華麗なる激情の紹介:1964年アメリカ,イタリア映画。アーヴィング・ストーンの小説伝記小説『ミケランジェロの生涯 苦悩と歓喜』を原作とする歴史ドラマです。ルネッサンスを代表する美術家であり、建築家や詩人としての顔も持っていたミケランジェロ・ブオナローティがシスティーナ礼拝堂の大天井画を完成させるまでを、周囲の人間関係や苦悩を交えて描きます。
監督:キャロル・リード 出演者:チャールトン・ヘストン(ミケランジェロ・ブオナローティ)、レックス・ハリソン(ユリウス2世)、ダイアン・シレント(コンテシーナ・デ・メディチ)、アドルフォ・チェリ(ジョヴァンニ・デ・メディチ)、ハリー・アンドリュース(ドナント・ブラマンテ)、トーマス・ミリアン(ラファエロ・サンティ)、アルバート・ルポ(ウルビーノの伯爵)ほか
映画「華麗なる激情」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「華麗なる激情」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「華麗なる激情」解説
この解説記事には映画「華麗なる激情」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
華麗なる激情のネタバレあらすじ:起
1508年。時のローマ教皇・ユリウス2世(レックス・ハリソン)は、自らが立てたシスティーナ礼拝堂にフィレンツェの芸術家ミケランジェロ・ブオナローティ(チャールトン・ヘストン)を招き、その大天井に十二使徒のフレスコ画を描くことを命じました。当初、どうしても気が乗らないミケランジェロは自分は画家ではないと言って断ろうとしましたが、立場上断ることができませんでした。ミケランジェロはフィレンツェに戻り、後援者でもあるジョヴァンニ・デ・メディチ枢機卿(アドルフォ・チェリ)やその妹でミケランジェロの恋人コンテシーナ(ダイアン・シレント)に苦しい胸の内を伝えもどうにもならず、仕方なくミケランジェロはローマに戻り、天井画の製作に乗り出しました。しかし、ミケランジェドはユリウス2世お抱えの建築家ドナント・ブラマンテ(ハリー・アンドリュース)と意見が合わず、先の見えない仕事にすっかり嫌気が差したミケランジェロは仕事を放り出してローマから姿を消してしまいました。
華麗なる激情のネタバレあらすじ:承
ブラマンテはミケランジェロの後任として若い画家のラファエロ・サンティ(トーマス・ミリアン)を採用するようユリウス2世に提案しましたが、ユリウス2世は提案を退けると直ちにミケランジェロを探し出すよう命令を出しました。
その頃、ミケランジェロはカララの石切り場に身を隠しており、大理石を切り出していましたが、ローマから差し向けられた捜索隊から逃れて山の頂に駆け込みました。そこでミケランジェロの脳裏に突然インスピレーションがひらめきました。旧約聖書の『創世記』を描くことでした。ミケランジェロは自ら出頭し、ユリウス2世に直々天井画を『創世記』に変更してもらえるよう頼み、許可を得ました。ようやく情熱を傾けられる仕事と出会ったミケランジェロは以降人が変わったかのように作業に没頭し、寝食を忘れて必死で絵を描き続けました。
華麗なる激情のネタバレあらすじ:転
ミケランジェロはユリウス2世や枢機卿たちの干渉も我関せず、フィレンツェに残してきた恋人コンテシーナの求愛すらも退け、たった一人で作業に没頭していました。そんなある日、突如として視力が落ちてしまったミケランジェロは足場から転落してしまい、コンテシーナの介抱を受けて徐々に回復する。そんな折、ユリウス2世自らミケランジェロを見舞いに出向きましたが、彼の口から告げられたのはミケランジェロを任から外してラファエロを後任に据えるというものでした。しかしそれは、ミケランジェロの仕事への情熱を再び甦らせようとするためのユリウス2世の配慮だったのです。
復活したミケランジェロは作業を再開しましたが、時を同じくして教皇領にフランスが侵攻、やがてドイツも参戦、フェラーラとボローニャが同盟を組んでローマに反旗を翻してきました。
華麗なる激情の結末
ユリウス2世が戦争の準備をしていたある日、ミケランジェロがいつものように作業場に向かうと、足場が取り払われようとしていました。ミケランジェロはユリウス2世に抗議すると、早く天井画を公開したいからだという答えが返ってきました。猛反発したミケランジェロは権利は画家にあると反論、ユリウス2世の怒りを買って任から外されてしまいました。ミケランジェロはローマを去ろうとしましたが、コンテシーナはユリウス2世がいかに天井画を愛していたかを伝えて励まし、ユリウス2世に再び絵を描く許可を求めて承諾を得ました。
ユリウス2世はイギリスやスイスの助けを借りて何とか外圧を制し、ミケランジェロの描いた天井画『アダムの創造』に驚嘆しましたが、やがて病の床についてしまいました。見舞いに出向いたミケランジェロはユリウス2世を、かつて自分が励まされたように勇気付けました。
そして1512年。遂にシスティーナ礼拝堂の天井画は完成し、ユリウス2世はミケランジェロの偉業を称えました。その時ミケランジェロは37歳、これから彼の時代が訪れようとしていました。
この映画の感想を投稿する