パワープレイの紹介:1978年イギリス,カナダ映画。ヨーロッパの某独裁国家では、政府による民衆弾圧が苛烈化し、反政府活動家はテロを繰り返していた。国を憂いたルーソー教授は、政争等に嫌気が差し引退を決意したナリマン大佐を口説き、クーデターを画策する。ナリマンは同志を募り、クーデターを着々と進行させていく。架空の国家を舞台としたミリタリーサスペンス映画。
監督:マーティン・バーク 出演者:ナリマン大佐(デビット・ヘミングス)、ブレア(ドナルド・プレザンス)、ルーソー(バリー・モース)、カサイ大佐(ジョン・グラニック)、ゼラー大佐(ピーター・オトゥール)
映画「パワープレイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パワープレイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パワープレイの予告編 動画
映画「パワープレイ」解説
この解説記事には映画「パワープレイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パワープレイのネタバレあらすじ:起
欧州某独裁国家の閑静な住宅地で軍隊が展開します。その目的は、反政府活動家の逮捕でした。それを一般市民は剣呑した表情で見詰めます。その活動家達は連行され、即座に銃殺刑に処せられました。ニューヨークで革命政府から逃れてきた元軍人カサイがインタビューに応えます。彼は自国で起きたのは革命ではなくクーデターであったと訂正し、事の顛末を話し始めました。始まりは、大臣の一人が襲撃を受け、誘拐されるというテロ事件からでした。カサイは、友人のナリマン大佐と共にルーソー教授のお茶会に出席します。穏やかに行われたお茶会でしたが、出席者の夫婦に連れられた娘ドナが、ナリマンに退席を求めます。両親は彼より先に退席するのは失礼だと嗜めますが、ナリマンは自分は引退を控えている身だと気にせず退席するよう促します。彼女は護衛している軍人達を嫌悪の目で見ながらお茶会を後にしました。先日の事件もあり要人の警護は固く、子供達がボール遊びする傍らにも目立つように軍人は立っていました。その子供の一人が森の中に入ると、悲鳴を上げます。大人達が駆け付けるとそこには誘拐された大臣の変り果てた姿がありました。大臣の追悼会見で大統領がスピーチを始めます。ナリマンとカサイは離れて立っていましたが、大統領に寄るよう指示が出ました。その大統領は、反乱分子への締め付けを一層強める事を宣言します。会見が終わり、カサイはナリマンへ大統領の軍の扱いに不満を漏らします。ナリマンは自分は引退して釣りに勤しむとやりすごしました。秘密警察長官ブレアの陣頭指揮により、反乱分子の一斉検挙が行われました。死傷者も大勢出ましたが、その逮捕者の中にはドナが居ました。同じ夜、ナリマンはルーソーに軍に留まるよう説得されます。ナリマンは政治劇を嫌い引退するのだと拒否しますが、ルーソーはテロリストは海外から支援を受けている、ならばクーデターをと言い出します。ナリマンはそれを一笑に伏しました。ナリマンは、軍人の自分を尊敬する娘の父親でもありました。その彼に、ドナが逮捕されたと両親が知らせに来ます。彼は早速獄中のドナと面会しますが、彼女はナリマンが街の現状を見ていないと罵ります。ブレアは彼女の釈放を約束しますが、彼女は拷問を受け、逃亡を偽装され射殺されました。
パワープレイのネタバレあらすじ:承
ドナの葬儀が終わり、ナリマンは決意し、ルーソーと立案を始めます。カサイ等も参加し、具体的な人員、制圧する施設、必要事項が検討され、決定してきます。参加者はこれはいわばゲームだと口にします。ナリマンが会議室を出て倉庫に出ると、トラックから老人が出て来たので誰何します。老人は管理人を名乗り、毎夜定刻に掃除をしていると答えます。その上で、彼等が会議を始めるまでは静かで良かったとぼやき、誰かが計画を練れば練るほど国は悪くなって行くと言います。カサイは戦車を指揮するスタフェンバーグの説得に向かいます。しかし彼は加担を拒否、反逆だと無線で本部に報告しようとします。しかし無線は不調で、うまく音声が飛びません。カサイは彼を止める為、無線設備の備えたテントごと、スタフェンバーグを戦車で轢殺しました。ブレアは現場を訪れ、目撃者が居ない事を詰ります。そして彼は本部に戻り、受信された無線の録音を確認、ノイズを落として音声を聞き取れるように指示を出します。ナリマンは今回の一件でカサイとルーソーを詰ります。そして彼は、自分が居ても同じ事をしたかと問います。カサイは友人だったスタフェンバーグの未亡人に何を言えばいいか悩みます。葬儀の弔辞でナリマンは、彼は立派な軍人だったと偽り無く語りました。ナリマンは一人憂います。それを老人が見守ります。ナリマンは、スタフェンバーグの次に候補に挙がっていたゼラーを訪ね、ルーソーは歩兵部隊を指揮するバリエストンを訪ねます。ゼラーは、野心剥き出しでクーデターへ加担します。バリエストンは無用心にも酒場でルーソーの話を聞きます。そしてその酒場の主人は、ブレアに二人が密会していた事を告げ口しました。クーデターの中心人物が揃います。何かが進行し始めている事を察したブレアはルーソーの弱みを握る為彼の妻の監視を部下に命じます。そして、会議室には何者かが盗聴器を仕掛けました。
