ストレンジャー・ザン・パラダイスの紹介:1984年アメリカ,西ドイツ映画。全編モノクロで撮影され、3つのエピソードから構成された無表情喜劇です。ハンガリーからニューヨークにやってきたギャンブラーの男とその親友、同じくハンガリーからギャンブラーを追ってやってきた従妹の少女の触れ合いが描かれています。
監督:ジム・ジャームッシュ 出演者:ジョン・ルーリー(ウィリー(ベラ・モルナー))、エスター・バリント(エヴァ)、リチャード・エドソン(エディ)、セシリア・スターク(ウィリーの叔母)、ダニー・ローゼン(ビリー)ほか
映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ストレンジャー・ザン・パラダイスの予告編 動画
映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」解説
この解説記事には映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ストレンジャー・ザン・パラダイスのネタバレあらすじ:The New World
ハンガリーからニューヨークに移り住んだウィリー(ジョン・ルーリー)はベラ・モルナーという本名を捨て、今では親友のエディ(リチャード・エドソン)とともにギャンブルに明け暮れる日々を過ごしていました。
そんなある日、ウィリーの元に、クリーブランドに住む叔母(セシリア・スターク)から電話がかかってきました。ハンガリー・ブダペストから従妹のエヴァ(エスター・バリント)がニューヨークに来るということで、叔母は10日間入院しなければならないので代わりに面倒をみてほしいというのです。
仕方なくエヴァを預かることにしたウィリー、最初のうちはぎこちなかったものの、ウィリーがアメフトなどアメリカ文化を紹介したり、エディもつるんで一緒に遊んでいるうちに打ち解けていきました。
やがて約束の10日が過ぎ、エヴァはクリーブランドへ行くことになりました。ウィリーはエヴァにドレスをプレゼント、あまりこのドレスがお気に入りではなかったエヴァも一応それを着てウィリーのアパートから去り、途中で着替えてドレスを捨てて行きました。
ストレンジャー・ザン・パラダイスのネタバレあらすじ:One Year Later
それから1年後。いかさまポーカーでひと儲けしたウィリーとエディは、エディの兄から車を借りて雪に覆われたクリーブランドまで旅に出かけました。
1年ぶりに再会したエヴァはホットドッグ屋でアルバイトをしており、ビリー(ダニー・ローゼン)という彼氏までいました。叔母の家に滞在することにしたウィリーとエディは一緒に映画を観に行くなどこの町で数日間を過ごしましたが、やがて雪に閉ざされたこの町に退屈したウィリーとエディは、まだ金も残っていることから温暖なフロリダへ行こうと思いつきました。ウィリーとエディは叔母の反対を押し切ってエヴァを連れ出し、三人でフロリダへ向けて出発しました。
ストレンジャー・ザン・パラダイスのネタバレあらすじ:Paradise
フロリダ入りした三人は、エヴァを隠して二人分の宿泊代で安いモーテルに泊まりました。翌朝、エヴァが目を覚ますと、ウィリーとエディの姿がありません。しばらくしてウィリーとエディが戻ってきました。ウィリーらは持ち金をドッグレースにつぎ込んで大負けしてしまったらしく、エヴァは二人に怒りをぶつけました。残った金でニューヨークに帰ろうというエディを、ウィリーは今度は競馬に連れて行き、またしてもエヴァは置き去りにされました。仕方なくエヴァは近くの店で帽子を買い、海岸をうろついていましたが、そこで怪しげな男に人違いされ、ポンと大金を手渡されました。
一方、競馬で大勝ちしたウィリーとエディがモーテルに戻ると、そこにはエヴァの姿はありませんでした。モーテルには「空港へ行く」と書かれた置手紙と大金が置いてありました。
ストレンジャー・ザン・パラダイスの結末
ウィリーとエディは慌ててエヴァを呼び戻そうと空港へ向かいました。この日はもはやブダペスト行きの便しか残っておらず、エヴァがブダペストに帰るのではと勘違いしたウィリーは航空券を買い、エヴァを連れ戻そうと機内へ乗り込みました。
空港の外で待っていたエディは、ウィリーを乗せたままブダペストへ向けて飛び立った飛行機をただ見つめるしかなく、そのまま一人でニューヨークへと帰っていきました。一方のエヴァは、実は飛行機に乗っておらず、たった一人でモーテルに戻り、二人の帰りをいつまでも待っていました。
ジム・ジャームッシュ監督と主演のジョン・ルーリーの出世作であり、奇妙な味のある作品。正直なところ、これは本当に喜劇だろうかと疑問になる。モノクロの良さを感じさせる映像と、どこか重ぐるしい音楽が妙にマッチしていて、やはり時代を代表する佳作だと思う。