ハンサム★スーツの紹介:2008年日本映画。ブサイクでモテない人生を歩んでいた主人公が、着るだけでハンサムになれるスーツを手に入れて変身する姿を描いた、ハッピーなラブコメディー。人間は、外見ではなく中身だということに気づかせてくれる作品となっています。
監督:英勉 出演者:谷原章介(光山杏仁)、塚地武雅(大木琢郎)、北川景子(星野寛子)、佐田真由美(來香)、池内博之(狭間真介)、大島美幸(橋野本江)、本上まなみ(谷山久恵)、佐々木希(玲美)、山本裕典(大沢勇気)、ほか
映画「ハンサムスーツ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハンサムスーツ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハンサム★スーツの予告編 動画
映画「ハンサムスーツ」解説
この解説記事には映画「ハンサムスーツ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハンサムスーツのネタバレあらすじ:起
33歳の大木琢郎(塚地武雅)は、琢郎の「琢」の字が「豚」に近いことから“ブタロウ”と呼ばれています。両親は彼が生まれてすぐに離婚。母親が定食屋を営みながら、彼を女手一つで育てました。
母親譲りの料理上手でコックとなった琢郎は、イタリアに行って修業をしたのですが、10年前に母親を亡くして以来、大衆食堂「こころ屋」で不細工な人生を生き抜いています。話し方は母親譲りのきつめの関西弁。容姿には恵まれないものの、心はとっても優しい男です。
明るく気のいい琢郎の店は、いつも客でに賑わっていました。これで彼女さえいれば幸せな人生を歩める琢郎ですが、「どうせ俺なんか…」と、彼女ができることを彼は諦めきっています。
そんな琢郎の店に、ある日、美人の寛子(北川景子)が「まだアルバイトの募集をしていますか?」と、やってきます。美人の寛子を見て、即採用を決める琢郎。しかし自分の店なんかで働くことを彼女が後悔するだろうと考えた琢郎は、採用を取り消します。
その時、琢郎の鼻に虫が入って、大きなくしゃみをしてしまいました。普段であれば、琢郎がくしゃみをすると女性たちは嫌がってその場から逃げ出しますが、寛子はカバンからティッシュを取り出し手渡すのでした。このことですっかり彼女を気に入った琢郎は、「うちで働いてください!」と、翌日から働いてもらうことが決まりました。
翌日から「こころ屋」で働き始めた寛子。彼女の働きぶりと笑顔に癒される琢郎は、すっかり寛子に恋をしてしまいます。「不細工な自分が、寛子さんに好かれるわけはない…」と、友人に相談する琢郎。「人は見た目ではない!」と言われますが、それでも自信が持てません。
ハンサムスーツのネタバレあらすじ:承
ブランコに乗ってどうすればいいのか悩んでいた琢郎に、一人の男性が近づきます。その男性は、『あなたの人生を変えるスーツがあります』と書かれたチラシを渡しました。その後、店に戻った琢郎は勇気を振り絞り寛子に告白をします。すると「私のどこが好きですか?」と、寛子は尋ねます。「全部好きで、メチャクチャ美人!」と褒める琢郎。しかし、あっさりと振られてしまった上に、寛子はアルバイトも辞めてしまいました。
その翌日、琢郎はチラシに書かれた店を訪れます。「人生を変えるスーツが欲しいんでしょ?」と聞かれ、店長に店の奥へと半ば強引に連れていかれる琢郎。そこには、着ただけでハンサムになる夢のようなスーツがありました。実は店長もこのスーツを着てハンサムな姿に変身していました。
ハンサムスーツを脱いだ店長はハゲ散らかっていて、ハンサムとは程遠い顔立ちです。店長は琢郎に一般モニターになってほしいと頼みます。そして勧められるままハンサムスーツを着る琢郎。ハンサムスーツには声を変えるチャンネルもあります。そして店長が名前を光山杏仁(谷原章介)と命名してくれました。
「このことは口外しないように。」と店長から口止めされてハンサムスーツを手に入れた琢郎は、早速着て帰ることにします。すると今まで女性に見向きもされなかった琢郎が、杏仁の姿では街行く女性が振り返るほどとなります。
ある日、店に一人の女性・本江(大島美幸)がバイトの募集の張り紙を見てやってきます。本江は小太りでイマイチな顔立ちですが、心優しい女性です。
