SUCK サック(別題:ヴァンパイア・サック)の紹介:2009年カナダ映画。アリス・クーパーやイギー・ポップなど、ロック界の重鎮を始めとするミュージシャン達や、「時計じかけのオレンジ」(1971)のマルコム・マクダウェルの出演も話題となったヴァンパイア・ムービー。売れないバンドの美人ベーシスト、ジェニファーは、ライブで知り合った不思議な男にヴァンパイアにされてしまう。バンドのヴォーカリストでジェニファーの元カレ、ジョーイはショックを受けるが、ヴァンパイアとなったジェニファーの並々ならぬ美しさが、バンドの人気を高めていく。監督&主演のロブ・ステファニアックは、カナダで活躍中の俳優。劇中の演奏曲の作曲も手がけている。音楽ファンなら思わず吹き出す、ロックな小ネタが満載のヴァンパイアコメディ作品。
監督:ロブ・ステファニアック 出演者:ロブ・ステファニアック(ジョーイ)、ジェシカ・パレ(ジェニファー)、ディミットリ・コーツ(クィニー)アリス・クーパー(バーテンダー)、イギー・ポップ(ヴィクター)、マルコム・マクダウェル(エディ)、モービー(ビーフ)、ヘンリー・ローリンズ(ロッキン・ロジャー)ほか
映画「SUCK サック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「SUCK サック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
SUCK サックの予告編 動画
映画「SUCK サック」解説
この解説記事には映画「SUCK サック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
SUCK サックのネタバレあらすじ:起
カナダのモントリオール。全く売れないインディーズバンド、ウィナーズ。今夜もまた、いまいち盛り上がらないライブを終えると、ツアーバス代わりの霊柩車に乗り込みます。ギターのタイラー、ドラムのサム、ローディーのヒューゴ、そしてヴォーカルのジョーイ(ロブ・ステファニアック)の4人は、ベースのジェニファー(ジェシカ・パレ)がいないことに気づきます。ようやく現れたジェニファーは、出会ったばかりの不思議な雰囲気を持つ男、クィニ―(ディミットリ・コーツ)を連れています。今からパーティに行ってくるわと、ジェニファーはクィニーと消えました。ジェニファーの元カレのジョーイは、内心穏やかではありません。クィニーの大きな屋敷に招かれたジェニファー。お客達は皆、退廃的で異様なムードを漂わせています。クィニーは歌い出します。「この闇からは逃れられない…」。ジェニファーの意識が遠のきました。そして翌朝。待ち合わせの場所にジェニファーが現れず、怒ったジョーイ達はジェニファー抜きで霊柩車に乗り込み、次のライブ場所トロントへと向かいます。途中、ジョーイはもう1人の彼女である女優のスーザンの仕事場を訪ね、お金を貸してと頼みます。呆れかえるスーザンですが、ライブは見に行くと約束します。バンドのリハーサル中、ジェニファーが遅れてやって来ます。なぜか雰囲気がいつもと違い、別人のように妖しくセクシーなジェニファーに、ジョーイ達はびっくりします。その頃、クィニーの屋敷にはヴァンパイア・ハンターのエディ(マルコム・マクダウェル)がいました。エディは、ヴァンパイアであるクィニーを追い続けていました。しかし屋敷にクィニーの姿はありません。ウィナーズのライブのフライアーを見つけたエディは、手がかりを探すためバンドのツアーを追いかけることにします。
SUCK サックのネタバレあらすじ:承
その夜、ウィナーズのライブは大盛況。ジェニファーの美しさが観客を魅了したのです。そこへ現れたエディは、クィニーによってジェニファーがヴァンパイアにされたと察します。約束通りライブを見に来たスーザンは、ジェニファーの姿を見てヤキモチを焼き、ジョーイにビール瓶を投げつけます。ジョーイは気絶し、目覚めるとそこはライブハウスではなく、どこかの田舎道の十字路です。そこにいたのは、モントリールのライブハウスにいたバーテンダー(アリス・クーパー)でした。彼は言います。「ここが君の人生の別れ道だ」。そこでジョーイは目覚めます。ジョーイが気絶している間、バンドはアンコール演奏で盛り上がっていました。その後のツアーも大ウケし、ついに国境を越えてアメリカへ入国。ところが田舎のドラッグストアで、ジェニファーが店員を襲って血を吸ってしまいます。