エンゼル・ハートの紹介:1987年アメリカ映画。私立探偵のハリー・エンゼルは謎めいた一人の紳士から人探しの依頼を受けるのですが、尋ねる人物がことごとく酷く殺されていきます。人物探しと周りの相次ぐ不審死を追い掛けていくストーリーです。
監督 :アラン・パーカー 出演:ミッキー・ローク(ハリー・エンゼル)、ロバート・デ・ニーロ(ルイ・サイファー)、リサ・ボネ(エピファニー・プラウドフット)、シャーロット・ランプリング(マーガレット)、ストッカー・ファウンテリエ(イーサン)、ブラウニー・マッギー(ツーツ・スイート)、マイケル・ヒギンズ(Dr.アルバート・ファウラー)、ほか
映画「エンゼル・ハート」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エンゼル・ハート」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「エンゼル・ハート」解説
この解説記事には映画「エンゼル・ハート」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エンゼル・ハートのネタバレあらすじ1
1955年、ブルックリンで私立探偵をしているハリー・エンゼル(ミッキー ローク)は、人探しの依頼を受けます。弁護士ワインサップから紹介された依頼者は上流階級風ではあるものの、どこか謎めいた雰囲気のある紳士ルイ・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)です。探す人物は、第二次世界大戦前に人気歌手だったジョニー・フェイバリットです。ジョニーは戦争により神経を患うようになり入院していたのですが、サイファーが病院を訪ねてみると、そこにジョニーの姿はありませんでした。そこでジョニーの行方を追って欲しいというのです。
エンゼル・ハートのネタバレあらすじ2
ハリーが病院を訪ねてみると、ジョニーの担当医師Dr.アルバート・ファウラーは「転院した」と言い張っていますがどうも様子がおかしいため、ハリーはファウラーの家を無断で漁ってみると治療のためではないモルヒネが発見されます。このモルヒネを盾に脅してジョニーの行き先を聞き出します。するとファウラーは、ケリーと名乗る男と女に引き渡したと言います。ハリーは無断で家を漁ったりしますし、態度も荒さがあります。西部劇になぞらえるなら町から町を旅するアウトローなガンマンのようなイメージです。
エンゼル・ハートのネタバレあらすじ3
ファウラー医師からの証言を得た後、ハリーは一旦食事をとるためダイナーへ行き、ファウラー医師宅へ戻ると医師は銃で撃たれて死んでいました。ハリーは自分がいた証拠を隠滅してファウラー医師宅を出て、サイファーに捜索続行を打ち切るため連絡をします。サイファーはゆで卵を食べながら金額を吊り上げて捜索を続行させるのですが、人一人亡くなっているような物騒な話をしながらも、ゆで卵を食べるサイファーの姿には不気味な違和感を覚えました。捜索続行となり、ジョニーの婚約者だったマーガレットに会いますが、死んだと思っていたらしく情報は得られません。
エンゼル・ハートのネタバレあらすじ4
次に愛人だったエバンジェリンを探しますが彼女はすでに亡くなっていました。代わりにエバンジェリンの娘エピファニーと会いますが、こちらも特別な進展は得られません。 ジョニーの友人だったトゥーツにも会うのですが、ジョニーの名前を出しただけで警戒されてしまいます。何かが隠されていると感じたハリーはトゥーツをつけていき、そこでブードゥー教の儀式と、儀式に参加しているトゥーツとエピファニーの姿を見てしまいます。鳥の血を浴びて踊り狂う人たちの様子は狂乱そのものです。その後、ハリーはトゥーツたちを問い詰め、2人はもちろん、母エバンジェリンもブードゥー教の信者で悪魔崇拝していることを知ります。
エンゼル・ハートのネタバレあらすじ5
翌日、トゥーツとマーガレットがそれぞれ無残に殺されていました。そして、マーガレットの父、イーサンからすべての情報を得ます。ジョニーを病院から連れ出したのはイーサンたちであったこと。エバンジェリン、トゥーツ、エピファニーはもちろんイーサン、ジョニーも悪魔崇拝をしていること。ジョニーは過去に歌手として成功するために悪魔に魂を売ったこと。しかし戦争で負傷して記憶を失ったジョニーは自身の人生を取り戻すため、別の人間の魂を代わりに悪魔に捧げようとしたことを聞かされます。
エンゼル・ハートのネタバレあらすじ6
信じられないままエピファニーを訪ねるとエピファニーもむごたらしく殺されていました。ハリーはジョニー探しの途中に何かが頭から抜け落ちている、カメラのフラッシュバックのようにほんの一瞬だけ何かの映像が浮かぶのですが、それが何なのか一瞬すぎて分からずにいました。そこへ依頼者サイファーが現れます。「思い出したか?」と笑顔を浮かべて問いかけます。
エンゼル・ハートの結末
戦争による負傷で記憶を失ったジョニーは、兵士だったハリー・エンゼルという男を殺して、名前と人生を乗っ取っていました。過去に悪魔との契約をしたのは探偵ハリー・エンゼルを名乗るジョニー自身だったのです。さらに一連の殺人事件はジョニーの人格によるハリー自身の仕業でした。
そして、ルイ・サイファー(Louis Cyphre)こそ悪魔ルシファー(Lucifer)だったのです。サイファーがジョニー探しをハリーに依頼したのは過去の悪魔契約を思い出させるためでした。サイファーは紳士的で上品で穏やかな態度のままです。浮かべる笑顔は楽しくて仕方がないことが伝わる、まさに悪魔の微笑みです。人の精神をどん底に陥れることがそれほど楽しいことなのかと魅入られます。悪魔役として、ロバート・デ・ニーロをえらんだのはベストキャストだと思います。
アウトローではあっても人殺しなどの残虐さと無縁だったはずの自分が自身の野望を叶えるために、どれほど酷い行いをしてきたか、全てを思い出したハリー。ミッキー・ロークの絶望感溢れる演技も最高です。打ちひしがれるハリーと契約を完了させた上にハリーまでを地獄へ叩き落としたサイファーの誇らしい態度の対比も見事です。
最後はハリーが刑事に連行されて映画は幕を閉じます。映画中、グロテスクな表現もありますが、オカルト好きな方は観てほしい作品です。
「エンゼル・ハート」感想・レビュー
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悪魔をだせば何でもありになる
サイファーが人間だったらもっと良かったと思う -
〇人事件を起こした統合失調症患者が治療後に〇人を犯したのが自分自身であることを思い出したらエンジェルハートのエンディングの様な心境になるのだろうか?
多重人格とマインドコントロールがテーマです。