アイアン・スカイの紹介:2012年フィンランド,ドイツ,オーストラリア映画。第二次世界大戦を生き延びたナチス・ドイツが月に逃れて地球への侵攻を企てていた。そんな斬新かつユーモアあふれる題材を基にして作られた本作品。作中に知っている人ならにやりとするネタを随所に盛り込み、現代社会への皮肉をも込められた意欲作です。
監督:ティモ・ヴオレンソラ 出演:ユリア・ディーツェ(レナーテ・リヒター)、ゲッツ・オットー(クラウス・アドラー)、クリストファー・カービイ(ジェームズ・ワシントン)、ペータ・セージエント(ヴィヴィアン・ワグナー)、ステファニー・ポール(アメリカ合衆国大統領)、ティロ・プリュックナー(リヒター博士)、ほか
映画「アイアン・スカイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アイアン・スカイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アイアン・スカイの予告編 動画
映画「アイアン・スカイ」解説
この解説記事には映画「アイアン・スカイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アイアン・スカイのネタバレあらすじ:起
2018年、ジェームズ・ワシントン(職業:モデル)は月の裏側に立っていた。アメリカ大統領が次の選挙に勝つためのイメージアップ作戦に、黒人による月面探査計画を立案、実行に移したからだ。しかし彼はそこで行方不明になる。一体彼に何が起きたのか。ワシントンが降り立った着陸地点には本来あるはずのない巨大建造物が建っていました。そして地球から来た宇宙船も見張られていました。誰に?その正体こそ第二次大戦末期、追い詰められ月へと逃れたナチスドイツ軍でした。
ワシントンはナチスの偵察部隊に捕らわれました。そこでナチスの親衛隊隊長クラウス・アドラーと教育指導官の女性レナート・リヒターと会う事に。野心的なアドラーとナチスを平和の使者と思い込んでいるレナートは、時代錯誤な言動を繰り返します。月面のナチスは地球への侵攻を計画していました。リヒター博士のもと切り札になる宇宙戦艦「神々の黄昏」号を建造中でしたが、その計画は遅々として進んでいません。コンピュータ技術の発展が他より著しく遅れていて制御装置が完成していなかったのです。
しかしワシントンのスマホを流用して起動に成功。しかしスマホが電池切れを起こしたため、それ以上の試験はできませんでした。ならば地球に行き、もっとたくさんスマホを奪ってくればいいと主張するアドラー。ほどなく総統から許可がおり、地球行きの円盤型宇宙船が発進します。
アイアン・スカイのネタバレあらすじ:承
地球に降り立ったのはアドラー本人が率いるナチス兵と捕虜であるワシントン、そして密航したレナーテでした。ワシントンは月面で受けた尋問でアメリカ大統領と面識があると喋っていました。そしてこの時、本人はまだ知らないのですが黒人から白人にする注射を受けていました。大統領に会わせろと凄むアドラーに、大統領の選挙参謀ヴィヴィアンを紹介することに。もちろん普通の手では会えませんが、大統領本人よりは警備が手薄な人物です。車での拉致に成功はしたのですが事は上手くいきませんでした。
まずワシントンが車から振り落とされたこと、またナチスなど大昔の遺物としか捕えていないヴィヴィアンが、個性的なアドラー、レナーテを選挙広報に使おうと考えたのです。ナチスで思想教育を受けた純粋培養のレナーテは、時代錯誤ながら国民受けする演説を考え出し、それを発表、大統領選挙は一気に現職優勢へと変わります。
一方、ワシントンは白人の姿になったせいで元の職に戻れず、浮浪者になっていました。そんな彼を見つけ喜びを表すレナーテ。ですがワシントンはとてもそんな状況ではありません。言い合いになり警察に捕まる二人。もう一方のナチスであるアドラーはヴィヴィアンの前で大統領を排除し、月への逆侵攻を口にします。しかし野心全開のアドラーの前に、月にいるはずの総統が姿を現すのでした。
アイアン・スカイのネタバレあらすじ:転
姿を現したナチス総統は地球への攻撃開始を命令。大規模な宇宙艦隊による地球攻撃が始まりました。そのまま野心を表したアドラーを処刑しようとする総統でしたが、その場に一緒にいたヴィヴィアンが敵の小銃を奪い反撃。その場にいたナチス兵を排除してしまいました。アドラーはヴィヴィアンに別れを告げ、ノートパソコンを持って月へと向かいます。一方ワシントンとレナーテもアドラーを追って月に向かいます。
その頃、アメリカをはじとする主要各国は、誰が攻撃しているのか困惑していました。しかしこのままでは被害が拡大するばかり、アメリカ大統領は自身の国で秘密裏に開発した宇宙戦艦の投入を決めます。激しく撃ちあう両陣営でしたが、一隻しかないアメリカ側は猛烈な反撃を喰らいます。そこで各国は、自分の国もと名乗りを挙げ始めます。
主要各国は独自に宇宙戦艦を開発しており、今まで隠していました。突然現われた地球主要国連合の艦隊に、ナチス艦隊は次々に墜とされていきます。そして舞台は月面へ。ナチス最後の切り札「神々の黄昏」号が発進します。
アイアン・スカイの結末
月面に姿を現した「神々の黄昏」号は超巨大宇宙戦艦でした。その威容に対し、果敢に攻撃する地球艦隊でしたが、ナチスの切り札は見あげたタフガイでした。核攻撃の連打にも負けず、強力無比な主砲を発射、地球への射線上にある月の地殻を撃ち抜きます。その衝撃で地球艦隊は結構な被害を受けてしまいます。これで地球への直接攻撃が可能になってしまいました。
外からの攻撃ではどうにもならない巨大戦艦。では内からなら?地球から月へと向かったワシントンとレナーテは戦艦内部のエンジンルームと司令室へと、それぞれ向かっていました。司令室でアドラーと対峙したレナーテは、主砲の第二射を止めることに成功。アドラーをなんとか倒します。またワシントンもエンジンルームでリヒター博士を倒し、制御用に取り付けられたノートパソコンをもぎ取り、エンジンを止めることに成功しました。各自脱出するワシントン達。巨大戦艦は月面へと墜落したのでした。
しかし問題はこれからでした。アメリカの宇宙戦艦が多数のヘリウム3のサイロを見つけたのです。千年単位でのエネルギー問題を解決できるとあって、それまで足並みを揃えていた主要国が互いの利権を廻り、文字通りの戦いを始めてしまったのです。入り乱れ、互いに撃ち合い、破壊される戦艦郡。地球でも最終戦争が始まっていました。
エンディング。破壊されたナチス居住区にレナーテが帰ってきます。また、非白人薬によって黒人に戻ったワシントンもたどり着きました。互いの無事を喜びキスする二人でした。
以上、映画アイアン・スカイのあらすじと結末でした。
ドイツ、フィンランド、オーストラリア3国もの制作で、ごついイメージだったのですが、凄くくだらない設定で、意外に面白くて好きな映画です。
ブラックジョークが、ところどころあるのですが、そういうのが楽しめれる方にはお勧めです。
続編が『カミングレース』と、公開する?舞台が中国の3作目『THE ARK』があるのですが、日本では見れないらしく残念です。