さよなら、ぼくのモンスターの紹介:2015年カナダ映画。幼少期に集団暴行事件を目撃してしまったことから、未だにトラウマに悩まされるゲイの青年。それでも特殊メイクアップアーティストになる夢を叶えようと前向きな青年の前に現れた一人の男。思春期に揺れる青年の心情を卓越したセンスで描き、トロント国際映画祭で最優秀カナダ長編映画部門を受賞した青春ドラマです。
監督:ステファン・ダン 出演者:コナー・ジェサップ(オスカー・マッドリー)、アーロン・エイブラムス(ピーター・マッドリー)、アリオシャ・シュネデール(ワイルダー)、ソフィア・バンツァフ(ジェマ)、イザベラ・ロッセリーニ(ハムスターのバフィーの声)ほか
映画「さよなら、ぼくのモンスター」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「さよなら、ぼくのモンスター」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
さよなら、ぼくのモンスターの予告編 動画
映画「さよなら、ぼくのモンスター」解説
この解説記事には映画「さよなら、ぼくのモンスター」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
さよなら、ぼくのモンスターのネタバレあらすじ:起
9年前。まだ幼い少年だったオスカー・マッドリー(ジャック・フルトン)の両親が離婚することになりました。かねてから酒癖の悪い父・ピーター(アーロン・エイブラムス)に愛想を尽かした母・ブラン(ジョアンヌ・ケリー)は、別れ際にオスカーにハムスターのバフィー(声:イザベラ・ロッセリーニ)を与えました。元来内気だったオスカーにとって、バフィーは唯一心情を話せる存在になっていきました。そんなある日、オスカーはとある墓場で一人の少年が複数の人間から凄惨なリンチを受ける様を目撃しました。ピーターが言うには被害者はゲイだということで、以前に女の子から仕草をからかわれ「将来ゲイになる」と言われ続けてきたオスカーにとっては心に深いトラウマを後々まで残すこととなりました。
さよなら、ぼくのモンスターのネタバレあらすじ:承
18歳になったオスカー(コナー・ジェサップ)は、同世代の友人の女性ジェマ(ソフィア・バンツァフ)と共に映画の特殊メイクアップアーティストになるという夢を叶えるため、ニューヨークのメーキャップ専門学校への進学を目指していました。オスカーの夢は父・ピーターも応援しており、ジェマはオスカーに対して好意を寄せているのですが、オスカーの方は女性に対しての関心は全くなく、ジェマもそのことに薄々気付いていました。そして二人の様子を見ていたピーターもまた、我が子がもしかしたらゲイなのではと疑いを持っていました。そんなある日、オスカーがアルバイトをしているホームセンターにワイルダー(アリオシャ・シュネデール)という青年が働き始め、オスカーはワイルダーに対して淡い想いを抱き始めました。しかし、オスカーは幼少期のトラウマからか、男性を好きになることは罪なのかと自問自答を繰り返していました。
さよなら、ぼくのモンスターのネタバレあらすじ:転
ジェマは将来女優になる夢を抱いており、オスカーも彼女の夢に協力していたのですが、ある日オスカーがジェマの写真をパソコンで修正したことにジェマは腹を立て、二人の関係はギクシャクしてしまいます。そんなある日、オスカーとワイルダーはバイト先のホームセンターからリストラを言い渡され、近々ドイツの従兄弟の元へ行くというワイルダーはオスカーを仮装パーティーに誘いました。ちょうどその頃、ニューヨークの学校にも不合格となっていたオスカーは、時折会っている母ブランの服を借りて着ているところをピーターに見られてしまい、息子がゲイになったと確信したピーターはパーティーに行くのをやめるよう迫りましたが、オスカーはそれを振り切って出かけていきました。しかし、パーティーでオスカーが見たのは女性と戯れているワイルダーの姿でした。ワイルダーはゲイではなかったのです。
さよなら、ぼくのモンスターの結末
酔いつぶれたオスカーを家まで送り届けるワイルダー。自分に好意を寄せていることを知ったワイルダーは、オスカーの口に優しくキスをして口移しで水を飲ませるのでした。そして2人は同じベッドで眠りにつきます。翌朝、ワイルダーは「ニューヨークで頑張れ」という置手紙を残して去っていきました。失恋を味わったオスカーを母・ブランは励まし、この先も生きるということは大変だけどもそれでも生きていくよう諭しました。オスカーはピーターの家に向かうも、普段は温厚なピーターが酒を飲んで暴れていました。大切にしていたバフィーは殺されてしまっていました。憤慨したオスカーはピーターを家に閉じ込めて出られないようにし、父との決別を宣言しました。その後、ブランの紹介でオスカーはメイク短大に入れることになり、ジェマとも和解したオスカーは、ピーターに殺されたバフィー(5代目)の亡骸を小舟に乗せて海に流し、これからは自分自身の力で夢を叶えていかなければならないと決意を新たにしていました。
この映画の感想を投稿する