妻は告白するの紹介:1961年日本映画。夫とその妻、そして彼らの友人と3人で登山をしている際に夫が事故死をします。しかしそれは夫が崖から転落しそうになった際に巻き込まれないように、妻が命綱を切ったためでした。裁判では妻のその処置が悪意のあったものか、やむ終えない手段だったのかで争われます。しかし妻の心のうちにはある秘密がありました。
監督:増村保造 出演者:若尾文子(滝川彩子)、川口浩(幸田修)、小沢栄太郎(滝川亮吉)、馬渕晴子(宗方理恵)、根上淳(杉山弁護士)、高松英郎(葛西検事)、大山健二(内海裁判長)
映画「妻は告白する」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「妻は告白する」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「妻は告白する」解説
この解説記事には映画「妻は告白する」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
妻は告白するのネタバレあらすじ:起
和装をした女性・滝川彩子が裁判所に入ると大勢のマスコミが押し寄せてきます。彼女は夫とその友人3人で登山に行っていたのですが、その最中に夫が崖から転落してしまいます。頂上にいた夫の友人・幸田は、夫と同じ命綱をつけていた彩子が転落しないよう必死に抑えますが、彩子は自分が助かりたい一心で、夫の命綱を切ってしまいます。裁判では夫の転落死が妻の悪意によるものか、自らの生命の危機から脱するために取った行動は罪に問われない「緊急避難」に適用されるかで争われます。
妻は告白するのネタバレあらすじ:承
検事は、当時夫の事故直後の彩子が非常に落ち着いていたこと・夫に多額の保険金がかけられていたことに対して疑念を抱きます。彩子は学生時代、医学部で学んでいましたが、あまりに貧乏ゆえに食事もまともに取れないような状況でした。その弱みに付け込むかのように、当時教授だった男が結婚を迫り、彩子の夫となりました。一刻も早く今の生活から抜け出したい彩子は結婚しますが、とても幸福な結婚とはいえませんでした。夫は彩子の相手などほとんどしませんが、不貞こそ働かなかったので、裁判で離婚を起こすことも出来ない状況でした。
妻は告白するのネタバレあらすじ:転
そんなとき彩子の前に現れたのは、夫と取引をする製薬会社の若い社員・幸田でした。彼は夫がしてくれない手伝いなどを、嫌な顔ひとつせず行ってくれ、彩子は直ぐに彼に好意を抱きます。しかし幸田には婚約者のいる身で、彩子はそれを知ったうえで必要に幸田に関わろうとします。彩子は夫に給料が安いのだから生命保険に入るよう促しますがこれを拒否します。しかし幸田までもが薦めて来ることであれほど嫌がっていた保険に加入するだけでなく、当初よりも多い金額をかけます。これはある種の夫の嫌がらせだと彩子は主張します。
妻は告白するの結末
裁判中も幸田は常に彩子に対して親切でした。やがて判決で無罪が出ると、彩子は夫の喪に服すどころか、手にした保険金でおしゃれなアパートに引越し、優雅な生活を送っていました。それを見た幸田は嫌悪感をあらわにし、自分と一緒にいたければこんなことはやめるよう彩子に強く言います。嫌われたくない彩子は必死で幸田にすがります。幸田は彩子との件で婚約者とは破局寸前でしたが、自分の親切が彩子を変えたという自責に駆られ、大阪への異動を決意します。すると彩子が幸田の会社までやって来て、先の件を謝りますが、彼の意思は変わりませんでした。彼女は会社のトイレで薬を飲んで自死してしまいます。幸田の婚約者は、彼女ほど傷つきながらも正直な女性は他にいないと、彩子を評価し、そんな彼女を死なせたのは幸田だと責めて去っていきます。彩子は遺書に「保険金を結婚資金に使ってください」と残していました。
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