その姿を目撃したヒューゴは失神。ジェニファーは自分の正体を打ち明け、ヒューゴを説得して店員の死体を始末させます。次のライブハウスでは、ファンがステージに生肉を投げるのが恒例というバンドのヴォーカル、ビーフ(モービー)と一緒になります。ライブ後、ジョーイ、タイラー、サムの3人は、モーテルの部屋でジェニファーがビーフを襲っている姿を目撃。驚いて絶叫します。警察を呼ぼうと慌てるジョーイに、ライブはどうすんだと冷静なタイラー。好きでヴァンパイアになったわけじゃないわとふてくされるジェニファーでしたが、ヴァンパイアになればテレパシー交信もできるのよと特殊能力を次々と披露。メンバーはすげーと尊敬のまなざしです。ジョーイは、ジェニファーに3つの約束ごとをさせます。他のメンバーをヴァンパイアにしないこと。人を殺さないこと。そして、隠し事をしないことです。
SUCK サックのネタバレあらすじ:転
オールバニーについたウィナーズ。新曲の録音のため、音楽プロデューサーの友人ヴィクター(イギー・ポップ)のスタジオを訪れます。ジェニファーを見たヴィクターは、彼女がヴァンパイアだとひと目で見抜き、ジョーイに警告します。しかしジョーイは、バンドが好評なのは彼女のおかげだと聞く耳を持ちません。失望したヴィクターは、ジョーイ達を追い出してしまいます。次に訪れたのはフィラデルフィア。ライブ会場にはスーザンも現れ、再び一悶着起こります。頭の痛いジョーイは、観客がくれたドラッグを頭痛薬だと思い込み服用。すっかりできあがってステージに上がります。ジョーイのみならず、タイラーもサムもキメキメでステージは上出来です。なんとジェニファーは、ジョーイに内緒でタイラーとサムをヴァンパイアにしていたのです。それを知ったジョーイは激怒。険悪ムードの中、メンバー達はカリスマDJ、ロッキン・ロジャー(ヘンリー・ローリンズ)のラジオ番組の生放送に出演します。ロッキン・ロジャーの挑発的な態度に気分を害したヴァンパイアの3人は、ロッキン・ロジャーに襲いかかります。そしてニューヨーク。今では全米にウィナーズの曲が流れています。ラジオ番組での事件はクールな演出と受け取られ、ファンが急増したのです。ジョーイだけは罪悪感にさいなまされています。その夜、ライブ会場の楽屋にいたジョーイの前に、再びバーテンダーが現れて言います。「無名に終わるか、私達の仲間になるかを選択しろ」。バーテンダーもまたヴァンパイアだったことを、ジョーイは知ります。
SUCK サックの結末
目覚めたジョーイは決心を固め、ジェニファーに「仲間になる」と告げます。ジェニファーは躊躇しますが、濃厚なキスでジョーイをヴァンパイアにします。その夜のステージを見たエディは、メンバー全員がヴァンパイアになっているのを見て絶句します。ライブ終了後、ジョーイの前にヴィクターが現れました。あれほど忠告したのにと言うヴィクターにイラついたジョーイは、うっかり手をかけ殺してしまいます。友人を殺すなんてと自己嫌悪に陥るジョーイでしたが、その後もバンドの人気は衰えることなく、ついにはツアーの移動もプライベートジェットになります。しかしジョーイは、バンドの人気よりも人間に戻ることを選び、エディを呼びます。エディによると、ジェニファー達をヴァンパイアにした張本人のクィニーさえ死ねば、全員が人間に戻れると言うのです。ジョーイはメンバーを説得し、一同でクィニーの屋敷へ向かいます。再会を喜ぶクィニーは、エレキギターをかき鳴らして歓迎します。隙をついてジェニファーがクィニーに杭を刺し、エディもクィニーを狙います。ジョーイがギターでクィニーの体を貫き、クィニーは炎となって燃え尽きます。クィニーが消えた途端、ジョーイ達は床に倒れて苦しみ出します。エディが言います。「君らは元に戻ったんだ。売れないバンドに」。6ヵ月後、ロックな生活を捨て、すっかり普通のカップルとなったジョーイとジェニファー。お揃いのセーターというコンサバ・ファッションに身を包み、仲良くジェニファーのお母さんを訪ねます。その帰り道、どこからともなくあのバーテンダーが現れました。クィニーなんて300才の若造だと笑いとばすバーテンダーは、バンドを復活させようともちかけます。ジョーイは固まりますが、ジェニファーの顔が輝きました。
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