PASSION(パッション)の紹介:2008年日本映画。酒井耕との共同監督で東日本大震災以後の東北で作られた『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』のドキュメンタリー映画三部作、演技経験のない出演者と作った6時間を超える大作『ハッピーアワー』、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された『寝ても覚めても』と活躍を続ける濱口竜介の東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作作品。結婚を間近に控えた果歩と智也。だが、果歩の誕生日を祝うパーティーをきっかけに恋模様は急変。三人の男と二人の女が本音をぶつけあうことになる。
監督:濱口竜介 出演者:河井青葉(果歩)、岡本竜汰(智也)、占部房子(貴子)、岡部尚(健一郎)、渋川清彦(毅)、ほか
映画「PASSION」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「PASSION」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
PASSIONの予告編 動画
映画「PASSION」解説
この解説記事には映画「PASSION」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
PASSIONのネタバレあらすじ:婚約発表
年末の横浜。大学以来の友人の男女6人がレストランに集まる。妊娠中の毬枝と毅の夫婦、同棲中の果歩と智也、そして健一郎、早苗。果歩の29歳の誕生日を祝うためだ。席上、果歩と智也は結婚の予定を明かす。早苗が動揺する。パーティーの後で智也は5,6年前に早苗と一度関係をもったことを男二人に白状する。
PASSIONのネタバレあらすじ:貴子とハナ
男たち三人はバスで、健一郎が今付き合っている、やはり学生時代からの友人の貴子の家へ。彼女は、鎌倉に住む若い叔母で有名作家の吉野ハナのマンションにネコの世話をする条件で住んでいるが、そのネコが死んで、健一郎が手伝ってネコを葬ったばかりだった。貴子も大学非常勤講師の智也同様研究者だが博士学位論文を落とされたところである。貴子は久しぶりに会う智也と毅を歓迎するが、そこに突然、愛猫との別れをしないと執筆できないということでハナが現れる。ハナは、だが、智也と毅を健一郎だと勘違いして叩き、健一郎はいないと貴子は嘘をつく。貴子は叔母に健一郎のことを、好きでもない女の子とやれるひどい奴だと話していたのだ。健一郎が果歩のことをずっと好きなのは皆が知っていた。
他の三人が買い物に行っている間に毅とハナは話が弾む。二人はキスを交わしたが、もうじき生まれる子供のことが頭にある毅はハナを先に帰してしまう。でも彼女に未練が残る。
PASSIONのネタバレあらすじ:反対された結婚
智也は健一郎を連れて朝帰り。だが、3時まで三人で漫画喫茶にいたと果歩に嘘をつく。夜眠れなかったという果歩は二人の前で立ち眩みをおこして倒れるが、今学期最後の授業だからと中学校に出勤する。でも、自殺した生徒へ生徒たちの多くが暴力をふるっていた事実を知り、帰宅してから教師を辞めたいと智也に弱音を吐く。智也の支えが欲しい果歩に、離婚することもあるかもしれないから仕事はやめない方がいいと智也は言う。
果歩と智也は果歩の母親に会いに行く。だが母は、二人が同棲を始めたときから智也が嫌いだったと言う。人としての誠がない、一目でそれがわかると言う。本当に果歩と結婚したいのかと智也は問い詰められる。
PASSIONのネタバレあらすじ:本音しか言わないゲーム
貴子に会いたくなった健一郎が唐突に彼女を訪れると、智也が先に来ていた。智也が果歩を裏切っていると考えて怒った健一郎は、もうここには来ないと貴子に言って果歩の所へ向かうが、健一郎と入れ違いに毅が貴子の家へ来る。ハナの連絡先を知りたいためだ。会ってどうするのと言う貴子に「自分を確かめたい」という毅。上から目線で話す貴子と智也に怒って帰りかけた毅を智也が引き留め、三人でゲームをしようと言う。1時間、本音だけ話すというゲーム。毅と貴子はしぶしぶ参加する。3年前に智也と貴子は関係をもったことがわかる。智也は本気だったが、貴子はそうでなかった。貴子は健一郎のことを愛しているのだと智也は考えている。今まで一度でもちゃんと人を愛したことがあるのかと問う毅。今のパートナーのどこが気に入らなくてここにいるのと問う貴子。誰かを本気で愛したいと思わないかと貴子に問う智也。こんな女は叩くのが一番いいという毅。話のはずみで毅は風呂場に貴子を強引にひっぱりこむ。智也は毅をやめさせようとするが、二人がキスし愛撫し始めているのを見て、部屋を飛びだしてしまう。
PASSIONの結末:果歩の選択と智也の選択
健一郎は果歩と散歩に出かける。果歩に早朝、智也はお前を愛することはないと言う健一郎。3分時間をくれと言って果歩の口や耳やあらゆる場所をほめて、キスをする。でも、果歩は「健一郎を選びたかったけれどだめだ」と言って健一郎を置いて去っていく。
果歩が帰宅したとき智也がソファに座っていた。貴子に振られた智也だが、もう果歩とはいっしょに暮せないと言う。自分を好きだったことはないのかと果歩が尋ねると、さっき健一郎が果歩のことを話したのと同じことばで果歩の美しさを称え始める智也に果歩は笑ってしまう。智也は別れを告げて部屋を出るが、しばらくすると戻ってきて、泣いている果歩に、許してくれもう一度チャンスをくれと言う。
毅は貴子の部屋で一人目覚めたが家路につく。ネコの墓に行っていた貴子が乗った市営バスの後ろの方の座席では健一郎が眠っていた。
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