ぼくは怖くないの紹介:2003年イタリア映画。大人達の秘密を知った少年が、迷いながらも勇気を出して成長していくサスペンス&ドラマ作品。イタリアの小さな村で暮らす少年ミケーレは、ある日不審な穴を見つける。そこには鎖で繋がれた少年フィリッポが監禁されていた。動揺しつつもフィリッポと友情を育むミケーレ。しかしその裏で、大人達が不穏な動きを見せ始めていた。原作はニコロ・アンマニーティの同名小説。
監督:ガブリエレ・サルヴァトレス 出演者:ジョゼッペ・クリスティアーノ(ミケーレ)、マッティーア・ディ・ピエッロ(フィリッポ)、アイタナ・サンチェス=ギヨン(アンナ)、ディーノ・アッブレーシャ(ピーノ)、ディエゴ・アバタントゥオーノ(セルジョ)ほか
映画「ぼくは怖くない」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ぼくは怖くない」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ぼくは怖くないの予告編 動画
映画「ぼくは怖くない」解説
この解説記事には映画「ぼくは怖くない」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ぼくは怖くない のネタバレあらすじ:穴の中の足
舞台は1978年、夏の南イタリア。10歳の少年ミケーレは、麦畑に囲まれた小さな村で暮らしていました。村人は全員顔見知りで、子ども達はいつも一緒に遊んでいます。ある日、子ども達は家から離れたところにある空き家を発見しました。その帰り道、ミケーレは落し物を探すため1人空き家に戻ります。ふと、地面に置かれた不審なトタン板を見つけたミケーレ。動かしてみると地面に深い穴が掘られています。中に何が隠されているのか、ワクワクしながら覗いたミケーレの目に飛び込んで来たのは、ボロボロの毛布と人間の小さな足でした。驚いたミケーレは慌てて家に帰ります。ミケーレは母アンナと妹マリア、そして普段は仕事で留守にしている父ピーノと暮らしていました。大好きな父が帰っていたことにミケーレは喜びますが、穴の底の足については誰にも相談出来ませんでした。
ぼくは怖くない のネタバレあらすじ:謎の少年
ミケーレは再び空き家に向かい、恐る恐る穴の底を確かめます。覗き込むと突然やせ細った少年が視界に現れ、ミケーレは悲鳴を上げて全速力で逃げ帰りました。謎の少年について考え込むミケーレは、どうしても気になりまた空き家を訪れます。そしてロープを使ってパンや水を差し入れるようになりました。少年はミケーレに「君は守護天使なの?」と尋ねます。彼の体はやせ細り、足首は鎖に繋がれ痛々しい傷が出来ていました。少年は自分が死亡したものと思い込んでいて、「僕は死んだ」と繰り返し叫びます。
ぼくは怖くない のネタバレあらすじ:大人達の秘密
ある夜、村の大人達がミケーレの家に緊迫した様子で集まって来ました。ミケーレがこっそり覗いていると、どうやらテレビニュースを気にしているようです。テレビ画面には謎の少年に似た男の子の写真が映っていました。彼の名前はフィリッポ。裕福な家の子どもで、身代金目当てに2ヵ月前ミラノで誘拐されていました。ミケーレは謎の少年こそがフィリッポだと確信し、翌日彼に会いに行きます。はじめはミケーレを拒絶していたフィリッポでしたが、次第に打ち解け色々なことを話すようになりました。その頃、ミケーレの家ではピーノの友人セルジョが居候を始めます。威圧的なセルジョと、常に彼に気を使っているようなピーノは友人関係には見えません。大人達の会話やセルジョの荷物から、ミケーレは村の大人達がセルジョと組んでフィリッポを誘拐したのだと確信しました。
ぼくは怖くない のネタバレあらすじ:裏切り
フィリッポのことをずっと秘密にしていたミケーレ。ところがある日、友人サルバトーレのミニカーがどうしても欲しくなってしまい、譲って貰う代わりにフィリッポのことを話してしまいました。もちろん口止めはしておきます。ミケーレがフィリッポに会いに行くと、大人達が彼の体を洗ったらしく、鎖も外れていました。ミケーレは外に出て遊ぼうと誘います。ここは死後の世界ではなく、地面に掘られたただの穴だと励ますミケーレ。戸惑いながらも外に出たフィリッポは、初めて大きな笑い声を聞かせてくれました。ところが穴に戻った2人を待っていたのは、村の若者フェリーチェです。フィリッポの世話を任されていた彼は、当然誘拐事件にも関わっていました。どうやらサルバトーレが秘密を話してしまったようです。酷く殴られたミケーレはそのまま家に連れて行かれました。アンナはミケーレの傷を見て逆上し、フェリーチェに殴りかかります。騒ぎを聞きつけたピーノとセルジョが2人を引き剥がしました。ミケーレの手当てをしながら、アンナは大きくなったらこの村を出て行くようにと話します。ミケーレとフィリッポの関係はピーノにもすぐに伝わりました。ピーノは二度とフィリッポに会うなとミケーレを脅します。「何であの子隠すの?」と尋ねるミケーレに、ピーノは「全部忘れろ」と念を押しました。
ぼくは怖くない の結末:立ち向かう勇気
フィリッポを訪ねようとしては断念する日々を繰り返すミケーレ。そんなある日、子ども達でまた空き家に行こうという計画が持ち上がりました。同行したミケーレは1人でフィリッポを訪ねますが、穴の中に彼の姿がありません。焦るミケーレの背後に立ったのはサルバトーレでした。彼は仲直りすることを条件に、フィリッポは豚小屋のそばにある洞穴に入れられたと教えてくれました。その夜、ミケーレは大人達がフィリッポを殺害するつもりでいることを知ります。ミケーレは一刻の猶予も無いと感じ、こっそり家を抜け出しました。恐怖に竦む体を奮い立たせ、洞穴に到着したミケーレ。入口は高い木の扉で封鎖されています。よじ登ったミケーレは、洞穴の奥で縛られていたフィリッポを発見し、急いで彼を逃がそうとしました。自分が踏み台になってフィリッポを押し上げ、扉を越えた彼に早く逃げろと叫びます。フィリッポが逃げ出してすぐに車の音がしました。隠れて様子を窺っていたミケーレは、扉を開けて入って来たピーノを見て飛び出します。その瞬間、銃声と共にミケーレの視界は真っ白になりました。フィリッポを殺害しようとしていたピーノは、誤ってミケーレを撃ってしまったのです。ピーノは腕の中でぐったりしているミケーレを洞穴から出し、必死に声をかけます。そこにヘリコプターが現れ、村は警察に囲まれました。フィリッポは静かにミケーレを見ています。顔を上げたミケーレに、フィリッポは歩み寄りながら手を伸ばしました。ミケーレも笑顔で手を伸ばし、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ぼくは怖くない のあらすじと結末でした。
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