そんな時、杏仁の姿で街を歩いていると「モデルとしてやってみないか?」と芸能事務所の社長にスカウトされました。写真撮影に挑む杏仁は、一流モデルのライカにも気に入られ、彼女に食事に誘われました。しかし食事の席には琢郎の友人がいて、二人きりのデートではないと落ち込む杏仁。何とか琢郎とばれないように振舞う杏仁は、その夜疲れ切って店に戻りました。
ハンサムスーツのネタバレあらすじ:転
それからもハンサムスーツを着てモデルとして活躍する杏仁は、すぐさま大人気となります。調子に乗り出した杏仁は、ある日街で寛子を見かけて告白をします。しかしまたまた振られてしまいました。
琢郎としての時間が次第に退屈になりますが、本江と一緒にいると心が休まり、笑顔が絶えないことに気が付いた琢郎。次第に彼女に惹かれていきます。
そんな時、モデルのライカから「一夜を共にしたい」と誘われた杏仁は、喜び勇んでシャワーを浴びます。しかし見る見るうちにスーツはボヨボヨになって、スーツを脱いで琢郎は逃げるしかありませんでした。
翌日の写真撮影では、ライカに「どういうつもり?」と責められる杏仁。ライカは怒ってその場を去っていきます。そこへ社長がやって来て、日本最大のファッションショーである東京ガールズコレクションへの出場を依頼されました。そしてその夜、パーティーに出席した杏仁は、コーヒーをかぶってしまい再びボヨボヨな姿へと変わってしまいます。
走ってスーツを買った店に行く琢郎。実はハンサムスーツには弱点があり、お湯がかかるとボヨボヨになってしまうのでした。お湯に濡れても問題ないスーツはないのかと琢郎が訪ねると、店長がパーフェクトスーツを見せてくれました。このパーフェクトスーツは、着ると2度と元の姿には戻れなくなってしまいます。
最高の人生を歩める新しいスーツを選ぶべきか、元のブサイクな姿で人生を歩んでいくべきなのか、琢郎の心は揺れました。
決断できずにいる琢郎がバスに乗り家に帰ろうとすると、痴漢と間違われてしまいます。顔が不細工という理由だけで理不尽な目にあう琢郎は、店に戻ると本江に「自分は内緒にしていることがある…」と打ち明けようとします。彼女にもバラ色の人生を知ってほしいと思う琢郎ですが、「自分が理想とするものを手に入れたからって幸せですかね?琢郎さんが琢郎さんのままで、何がいけないんですか?」と言われてしました。
ハンサムスーツの結末
本江が店を出て行った後、寛子がやってきます。店を急に辞めたことを謝る寛子。琢郎は「今度杏仁を紹介したるわ!」とやけになって言うのですが、寛子が泣き出してしまいます。「一緒にいて笑顔になれる相手は誰ですか?だから…」と言い残し、寛子は去っていきました。琢郎は後悔します。すると杏仁が見えます。「捨てないといけないものもある…」と手を差し出す杏仁。
翌日、琢郎は、華やかな人生を諦めきれず、ハンサムな杏仁として生きることを決めました。そして杏仁の姿でモデルとして東京ガールズコレクションに出演していると、本江が事故に遭ったという知らせが入ります。
その後、ライカと共にステージ立つ杏仁ですが、これまで自分の周りにいてくれた大切な人のことを思い出し、小さな幸せが自分の幸せだったことに気が付きました。ステージに立ち、そのことにようやく気が付くことができた琢郎。しかしもうスーツを脱ぐことはできません。
スーツを脱ぐために、カッターで自分の腕を切ることで、何とかスーツを脱ぐことに成功した琢郎は、病院にいる本江のもとに駆けつけました。バイクに轢かれたはずの本江はピンピンしており、バイクに乗っていた人がケガをしていました。何はともあれ本江が無事で琢郎は安堵します。
琢郎は「本江さんと一緒にいると幸せです」と告白。すると本江が秘密を打ち明けます。実は、本江はブサイクになるブスーツを着た寛子だったのです。外見だけで判断されることが多かった寛子は、内面も好きになってくれる人と結ばれたいと思い、ブスーツを着ていたのです。そして、琢郎の恋は、ついに成就したのでした。
以上、映画「ハンサム★スーツ」のあらすじと結末でした。
「人は見た目じゃない!一番大切なのは心だ!」そんなメッセージが強く込められた作品。途中で大島が出てきたけど、ラストのどんでん返しで「やられた!」と思わされた。あの演出は(良い意味で)ズルいですよ!あと、塚地武雅の演技が秀逸!一気にファンになっちゃった。