祭りの準備の紹介:1975年日本映画。脚本家中島丈博の自伝的要素が濃い作品。信用金庫に務めながら脚本家を目指す青年が母を始めとする故郷の呪縛から逃れて旅立って行く姿を描いています。
監督:黒木和雄 出演:江藤潤(沖楯夫)、馬淵晴子(沖ときよ)、ハナ肇(沖清馬)、浜村純(沖茂義)、竹下景子(上岡涼子)ほか
映画「祭りの準備」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「祭りの準備」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「祭りの準備」解説
この解説記事には映画「祭りの準備」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
祭りの準備のネタバレあらすじ:起
村の信用金庫に勤めながら脚本家を目指す楯夫は、父の清馬が愛人宅に入りびたりのため、母のときよと祖父の茂義の三人暮らしです。楯夫は、周囲の人間の赤裸々な男女関係に悶々としており、想いを寄せている涼子に抱きつこうとして逃げられたりしています。ある日、楯夫の幼馴染のタマミが帰郷してきました。タマミは大阪のキャバレーで働いていましたが、ヒロポン中毒で言動がおかしくなってきたため帰されたのです。ある日楯夫は、タマミが毎晩浜辺で村の男たちと関係を持っていることを耳にします。
祭りの準備のネタバレあらすじ:承
一方、涼子は政治活動に熱中しており、ないがしろにされがちな楯夫は疎外感を感じていました。ある夜、衝動を抑えきれなくなった楯夫は浜辺へと足を運びました。楯夫がタマミと事に及ぼうとしたとき、祖父の茂義が楯夫を押しのけタマミにのしかかって来たので楯夫は驚いてその場を逃げだします。時が過ぎ、茂義の子を妊娠したタマミは茂義と二人で暮らし始めます。そんな中、楯夫はときよに東京に行きたいと打ち明けますが、楯夫を溺愛しているときよは行かないでくれと楯夫にすがりつきます。
祭りの準備のネタバレあらすじ:転
ある日楯夫はタマミの兄の利広につかまり町に連れ出されます。泥酔して道端で吐く楯夫の姿をたまたま目にした涼子は楯夫に幻滅した様子です。その後、タマミが男の子を出産しました。出産を機に正気に戻ったタマミは茂義を激しく毛嫌いし、結局子供はタマミの実家に引き取られることになります。絶望した茂義は首をつって自殺します。後日、清馬の愛人が脳溢血で亡くなり、清馬はときよの元に戻ってきますが、楯夫との二人きりの生活が壊されたくないときよは、清馬を元愛人に引き渡します。母の身勝手な愛にうんざりした楯夫は母を責めたてます。
祭りの準備の結末
ある日楯夫は涼子に偶然出会い、部屋に誘われます。涼子は楯夫に冷たくしたことを詫び、二人は関係を持ちます。翌朝、楯夫は母から利広が殺人の罪で追われていることを聞きます。その夜、職場の宿直室で寝ている楯夫の元に涼子が押しかけ、二人はまた関係を持つのですが不注意で火事を起こしてしまいます。翌朝、母に黙って東京に向かおうとした楯夫は、駅で逃亡中の利広に会います。利広は楯夫に金を無心しますが、楯夫が東京に行こうとしていることを知ると、いったん受けとった金を楯夫に返しました。そして楯夫は利広に万歳で見送られながら東京へと向かうのでした。
小さな村で主人公の周りは泥棒とか近親相姦とか欲望丸出しでろくでもない人たちばかり。中でもヒロポン中毒の若い女に入れあげ、捨てられた挙句自殺した主人公の祖父は衝撃的。主人公の向かいに住んでいる原田芳雄が不思議とかっこいい。