクラ 出演者:ダスティン・ホフマン(カール・バーンスタイン)、ロバート・レッドフォード(ボブ・ウッドワード)、ジャック・ウォーデン(ハリー・M・ローゼンフェルド)、マーティン・バルサム(ハワード・シモンズ)、ジェイソン・ロバーズ(ベン・ブラッドリー)ほか
映画「大統領の陰謀」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大統領の陰謀」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「大統領の陰謀」解説
この解説記事には映画「大統領の陰謀」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大統領の陰謀のネタバレあらすじ:起
アメリカ大統領選を間近に控えた1972年6月17日、ワシントンD.C.のウォーターゲート・オフィス・ビルにある当時野党だった民主党全国委員会本部に5人組の男が侵入、不穏な動きに気付いた警備員の通報により男たちは全員不法侵入罪で現行犯逮捕されました。まだ入社して9ヶ月のワシントン・ポスト紙の新米記者ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は社会部長のハワード・ローゼンフェルド(ジャック・ウォーデン)に呼ばれ、事件の法廷取材を命じられました。当初は窃盗目的とみられた侵入事件でしたが、容疑者たちは金に困っている様子はなかったうえに所持品の中から無線機やカメラなどが押収されたこと、容疑者の弁護人として当時の与党である共和党に近い弁護士が就いたこと、容疑者の住所録からホワイトハウス特別顧問のチャールズ・コルソンと元CIAのエヴェレット・ハワード・ハントの名が浮上、そして容疑者のひとりジェームズ・W・マッコード・ジュニア(リチャード・ハード)が元CIAの警備員だったことから、ウッドワードはより踏み込んだ取材が必要だと感じ取っていました。
大統領の陰謀のネタバレあらすじ:承
一方、同じワシントン・ポスト紙のベテラン記者カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)もこの事件に興味を示し、ウッドワードと組んで一緒に取材に取り組むことになりました。二人の熱意を買ったローゼンフェルドは編集局長のハワード・シモンズ(マーティン・バルサム)や編集主幹のベン・ブラッドリー(ジェイソン・ロバーズ)に掛け合い、ウォーターゲート・ビルで働く人々などから証言を得ようと片っ端から電話をかけ、官邸図書館や国立図書館などから関係人物に関する資料を得ようとしましたが、政府機関は事件への関与を完全否定するどころか火消しに奔走、取材は暗礁に乗り上げてきました。そんなある時、ウッドワードに近い謎の情報提供者“ディープ・スロート”(ハル・ホルブルック)から不自然な金の流れを追うようアドバイスがあり、2期目を目指す現職のリチャード・ニクソン大統領の再選委員会の選挙資金の不自然な点を見出しました。
大統領の陰謀のネタバレあらすじ:転
ほとんどの関係者が固く口を閉ざすなか、ウッドワードとバーンスタインはごくわずかな情報提供者から取材を進めるうちに、国家をも揺るがす壮大な陰謀の確信に迫っていきました。事件の黒幕は大統領首席補佐官ホールドマンであり、大統領秘書チェーピンや大統領報道官ジーグラーらと共謀して民主党の対立候補を潰そうと画策、侵入者に盗聴器を仕掛けさせて情報を盗もうとしていたのです。全ての裏付け取材が終わり、ブラッドリーからゴーサインをもらったウッドワードとバーンスタインは遂に記事の報道に踏み切りました。しかし、世間一般の事件への関心は予想以上に薄く、他のマスコミは一切のだんまりを決め込み、ホワイトハウスはワシントン・ポスト紙を名指しで非難、更には証言者が前言を翻すなどウッドワードとバーンスタインは一転して窮地に追い込まれていきました。
大統領の陰謀の結末
ニクソン政権がCIAやFBIなどを駆使してウッドワードとバーンスタイン、ワシントン・ポスト紙の同僚たちを監視下に置いているとディープ・スロートから警告を受けた二人はブラッドリーに報告、ブラッドリーは、合衆国憲法修正第1条で保証されている“報道の自由”を守るために徹底的に戦うと宣言しました。しかし、翌1973年にニクソンは選挙に勝利して再選を果たしました。就任式に臨むニクソン大統領のテレビ中継に目もくれず、ウッドワードとバーンスタインはひたすらタイプライターを打ち続けていました。やがて二人の記事は世論を動かし、大統領の側近や政府高官などの事件関係者は次々と起訴され、有罪となっていきました。追い詰められたニクソン大統領は翌1974年8月に遂に大統領を辞任、代わってジェラルド・フォードが新たな大統領に就任しました。
この映画の感想を投稿する