パワープレイのネタバレあらすじ:転
アメリカ軍のパーティーに出席したナリマン達は、ブレアが居る事に驚きます。このような集まりの監視は部下に任せていたからです。バリエストンは何か勘付かれたと一気に怯え、酒で気を紛らわせ始めました。そして酷く酔っ払い、ナリマン達が介抱します。ブレアが探りを入れて来た事もあり、カサイは怖気ついたバリエストンの処遇を聞きます。ナリマンはあっさりと殺せばいいと答えます。ルーソーとカサイは本気かと問いますが、それが脳裏を過ぎっただろ、彼は真顔で答えるに留めました。ブレアは大臣にバリエストンの逮捕を進言しますが却下されました。彼は陰謀が進行中だと言う事を確信していました。クーデターの計画は、何者かに盗聴されながらも着々と進行していました。ルーソーはそれに掛かり切りになってしまい、妻がゼラーと浮気をしている事に気付けずに居ました。その間もクーデターの会議は続きます。そしてある日、その音声が会議室に流れ始めます。参加者が発信源を特定したとき、サブマシンガンを持った男が現れ、会議室を制します。その男は彼等にチェックが甘いと忠告し始めると、ナリマンは彼が同志の一人ヒルズマンだと紹介します。参加者に緊張感を増すように促す芝居でした。ブレアが探り始めていたのです。しかしそのブレアは既に、ルーソーの妻とゼラーの関係を掴んでいました。それを知ってか知らずか、ゼラーはルーソーの妻に別れを切り出し、突き放します。クーデターは実行段階までに近付いていました。ですが、バリエストンの更迭が知れ、彼は抜けたいと言い出します。ナリマンはそれを認めず、彼を監禁する事に決めました。老人の前でバリエストンは何処かへ連れ去られて行きます。老人はそれを見届け帰ろうとしますが、そこをヒルズマンが背後から撃ち殺します。そして老人を調べると、彼は盗聴器を身に付けて居ました。ノイズの除去が進み、無線の内容が徐々に明らかになり始めました。ナリマンは、バリエストンが担当する事になっていた空港が懸念材料にになっていましたが、彼を餌にブレアを罠に掛け、二日のうちに決行する事を宣言します。参加者達は、指揮する部隊でクーデターの準備を整えます。ブレアはバリエストンの監禁場所を嗅ぎ付け、襲撃し、彼を水責めにして尋問します。しかし、バリエストンは頑なで何も喋らず、ブレアは部下に警戒態勢を取る様指示を出します。ブレアが罠にかかった事を知り、ナリマンはクーデターを決行、各部隊が行動を開始しました。ブレアはクーデター部隊が行動を起こした報告を受けます。一緒に聞いていたバリエストンは笑い出し、隙を突いて逃走しました。
パワープレイの結末
クーデター部隊は各要所の制圧を始めます。空港の制圧には手間取りましたが、鎮圧部隊が到着するぎりぎりで制圧を成し遂げます。ゼラーの戦車隊が大統領官邸を制圧、ゼラーはカサイに、テレビ写りが悪くなるから髯を剃れと言います。多数の死者が出て、カサイはナリマンに誰も殺さないと言った筈だと問いますが、彼はそれが遠い昔のようだと答えました。バリエストンは、左遷前の部隊に戻ります。そしてその部隊を現在指揮する隊長を射殺、部下達に自分の指揮下に入れと宣言しますが、部下達は彼を射殺しました。大統領が逮捕され、カサイはテレビで戒厳令を宣言します。ヒルズマンはブレアを見付け逮捕します。ブレアは、自分達の方法はどうであれ、自分達は国を守っていたと声を荒げます。それを聞いたヒルズマンは、ブレアにお仲間は減ったと告げます。その本部では局員の死体が転がり、クリアになった録音がクーデターを警告していました。そしてヒルズマンは老人の事も話しますが、それは知らないとブレアは言い出します。彼がその盗聴器のスイッチを入れると、ゼラーの無線に繋がっていました。ナリマンは官邸に入り、大統領の執務机に座り、感慨浸ります。しかし、そんなナリマンにゼラーは部下に銃口を向けさせ、彼を逮捕します。主要メンバーが次々逮捕され、ナリマンは大統領の隣に拘置されます。大統領はナリマンに、君だと思っていたと言います。彼は誰でも同じだと諦念を口にします。ゼラーは大統領に就任、その就任演説で、反抗には更なる弾圧を加える事を宣言します。ルーソー、ヒルズマン等が彼の軍門に下り、カサイはアメリカに亡命し、ゼラーは、家族と国の平和の為に大いなる力を行使する事を宣言します。ルーソーの目の前、ナリマンとブレアは並んで銃殺刑に処せられました。見届けたルーソーは公用車で去って行きます。後には縛られたままのナリマンの死体が残されました。
この映画の感想を投稿する